ハンガリーの国立オペラ劇場は、アンドラーシ通り沿い、メトロ1番の「OPERA」駅を降りた所にある。
スフィンクスなどもあったりして、往時が偲ばれるとてもゴージャスな建物。
ここで、日本よりもずっと手軽な値段で本場のオペラが見られる。
これを逃す手はないと思いませんか?
(人気のある一部の演目以外は、当日でもチケットは手にはいる。席によって値段は細かく分かれているけれど、今回正面前から10列目くらい、中央の席で5000円くらい)
今回見たのは、ジョルダーノの「アンドレ・シェニエール」。
フランス革命の時代に実在したフランスの詩人を題材にした恋愛悲劇である。
日本で上演されることは少ないようで、もちろん私も初めて見る。
とりあえず話の内容だけは、日本で調べて頭に入れておいた。
娘にとっては、オペラ初体験。
オペラ座の豪華な内装を眺めたり、オーケストラピットを見に行ったりと興味深げに建物の内部を探検している。
そして、お客さんの観察もおもしろい。
ゴージャスな装いのアメリカ人観光客(なぜだかアメリカ人は、すぐ分かる!)、おしゃれをして出かけてきた地元のおばちゃん、ちょっぴり改まった装いの若いカップル、そして同胞である日本人観光客etc.。
みなちょっと興奮して、開幕を待っている、その様子を親子で観察して、あれこれ論評を加えた。
そうそう、オペラのあらすじもザッと説明して開幕に備える。(後ろの席でも、英語であらすじを連れに説明している人がいた。やはり考える事はみな同じ)
いよいよ開幕。
華やかな伯爵家のパーティーの場面から始まる。
そして、主人公詩人のシェニエと伯爵の娘マッダレーナの出会い。
横やりを入れる伯爵家の召使いジェラールというふうに、まあお決まりの話が展開していく。
ミーハーな私は、「オペラ」と聞くとどうしても華やかな場面を想像してしまう。
登場人物の服装も、18~9世紀の西洋のものがいい。
曲だけはそのままで、服はGパンにTシャツなんていう前衛的な試みは、ちょっと悲しい(内容的に素晴らしくても、やっぱりお姫様の出てくるのが、オペラのイメージなんですよ~)。
この最初の場面は期待に違わず、美しく装った人びとのパーティーシーンなので、「よしよし!」という感じ。
このオペラは、舞台がフランス、でもイタリア語で歌われる。
そして、舞台の上に字幕が付いていて、そこにはハンガリー語が表示される。
休憩になったとき、娘は「言葉がなんにも分からない!字幕あったって意味ないし」と、ため息をついた。
「お母さんは、字幕分かるの?」
そう、少し分かるところもある。
「あいしてる~!」なんていうのは、繰り返し出てくるし。
でも、まあほとんど不明というのが真実の所。
「分からなくてもいいのよ。なんとなくあらすじを思い浮かべながら見て、場面と曲の雰囲気が楽しめれば」と、慰めた。
休憩中には、娘を引っ張って、オペラ座の中を歩き回る。
インテリアのきらびやかな雰囲気も、ワインやシャンパンを求めるドレスアップした人びとを眺めるのも、非日常でとても楽しい。
そして、テラスに出ると、夕風に吹かれながら少し暗くなりかけたアンドラーシ通りが眺められて、これもとてもよい気分。
さて、オペラはいよいよ終幕へ。
フランス革命の混乱の中、無実の罪で捕らえられた詩人シェニエは、牢獄の中で辞世の詩を読んでいる。そこへ、恋人のマッダレーナがやって来て、シェニエと一緒に断頭台に送られるはずの女囚と入れ替わる。そして、二人は一緒に死ぬことで愛を貫く事を決意。毅然として、ギロチンに向かっていく…、という終末。
音楽は、甘く悲しく、舞台で手を取り合って悲劇と愛を歌う二人。
いかにも私のイメージするオペラです、よかった~!!
華やかなカーテンコール。
「ブラボー!」の声が飛び、スタンディングで拍手する人もけっこう大勢見えた。
娘も、見ているうちに言葉が分からない事へのこだわりは消えたらしく、「おもしろかった」という感想で、盛んに拍手している。
ぜひにとオペラ鑑賞を勧めた母に気を遣っただけかもしれないが、まあ、これも経験のうちだから、オペラの雰囲気を味わってくれただけで、私は満足です。
華やかな人たちとゾロゾロとオペラ座を出て行くと、さすがに外はもう真っ暗。
この時期、日の長いブタペストで、街の中心で夜を迎えたのは最終日の今日が初めて。
最後の最後に「ドナウの真珠」と称されるこの美しい街の夜景を眺めなくてはと、鎖橋へ向かった。
スフィンクスなどもあったりして、往時が偲ばれるとてもゴージャスな建物。
ここで、日本よりもずっと手軽な値段で本場のオペラが見られる。
これを逃す手はないと思いませんか?
(人気のある一部の演目以外は、当日でもチケットは手にはいる。席によって値段は細かく分かれているけれど、今回正面前から10列目くらい、中央の席で5000円くらい)
今回見たのは、ジョルダーノの「アンドレ・シェニエール」。
フランス革命の時代に実在したフランスの詩人を題材にした恋愛悲劇である。
日本で上演されることは少ないようで、もちろん私も初めて見る。
とりあえず話の内容だけは、日本で調べて頭に入れておいた。
娘にとっては、オペラ初体験。
オペラ座の豪華な内装を眺めたり、オーケストラピットを見に行ったりと興味深げに建物の内部を探検している。
そして、お客さんの観察もおもしろい。
ゴージャスな装いのアメリカ人観光客(なぜだかアメリカ人は、すぐ分かる!)、おしゃれをして出かけてきた地元のおばちゃん、ちょっぴり改まった装いの若いカップル、そして同胞である日本人観光客etc.。
みなちょっと興奮して、開幕を待っている、その様子を親子で観察して、あれこれ論評を加えた。
そうそう、オペラのあらすじもザッと説明して開幕に備える。(後ろの席でも、英語であらすじを連れに説明している人がいた。やはり考える事はみな同じ)
いよいよ開幕。
華やかな伯爵家のパーティーの場面から始まる。
そして、主人公詩人のシェニエと伯爵の娘マッダレーナの出会い。
横やりを入れる伯爵家の召使いジェラールというふうに、まあお決まりの話が展開していく。
ミーハーな私は、「オペラ」と聞くとどうしても華やかな場面を想像してしまう。
登場人物の服装も、18~9世紀の西洋のものがいい。
曲だけはそのままで、服はGパンにTシャツなんていう前衛的な試みは、ちょっと悲しい(内容的に素晴らしくても、やっぱりお姫様の出てくるのが、オペラのイメージなんですよ~)。
この最初の場面は期待に違わず、美しく装った人びとのパーティーシーンなので、「よしよし!」という感じ。
このオペラは、舞台がフランス、でもイタリア語で歌われる。
そして、舞台の上に字幕が付いていて、そこにはハンガリー語が表示される。
休憩になったとき、娘は「言葉がなんにも分からない!字幕あったって意味ないし」と、ため息をついた。
「お母さんは、字幕分かるの?」
そう、少し分かるところもある。
「あいしてる~!」なんていうのは、繰り返し出てくるし。
でも、まあほとんど不明というのが真実の所。
「分からなくてもいいのよ。なんとなくあらすじを思い浮かべながら見て、場面と曲の雰囲気が楽しめれば」と、慰めた。
休憩中には、娘を引っ張って、オペラ座の中を歩き回る。
インテリアのきらびやかな雰囲気も、ワインやシャンパンを求めるドレスアップした人びとを眺めるのも、非日常でとても楽しい。
そして、テラスに出ると、夕風に吹かれながら少し暗くなりかけたアンドラーシ通りが眺められて、これもとてもよい気分。
さて、オペラはいよいよ終幕へ。
フランス革命の混乱の中、無実の罪で捕らえられた詩人シェニエは、牢獄の中で辞世の詩を読んでいる。そこへ、恋人のマッダレーナがやって来て、シェニエと一緒に断頭台に送られるはずの女囚と入れ替わる。そして、二人は一緒に死ぬことで愛を貫く事を決意。毅然として、ギロチンに向かっていく…、という終末。
音楽は、甘く悲しく、舞台で手を取り合って悲劇と愛を歌う二人。
いかにも私のイメージするオペラです、よかった~!!
華やかなカーテンコール。
「ブラボー!」の声が飛び、スタンディングで拍手する人もけっこう大勢見えた。
娘も、見ているうちに言葉が分からない事へのこだわりは消えたらしく、「おもしろかった」という感想で、盛んに拍手している。
ぜひにとオペラ鑑賞を勧めた母に気を遣っただけかもしれないが、まあ、これも経験のうちだから、オペラの雰囲気を味わってくれただけで、私は満足です。
華やかな人たちとゾロゾロとオペラ座を出て行くと、さすがに外はもう真っ暗。
この時期、日の長いブタペストで、街の中心で夜を迎えたのは最終日の今日が初めて。
最後の最後に「ドナウの真珠」と称されるこの美しい街の夜景を眺めなくてはと、鎖橋へ向かった。