漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0349

2020-10-13 19:58:15 | 古今和歌集

さくらばな ちりかひくもれ おいらくの こむといふなる みちまがふがに

桜花 散りかひくもれ 老いらくの 来むといふなる 道まがふがに

 

在原業平

 

 桜花よ、散り乱れてあたりを曇らせておくれ。老いがやって来るという道をまぎらせてしまうように。

 詞書には、「堀河の大臣の四十歳の賀、九条の家にてしける時によめる」とあります。「堀河の大臣」とは藤原基経のことで、当時摂政右大臣の地位にありました。