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鬼婆(1964)

2008-11-10 00:01:18 | 映画
「エクソシスト」のW・フリードキン監督お薦めの1本、新藤兼人監督の「鬼婆」をたった今観終わったところ。ホラーだとか恐怖みたいな感じは全くなかったんだけど、かなりいい出来だな。まあ、内容的には「まんが日本昔話」のアダルト版みたいなところか・・・

戦乱のススキの原で嫁姑関係の2人の女が、生き延びた落ち武者を襲い殺し、その武具類を奪ってはそれを売りさばいて生計を立てていた。そんなところに息子の友人が戦場から戻り、息子が戦死したことを告げられる。食べること以外に何の楽しみもない女2人の生活に息子の友人が入り込むことによって2人の女性の関係に亀裂が生ずる・・・

女ってものはいくつになっても「女」なんだろうな。息子の友人が2人の前に現れてから、姑は嫁を働き手として必要としていた訳だけど、若い男女は当然のように恋仲になるにつれ嫁を同じ女性としてライバル視するようになるんだよな。

姑役の音羽信子は般若の面をつけて、2人の仲を引き裂こうとするんだけど、その般若の面をかぶるまでもなく音羽信子の表情そのものがすでに鬼そのものの迫真のすごい演技だ。確か新藤監督とは夫婦だったよな。日本のお母さんってイメージしかなかったんだけど、若い頃はこんな汚れ役もやってたんだな。

嫁役は吉村実子。最近たまにドラマの老け役なんかで見かけるよ。この「鬼婆」の中での女優としての眼力が印象的だなぁ。ネット検索で知ったんだけど、この吉村実子って、あの芳村真理の妹なんだって。そういえば似てる、似てる!芳村真理の本名は吉村イネっていうんだよな。妹の実子は本名みたい。つまり吉村姉妹の御両親は「稲が実る」って意味で姉妹に命名されたんだろうな。

新藤兼人って、割と性表現をあからさまにした作品が多いような気がするけど、40年以上も前に撮られた当時にこんなにも女優の裸のシーンが何度も出るような作品があったとはビックリだな。音羽信子も吉村実子も、ついでに佐藤慶も(笑)、みな体を張った素晴らしい演技だな。これをホラー作品なんて呼ぶのはどうなのかな?人間の欲望や愚かさがうまく表現され、画そのものが生命力や躍動感にあふれている。観て良かったなぁ。



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