横浜グループのハンガリー語。
いつものテキストを勉強するのだが、ここでの勉強はけっこう脱線する。
その脱線が、すごくためになって、面白い。
今日も、先生がハンガリー語に翻訳された芥川龍之介「魔術」についておしゃべり。
「少しは読んだ?」
「半分くらいは…」
「わかりますか?」
「地の文は難しいけど、何気ない会話文はすごく勉強になるし、使えそうだと思いました。」
「そう、確かに情景を描写したところは難しいよね」「でも、想像力を使って読んでみて」
そうよね。
語学は辞書引くのも大事だけれど、わからないなりにいろいろ想像して補っていくことも大事。
とくに実践では、あらゆる想像力と勘を総動員してなんとか…という感じ。
日頃からそういう訓練をしておくことはとても大事なのだと思う。
ところで、先生は、本業の他にご自分のハンガリー語の辞書の単語を少しずつ増やし、私たちの拙いハンガリー語の勉強を手伝って下さり、日本の小説をハンガリー語に訳して…と、いろいろな試みを続けていらっしゃる。
そして、その成果を惜しみなく分けて下さる。
ありがたいし、頭が下がる。
今回の芥川の小説の翻訳に関して、「芥川の文章というのは、簡潔ですごく良い文章。いろいろ書いてあるようだけど、どの言葉も的確で、無駄な言葉なんて一つもない。訳していると、どんなにすごい小説家がよくわかるよ」と話された。
もちろん、芥川の小説は昔から大好きで、その文章の緻密さにも感心しているけれど、異邦人である先生がその良さを理解していらっしゃることには驚くばかり。
翻訳という努力の要る仕事に取り組むことで、緻密で鮮やかな文章と構成を実感なさったのだろう。
すごい!
日本に住んで20年とおっしゃるけれど、努力なしで得られることではないですよね。
不肖の弟子も、少しは見習わなくては!
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