OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

ブダペスト旅行その20 オペラ!!

2007年06月03日 | ブダペスト旅行
ハンガリーの国立オペラ劇場は、アンドラーシ通り沿い、メトロ1番の「OPERA」駅を降りた所にある。
スフィンクスなどもあったりして、往時が偲ばれるとてもゴージャスな建物。



ここで、日本よりもずっと手軽な値段で本場のオペラが見られる。
これを逃す手はないと思いませんか?
(人気のある一部の演目以外は、当日でもチケットは手にはいる。席によって値段は細かく分かれているけれど、今回正面前から10列目くらい、中央の席で5000円くらい)

今回見たのは、ジョルダーノの「アンドレ・シェニエール」。
フランス革命の時代に実在したフランスの詩人を題材にした恋愛悲劇である。
日本で上演されることは少ないようで、もちろん私も初めて見る。
とりあえず話の内容だけは、日本で調べて頭に入れておいた。

娘にとっては、オペラ初体験。
オペラ座の豪華な内装を眺めたり、オーケストラピットを見に行ったりと興味深げに建物の内部を探検している。






そして、お客さんの観察もおもしろい。
ゴージャスな装いのアメリカ人観光客(なぜだかアメリカ人は、すぐ分かる!)、おしゃれをして出かけてきた地元のおばちゃん、ちょっぴり改まった装いの若いカップル、そして同胞である日本人観光客etc.。
みなちょっと興奮して、開幕を待っている、その様子を親子で観察して、あれこれ論評を加えた。
そうそう、オペラのあらすじもザッと説明して開幕に備える。(後ろの席でも、英語であらすじを連れに説明している人がいた。やはり考える事はみな同じ)

いよいよ開幕。
華やかな伯爵家のパーティーの場面から始まる。
そして、主人公詩人のシェニエと伯爵の娘マッダレーナの出会い。
横やりを入れる伯爵家の召使いジェラールというふうに、まあお決まりの話が展開していく。
ミーハーな私は、「オペラ」と聞くとどうしても華やかな場面を想像してしまう。
登場人物の服装も、18~9世紀の西洋のものがいい。
曲だけはそのままで、服はGパンにTシャツなんていう前衛的な試みは、ちょっと悲しい(内容的に素晴らしくても、やっぱりお姫様の出てくるのが、オペラのイメージなんですよ~)。
この最初の場面は期待に違わず、美しく装った人びとのパーティーシーンなので、「よしよし!」という感じ。

このオペラは、舞台がフランス、でもイタリア語で歌われる。
そして、舞台の上に字幕が付いていて、そこにはハンガリー語が表示される。
休憩になったとき、娘は「言葉がなんにも分からない!字幕あったって意味ないし」と、ため息をついた。
「お母さんは、字幕分かるの?」
そう、少し分かるところもある。
「あいしてる~!」なんていうのは、繰り返し出てくるし。
でも、まあほとんど不明というのが真実の所。
「分からなくてもいいのよ。なんとなくあらすじを思い浮かべながら見て、場面と曲の雰囲気が楽しめれば」と、慰めた。

休憩中には、娘を引っ張って、オペラ座の中を歩き回る。
インテリアのきらびやかな雰囲気も、ワインやシャンパンを求めるドレスアップした人びとを眺めるのも、非日常でとても楽しい。
そして、テラスに出ると、夕風に吹かれながら少し暗くなりかけたアンドラーシ通りが眺められて、これもとてもよい気分。

さて、オペラはいよいよ終幕へ。
フランス革命の混乱の中、無実の罪で捕らえられた詩人シェニエは、牢獄の中で辞世の詩を読んでいる。そこへ、恋人のマッダレーナがやって来て、シェニエと一緒に断頭台に送られるはずの女囚と入れ替わる。そして、二人は一緒に死ぬことで愛を貫く事を決意。毅然として、ギロチンに向かっていく…、という終末。
音楽は、甘く悲しく、舞台で手を取り合って悲劇と愛を歌う二人。
いかにも私のイメージするオペラです、よかった~!!

華やかなカーテンコール。
「ブラボー!」の声が飛び、スタンディングで拍手する人もけっこう大勢見えた。
娘も、見ているうちに言葉が分からない事へのこだわりは消えたらしく、「おもしろかった」という感想で、盛んに拍手している。
ぜひにとオペラ鑑賞を勧めた母に気を遣っただけかもしれないが、まあ、これも経験のうちだから、オペラの雰囲気を味わってくれただけで、私は満足です。

華やかな人たちとゾロゾロとオペラ座を出て行くと、さすがに外はもう真っ暗。
この時期、日の長いブタペストで、街の中心で夜を迎えたのは最終日の今日が初めて。
最後の最後に「ドナウの真珠」と称されるこの美しい街の夜景を眺めなくてはと、鎖橋へ向かった。

ブダペスト旅行その19 ドナウクルーズ

2007年06月03日 | ブダペスト旅行
満腹のお腹を抱えて、グンデルを出る。

(フニャディ・ヤーノシュ城、昨年の写真です)
このまま、ここを離れるのも忍びないと、英雄広場の後ろに広がる市民公園のフニャディ・ヤーノシュ城まで散歩をし、これからもblogやハンガリー語の勉強に励めますようにと、アノニムスさんのペンをそっとなでてきた。

(この方はハンガリー最古の年代史作家らしく、ペンにさわるとどうも勉学関係に御利益があるらしい、子ども達が競ってなでていて、ペンだけがぴかぴかに光っている)

ここからアンドラーシ通りを歩いても良かったのだが、もう足が疲れていて、余分に歩く気がしない。
1番のメトロに乗ってコダーイ・ゾルタン記念館へ向かった。
残念ながら、記念館は日曜日はお休み、入り口の様子を覗いて、娘はコダーイさんのレリーフと記念写真を撮った。

(コダーイの名前をいただいた合唱団に10年以上も在籍していたんだから、そのくらいの感慨を持つのはあたりまえ。中も見せてやりたかった…。予定を組むときにうっかり休館日をチェックしておかなかったのが悔やまれる。でも、何もかも私任せではねぇ…)

気を取り直して、ドナウ河畔のヴィガドー辺りへ。
午後は初めてのドナウクルーズです。
この日にドナウクルーズを選んだのは大正解。
お腹はいっぱいで、川風に吹かれたら眠くて仕方がない。
街中で寝るわけにも行かないので、空いている船のデッキの上で景色を見ながらの居眠り、これなら足もくたびれない。
船はヴィガドーの船着き場から出て、マルギット島をグルッと回って帰ってくる。
我々がチョイスしたのは、ほんとうに簡単な遊覧船で、デッキの上に飲み物を売る売店があるくらい。
もちろん、もっと豪華なクルーズ船もあるとのことです。

では、船の上からの景色を少しご紹介。
これは、船着き場付近からブダ側を眺めたところ。丘の上に見えるのは、聖ゲレルトのモニュメント。


そして、こちらはペスト側。国会議事堂がきれいに見えています。


そして、これはマルギット橋の橋脚。彫刻は素敵だけど、ちょっとぼろい。何でも、崩壊の可能性有りとのことで早急に修理が必要なのだとか。




ブダペスト旅行その18 グンデルのサンデーブランチ

2007年06月03日 | ブダペスト旅行
いよいよ今日はブダペストでの最後の一日。
しっかり観光しなくてはと思うところだが、もうそろそろ疲れが溜まり始めていて、あまり元気がない。
前日の朝娘がつぶやいた。
「毎日たくさん歩いてると、朝からもう足がくたびれてるんだね。いつもなら夕方みたいな疲れ方なんだけど」
同感です。
でも、年かさな分だけ、私の方が疲れがきついと思うよ…。

で、今日は少々ゆっくりなスタートということにした。
午前中はゆっくりペンションで過ごし、明朝の出発に供えてトランクの整理をした。
そして、11時頃に、服装を整えて出発。
階段を下りていくと、朝方まで御活躍だったガボールさんが、「二人ともきれいだね~!どうしたの?」と誉めてくださる。
エルさんが、「これからグンデルでランチして、それからオペラに行くのよ」と説明。
そう、これまで連日パンツルックで過ごしてきたのだが、今日は二人してちょっとドレッーシーなスカート姿、バッグもきれいなバッグにしてブダペストで一番のレストランとオペラに備えてみたのだ。

まず、予約しておいたグンデルを目指して、英雄広場へと向かった。

〈英雄広場〉
  
ここには、マジャール族をこの地へ導いた首長アルパードたち7人の部族長を真ん中に、14人のハンガリーの英雄達が半円形に並んでいる。
(おわかりでしょうか?柱と柱の間、左から古い順に英雄さん達が並んでいます。)
ここは、娘も以前に訪れたことがある場所なので、「あ~っ、ここ覚えてる~!」と、嬉しそう。
何度来ても広々として気持ちのいい場所、いかにもハンガリーっぽい所です。

〈グンデル〉
このレストランはどのガイドブックにも載っている(「地球の歩き方」のブタペストレストランガイドではトップに!)、有名なレストラン。
今までの旅行では、訪れる機会がなかったので、「今回はぜひ!」とはりきって予約した。
といっても、ディナーは恐れ多いので、「サンデーブランチ」というビュッフェスタイルのランチ。
ワインかソフトドリンクがワングラス、食後にコーヒーか紅茶が付いて、サービス料込み約6500フォリント(4300円くらい)。
ちょっとご覧になりますか?
まず、レストラン内の様子。ゆったりとしていて、ガツガツ料理をお皿に掻き込むなんて事はしていません。あくまでも優雅に!ですね。


そして料理の数々。まず、前菜。
スープはチーズ風味のマッシュルームポタージュ。

メインの暖かい料理。

デザートは有名なグンデルパラチンタ。
その他に色んなケーキやアイスクリームもある。
  

いや~、食べた、食べた!(この日は以後全くお腹が減らなかった…!)
料理やチーズ、デザート、そしてフルーツ、色んな種類が出ているので、全て試してみるわけにはいかない。
二人で、ちょっぴりずつ、できるだけたくさんの料理とチーズを試し、デザートも力の限りいろいろな種類を味見した。
グンデルで食べる、温かい本家のグンデルパラチンタ(刻んだクルミの入ったチョコレートクレープ)、最高でした!

どんなにがんばっても、「おなかいっぱい」分しか食べられない!
まだ味見をしていない料理やデザートに未練を残し、能力の限界を嘆きながら、「ごちそうさま!」となった。
ところで、このレストラン、請求額にサービス料が含まれている。
こういう場合は、チップがいるのかなぁ~?
疑問に思いながらも、ま、親切で感じも良かったので、別に1割程度のチップを置いてきた。