OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

兄弟仲良く

2007年06月17日 | 母のこと
3日程前に、K叔父から電話をもらった。
「日曜日にOT園へ兄弟そろっていくから、お寿司屋さんを予約してくれるかな」
「もちろん、お安いご用」と、予約をし、その事を母に報告した。
母は、「アラ、うれしいわ~」、「楽しみね~」と大喜びしている。

そして今日が当日。
叔父達より一足先にOT園へ出向いた。
「アラ、珍しい顔だこと」と母。
「昨日も来たのに、珍しいって事はないんじゃない?」
「今日はなぁに?」
「もうすぐ叔父ちゃん達が来るわよ」
「何しに?」
やっぱり忘れてる…。
今日みんなでお昼ご飯を食べる事を説明した。
そして、5分ほど後、叔父達が入って来るや、「あら~、どうしたの?今日はみんなお揃いで?聞いてなかったから、びっくりしちゃったわ!」。
ま、こんなもんでしょう。

嬉しい驚きが何度も繰り返されるなら、とても良いことなので、とがめるつもりもないけれど、この「忘れる」早さにはびっくりしてしまう。
叔父達とのお寿司屋さんでの会話の時も、やはり前に話したことを忘れてしまうので、同じ話題を何度も何度も繰り返す。
叔父達もその辺りは心得ていて、ニコニコと機嫌良く、何度も何度も同じ話題で大笑いをしてくれる。

そして、もう一つ、思いこみ。
元気になって、いろんなことができるようになったのが嬉しい母は、「夜は一人でお散歩して、身体を動かしているのよ」と、自慢する。
「桜が咲いていたときには、一人で夜桜を見に出てきて、あそこに座ってて、係の人に怒られちゃったわ」なんて、すま~して話すものだから、茨城から久しぶりに出てきた叔父などは目を丸くしている。(他の二人は、よく来てくれて心得ているので、「そうか~、すごいなぁ」なんて相づちを打っていたけど)
ライトアップした夜桜を眺めたのは、OT園のレクでのこと。
夜のお散歩は、建物内の廊下でのことで、いつのまにかそれがつながって、母の頭の中では「本当にあったこと」になってしまうものらしい。
訂正などしようものなら、悲しくなったり・怒り出したりなので、まあ害がないことに関しては知らんぷりで通すことにしている。

「繰り返し」も「思いこみ」も関係ない、兄弟4人の話は賑やかに3時間以上も続いた。
戦争前の話や、戦中、戦後の混乱期の話などが、思い出話として語られるので、まるで「社会科」の時間のよう。
もちろん私が小さい頃に聞いたこともある話も出てきたが、初めての事もたくさんあり、なかなか勉強になる。
今日一番のヒットは、「学童疎開」していた叔父が食べたという「チクチク雑炊」。
里芋の茎を具にして雑炊を作ってあったものだから、アクでのどがチクチクして、一日中水ばっかり飲んでいたらしい。
「戦争はイヤだ!チクチク雑炊なんて、とんでもないよ!」と、叔父。
そういう素朴に「イヤだ」と思う気持ちが、一番大切なんだなぁと感じた。

「次は、みんなで横浜の中華街にいこうや」と、叔父。
「手配はみんな任せるから、おまえが全部計画して、日にちと場所を知らせてくれよ」
ハイハイ、分かりました。
母のそばにいることで、こうやって叔父達ともたびたび会え、楽しい交遊の証人ともなれる。
これが私の役割なのだろう。
そう思って、これからもお付き合いさせていただきますとも!