歌え!だらリーマン

買った、使った、感想、評価

ローストチキン失敗

2006年01月17日 | 調理・料理
鳥はむから変わって去年の10月から作り続けている和風ローストチキン。月に3~4回は作るので10回以上作り続けている。もう「目をつぶっていても作れる」などと慢心していたのが事故の元、失敗してしまった。考えられる原因を列挙しておこう。

加熱不足:1月15日の夜作り始めた。温度計で約60℃を確認した後、保温調理鍋に入れた。台所を片づけたり食器洗浄機に入れるなどの作業の後、再度60℃付近まで加熱。そのあと入浴した。風呂から出たら再々度加熱しようと思っていたのだが忘れてそのまま寝てしまった。16日の朝気づいたが「まぁいいか」と夜まで放置した。

熱ムラ:たれの温度が低いうちにフライパンで表面を焼いた鶏肉を入れた。今までも何度かそんな作り方をしている。まんべんなく加熱されれば問題ないが、鶏肉が入っているとたれの循環は悪くなり熱ムラが発生しやすい。温度計が60℃を指していても、かなり温度の低い部分もあったものと考えられる。さらに落としぶたの問題。これまで書いていなかったが、肉がたれに沈むようにステンレス製の落としぶたをしていた。この影響でたれの循環が阻害されて熱ムラが大きくなったのではないかと考えられる。

ダメ元で再加熱

16日の夜、においが少しおかしい。食べられなくはないと思うが今までにはないにおいがする。取り出して少し食べてみた。味は良い。腐敗しているとは思えない。だがガスが発生している。これは不気味。捨てた方がいいと思ったが、もったいない気がして100g以上試食した。肉のかたまりをトングでつかんだ感じがいつもよりも柔らかい。熱ムラで生のままなのかと思って、ダメ元で再加熱した。念のため70℃ぐらいまで加熱した後に保温外鍋に入れた。

そぼろのように崩れる

17日の朝、においは変わらない。腐敗臭ではなく食べられなくはない。しかし食中毒にでもなったら笑い事では済まないので捨てることにする。捨てるなら、とまた2~3切れ試食した。肉のうまみがよく出て、さらにたれの味がよくしみこんでいて実においしい。正直な気持ち、捨てるのは惜しかった。トングで肉のかたまりをつかんだところ、異常に柔らかい。そぼろのようにぼろぼろと崩れてしまう。あきらめて全部捨てた。

考察:加熱不足と熱ムラとが相まって、肉に50℃未満の部分があったものと考えられる。そのため肉の内部にある酵素の不活性化が完全でなかった。酵素の活動に適した温度で長時間保存された結果、肉のタンパク質の分解が進み、そぼろのように非常に柔らかくなった。16日の夜に再加熱したのも酵素の活動を活性化させたものと考えられる。試食とは言いつつ、かなりの量を食べたが体調に変化はない。腐敗ではなかったものと考えられる。肉の持っている酵素が肉のタンパク質を分解していたとすれば、うまみ成分であるアミノ酸が大量に含まれていたものと考えられる。実際、試食しておいしかった。しかし、腐敗菌が存在して毒素を出している危険性を否定できなかった。

対策:たれを70~80℃まで加温した上で肉を投入するようにしたほうがいいだろう。最初の加熱の段階では落としぶたをやめて、たれをよくかき混ぜるとともに肉の位置を入れ替えるなどして熱ムラを防ぐ手だてが必要。温度計はこれまで鍋に入れたままで測定していたが、加熱の時だけ鍋のいろんな部分にこんな温度計を差し替えながら測定した方がいいだろう。

感想:捨てた肉はもったいなかったが、去年の8月から使い回していたたれも捨ててしまったのが非常に惜しかった。元を正せば焼き豚用に調製したたれを鶏肉にも牛肉にも使い回していい味わいを出していたのに。この失敗をバネにさらにうまい料理を研究する。