もはや風説の流布

セブン-イレブンのnanacoが好調でセブン&アイHD株が買われたらしい。

セブン&アイHD株が買われる、ナナコが電子マネー首位(ロイター) - goo ニュース

2007年7月12日(木)10:26
 [東京 12日 ロイター] 午前の株式市場で、セブン&アイ・ホールディングス株<3382.T>が買われている。12付日経新聞朝刊によると、同社の電子マネー「nanaco(ナナコ)」の6月の利用件数が3000万件となり、ソニー系ビットワレットの「Edy(エディ)」などを抜いて首位になったと報道されており、材料視されている。

 報道によると、ナナコ開始後のセブンイレブンの客数が6月までに3カ月連続で前年を上回っており、顧客の囲い込みにもつながっているという。
このロイターのニュース、12付日経新聞朝刊によるととか報道によるとなどと、及び腰の書き方をしている。ロイターの記者は眉に唾を塗りながら日経の記事を読んでいるような感じだ。その記事は
ナナコ、電子マネー首位・6月、買い物3000万件
 電子マネー主要3陣営の利用状況が11日、出そろった。6月の買い物決済利用件数はセブン&アイ・ホールディングスの「nanaco(ナナコ)」が3000万件となり、ソニー系ビットワレット(東京・品川)の「Edy(エディ)」などを抜き首位になった。発行主体が店舗を持つ小売業の強みを生かして消費者に浸透した。少額決済中心の店舗では電子マネーの利用頻度が高まることが浮き彫りになった形で、今後もコンビニエンスストアなどを主戦場に利用拡大が進みそうだ。

 セブン&アイは4月にナナコのサービスを開始し、5月には対象店舗を全国のセブンイレブン(6月末時点で1万1750店)に広げた。購入額100円で1円相当のポイントを付ける特典などが、来店客の頻繁な利用につながっているようだ。(07:00)
である。ネットで読める記事には載っていないが紙面には細かい数字も掲載されている。あくまで個人的な感覚だがホントかな~と非常に疑わしい。3000万件というのは恐らく何らかのデータソースはあるんだろうと思う。Edyも何らかのデータがあるんだと思う。でもそれらデータは比較できるモノなのか疑問なのである。

というのも、nanacoがEdyを抜いた、というのが私の皮膚感覚と全く違っている。もちろん私はEdyが大好きでひいきしている面はあるかも知れない。しかしセブン-イレブンにもよく行っているのである。週に3回ぐらいは行く。お昼の混雑する時間帯に行くこともあるが、それでもいまだかつてnanacoで支払っている客を見たことがないのである。

一方のEdyはサークルKサンクスやam/pmでは、まぁ10人に1人ぐらいは使っているような印象がある。もちろんサークルKサンクスとam/pmを足してもセブン-イレブンの足元にも及ばないよ、ということかも知れない。でもEdyはコンビニだけじゃなく、ドラッグストアとか飲食店とか、いろんな店で使えるのである。

nanacoの発行枚数が何百万枚、という発表は、まぁ社員やアルバイト、関係者にお願いして頑張れば達成できるだろう。その延長で6月の利用件数が3000万件なのかも知れないが、ホントにそれが「決済利用件数」なのか?Edyの利用回数と比較できる性格のデータなのか。百歩譲って回数が上回ったとしても「首位」などという表現が許されるのだろうか。ここまで来ればもはや風説の流布のような気がする。
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