漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0350

2020-10-14 19:28:46 | 古今和歌集

かめのをの やまのいはねを とめておつる たきのしらたま ちよのかずかも

亀の尾の 山のいはねを とめて落つる 滝の白玉 千代の数かも

 

紀惟岳

 

 亀の尾の山の岩を這って落ちる滝の白玉は、あなたの千代の長寿の数ですね。

 滝の飛沫(しぶき)が岩を伝って流れ落ちる、その白玉の数ほどの長寿を、という祝賀の歌。
 作者の紀惟岳(きのこれおか)は、生没年も含めて詳細不明の人物で、古今集への入集はこの一首のみです。