漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0949

2022-06-05 05:58:17 | 古今和歌集

よのなかを いとふやまべの くさきとや あなうのはなの いろにいでにけむ

世の中を いとふ山辺の 草木とや あなうの花の 色に出でにけむ

 

よみ人知らず

 

 世の中を厭わしく思う山辺の草木にようになった私は、そこに卯の花が咲くように、ああいやだという気持ちが表に出てしまっているのであろうか。

 第三句の「う」が、「あな憂」と「卯の花」の両義になっています。両者の関係が今一つ良くわかりませんが、「う(卯)」の花が咲いて表に出てくるように、「う(憂)」な思いが表に現れてしまう、というところでしょうか。