漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0845

2022-02-21 07:02:03 | 古今和歌集

みずのおもに しづくはなのいろ さやかにも きみがみかげの おもほゆるかな

水のおもに しづく花の色 さやかにも 君が御影の 思ほゆるかな

 

小野篁

 

 沈んでいる花の色が水面にくっきりと見えるように、私には帝の面影があざやかに見えることです。

 詞書には「諒闇の年、池のほとりの花を見てよめる」とあります。「諒闇」とは、通常は天皇が父母の喪に服することを言いますが、天皇自身の死による服喪を指すこともあるようです。第四句に「君が御影」とありますから、ここでは後者の意味でしょうか。「しづく」は沈む意。言葉通りの意味としては「花が水中に沈んでいて、その花の色が水面に映っている」ということになりますが、花は実際には池のほとりに咲いていて、それが水面に映っているのでしょう。



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