The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

たわごと

2011年02月16日 | 「オペラ座の怪人」

 

「サソリとバッタ」という爆破装置が日本製なのはご存じかも知れません。どうして日本製なのかな?ジャポニズムでそんな物が流行っていたのかもしれませんし、事実万博でそういう展示物があったのかもしれません。(精巧な青銅製の昆虫と言うのは実際あります)

「オペラ座の怪人」に出てくる地名は帝国主義時代においての征服者と被征服者に大別されます。(例、フランスVSコンゴ、ベトナム、ラホール(シーク教国、インド、中央アジア)

征服者の最たるものはその当時の先進国、しかも海軍となれば一番重要な戦力だったでしょう。先進国の貴族で、海軍軍人で…となれば世界の頂点だったりします。しかも美貌だったら(^^;)

逆に人間とも認められず、しいたげ続けられ、醜い存在は…(^^;)国で言ったら最弱の国と言う事になるかもしれません。

「大国フランス」VS「被征服国家」=「ラウル」VS「エリック」という図式を逆転させるものとしての「サソリとバッタ」なら、白人国家一人勝ちの歴史を変えた非白人国家・日本の品物がふさわしいのかもしれません。

連載が1909年なら日露戦争が終わってまだ間もないころです。しかもその戦争が引き金になって超大国であるロシア帝国は存亡の危機に瀕していてパリの新聞をにぎわせていた頃ですから、日本製の爆破装置はまがまがしいイメージを伴っていたかもしれません。

 

ちなみにルルーは時事問題をとりいれて書く傾向がありますが、1893年にラホールのマハラジャ(王)、ダリープ・シンが失意の最中にパリで亡くなりました。(彼は色々調べると大英帝国の老獪さの犠牲者だと言う事が分かります)
書き割りはジョゼフ・ブケーが絞殺された場所にあり、地下への入り口を隠しています。オペラであると同時に、悲しいパンジャブ(ラホールはパンジャブ地方の街)の王様の面影を宿していると思えてなりません。

 

 


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