「愛など信じたらすべてが消えてしまう」と男は恐れている
「すべてを失った後に残るのが愛」だと女は知っている・・・
自分自身、平日に映画観たのはおそらく初めてでは・・・やっと観ること出来たぁ~「ヴィヨンの妻」。別に海外の賞を獲った話題作だったというわけでも太宰ファンってわけでもないんだけど、とにかく引きつけられる何があったんだよな。
戦後混乱期、悩める小説家・大谷(浅野忠信)は飲み屋の椿屋で酒代を踏み倒した上に、盗みも犯す。大谷の妻・佐知(松たか子)は借金の肩代わりに椿屋で働くことになるが、美しく前向きで明るい佐知はたちまち店の人気者になる・・・
う~ん、太宰作品なんでもっと暗くて敷居の高いものだとばかり思っていたんだけど、館内で何度かクスッと笑いがもれるユーモアなシーンもあったほど。変な先入観持ちすぎてたよな。キャストもなかなか良かった。松たか子って、世間一般には美人女優で通っているのだろうけど、個人的には!?みたいな存在だった。だけど、この作品での佐知役ときたら、もうホレボレ見直した。初めてこの女優の良さを知ったような気がする。同じくあまり好きでなかった女優、「オリオン座からの招待状」の宮沢りえの演技と通ずるものがあった。浅野忠信は相変わらずイイねぇ、こちらもハマリ役だった。
ダメ亭主に尽くす前向きな妻の物語かと思いきや、案外、大谷の方が佐知の手のひらの中で遊ばされているんじゃないの・・・母とやんちゃ坊主の関係みたいにもとれるなあ。ラストは中途半端なまま終わるんだけど、おそらくこの夫婦は一生こんな感じでうまく?暮らしていけたんじゃないのかな。それから、この作品の中での夫婦の会話はお互い敬語を使っていたんだけど、まさかみんながみんなこの夫婦のような会話だったはずはないよな。ただその言葉使いに品や節度があってある意味「いい時代」だったといえるのかもしれない。
太宰作品って自伝的なものが多いみたいだけど、この大谷という人物はもちろん太宰本人がモデルなのだろう。太宰作品を嫌う人はとことん嫌うみたいだけど、マイナス指向、破滅型性格といった深刻な話の中に人間の弱さとか恥を認めつつそれでも人生に立ち向かっていかなければならないという面も描かれていることを見逃してはならない。人それぞれ好みはあるに決まってる。「陰」が美学であってもそれはそれでいい。それこそが文学なのかも・・・(難しいねえ)
「すべてを失った後に残るのが愛」だと女は知っている・・・
自分自身、平日に映画観たのはおそらく初めてでは・・・やっと観ること出来たぁ~「ヴィヨンの妻」。別に海外の賞を獲った話題作だったというわけでも太宰ファンってわけでもないんだけど、とにかく引きつけられる何があったんだよな。
戦後混乱期、悩める小説家・大谷(浅野忠信)は飲み屋の椿屋で酒代を踏み倒した上に、盗みも犯す。大谷の妻・佐知(松たか子)は借金の肩代わりに椿屋で働くことになるが、美しく前向きで明るい佐知はたちまち店の人気者になる・・・
う~ん、太宰作品なんでもっと暗くて敷居の高いものだとばかり思っていたんだけど、館内で何度かクスッと笑いがもれるユーモアなシーンもあったほど。変な先入観持ちすぎてたよな。キャストもなかなか良かった。松たか子って、世間一般には美人女優で通っているのだろうけど、個人的には!?みたいな存在だった。だけど、この作品での佐知役ときたら、もうホレボレ見直した。初めてこの女優の良さを知ったような気がする。同じくあまり好きでなかった女優、「オリオン座からの招待状」の宮沢りえの演技と通ずるものがあった。浅野忠信は相変わらずイイねぇ、こちらもハマリ役だった。
ダメ亭主に尽くす前向きな妻の物語かと思いきや、案外、大谷の方が佐知の手のひらの中で遊ばされているんじゃないの・・・母とやんちゃ坊主の関係みたいにもとれるなあ。ラストは中途半端なまま終わるんだけど、おそらくこの夫婦は一生こんな感じでうまく?暮らしていけたんじゃないのかな。それから、この作品の中での夫婦の会話はお互い敬語を使っていたんだけど、まさかみんながみんなこの夫婦のような会話だったはずはないよな。ただその言葉使いに品や節度があってある意味「いい時代」だったといえるのかもしれない。
太宰作品って自伝的なものが多いみたいだけど、この大谷という人物はもちろん太宰本人がモデルなのだろう。太宰作品を嫌う人はとことん嫌うみたいだけど、マイナス指向、破滅型性格といった深刻な話の中に人間の弱さとか恥を認めつつそれでも人生に立ち向かっていかなければならないという面も描かれていることを見逃してはならない。人それぞれ好みはあるに決まってる。「陰」が美学であってもそれはそれでいい。それこそが文学なのかも・・・(難しいねえ)