漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0959

2022-06-15 05:49:33 | 古今和歌集

きにもあらず くさにもあらぬ たけのよの はしにわがみは なりぬべらなり

木にもあらず 草にもあらぬ 竹のよの 端にわが身は なりぬべらなり

 

よみ人知らず

ある人のいはく、高津の皇女の歌なり

 

 木でもなく草でもない竹の節(よ)のような、中途半端なありさまに私はなってしいそうだ。

 「節(よ)」は、節の意もありますがここでは竹の節と節の間のこと。「端」は中途半端の意です。
 この歌の作者との伝承があるという「高津の皇女(みこ)」は、第50代桓武天皇の娘で、第53代嵯峨天皇の后であった人物で、後撰和歌集に一首が入集しています。