南の島の土着民風自由人

自分の生活、計画し実行してきましたが、病気や人間関係など思いがけない障害に遭遇しました。

ノウハウ技術秘密

2010-02-04 18:48:13 | 仕事
 専門的すぎますが、ついでですから、知っているぞということを少しだけ書き加えておきます。エンプラには、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン(ポリアセタール)、などなどがあり、押出成形(Extrusion Molding)は超特殊です。超と言えば、超エンプラ、というのもあります。エンプラより以上に高熱に耐えられたり、金属のように固く、叩けば、キンキン、カンカンと音がするものもあります。航空機やロケットなどにも使われます。これらはもっともっと、難しい。
 鍋の焦げ付き防止にコーティングしてある樹脂はテフロンと言います。フッ素樹脂です。何百℃にも耐えるし、滑りが非常に良い。原料は熔けにくいので普通は粉末の状態から熱を加えて高い圧力をかけて、プレス成型が基本です。超高密度ポリエチレン(ウルトラ、ハイ デンシティ ポリエチレン)(UHDPE)と言って、やはり、スクリューで押し出そうとしても、スクリューの谷間の形(スパイラルチューブの様な状態)で出てきてしまい、そのままでは押出成形はできません。アロイと言って何か他の樹脂を混ぜて、成形をしやすいように溶融特性を変えて成形します。勿論、単一の場合の物性とは変わりますが、それでも、使えるかどうかはテストしてみる必要があります。しかし、何も形ができないよりは良い。こういうことが、技術者のノウハウというものです。工夫しなければできない、その工夫をできない人には成形ができないし、工夫して作った人に、何かを混ぜるなどごまかしだとか、客先をだましているとか批判する人です。
 こういう、工夫から、新材料が生まれるのです。ABS(アクリル、ブタジエン、スチレン)などは良い例です。三つの樹脂を混ぜて、成形しやすく、それぞれの樹脂の良いところを強調し、悪い点を打ち消しているのです。最初はこの樹脂も邪道と言われたのです。化学的に結合させるものもあり、単位ただ混ぜるものもあります。
 若いころ、ナイロンとポリカーボを混ぜて、真珠の様な光沢のある樹脂ができた。ころころ丸くして、真珠玉のイミテーションを作って、多くに人にプレゼントした。二三年後にテイジンからメタマーブルという商品名で混ぜたその原料が売り出された。
 また、粘度が低くて、押出成形ができない、射出の原料に熱硬化性樹脂のエポキシを混ぜて、粘度を高めて押出ができるようにした。これは、数年後カネボーにヒントを与え、彼らは溶融粘度が格段に高い、押出用の原料を作った。私の会社もその原料を月10トン以上使って、スパイラルチューブを作って大儲けをした。このノウハウは今、三菱エンプタというエンプラ原料の最大手に引き継がれている。
 私の顔を見ただけでは単なる爺さんですが、ちょっと過去の栄光でした。しかし、これからも、次の会社で新製品に挑戦します。
http://www.k4.dion.ne.jp/~enplaind/
PT.NANBU PLASTICS INDONESIAの開店案内はこちらから。MM2100内の場所の地図を加えました。

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