先週は映画を2本。
中国映画の『危険な関係』とジュゼッペ・トルナトーレの『鑑定士と顔のない依頼人』。同じ映画館でかかっていたので、続けて。
『危険な関係』は、ラクロの小説の映画化ですが、わたしがパリで昔見たのはジャンヌ・モローが影で操る女性を演じ、まあ、残酷。映画としては、いまひとつでしたが、小説に勝るはずがないと思って観たので、予想どおりでした。
今回もあまり期待はせずに、とはいえ、美女2人と美男をスクリーンで見続けていられる一時間半なら、まあ、無駄じゃないと思って。
日本の美人女優だと、他の役柄を知っているので、入り込めないのですが、中国の女優だとそれほど知らないので感情移入がしやすいという利点があります。
というわけで、影で操る妖艶な貴婦人を演じていたセシリア・チャン、初めて姿を目にしたんですね、わたくし。この役に限っていえば「好き!」。30年代の上海のお金持ちですから、洋風のドレスやランジェリーが華奢な肢体にバッチリ似合って、きゃ、いい感じ。ちょっと田舎っぽいチャン・ツィーより、誘惑者を演じた男優(美男ですが)より、わたしの目はセシリア・チャンに釘付けでした。
ニコラス・ツェーの元・妻だと、あとで知る。ああ、彼女か・・。と、納得。
映画としては、はい、やっぱりメロドラマです。
でも、セシリア・チャン、がんばれ、のエールを送りながらの一時間半は有意義でした。
やせがまんなのか、自分の本心さえ見えなくなっているのか、1番切なくて1番複雑なのは、彼女です。ちょっと「シャネルとストラビンスキー」の、アンナ・ムグラリス演じたシャネルの強さを思いましたね。男性にこびない!えらい! 学ぼうとしてなかなか学べない・・。