OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

ブダペスト旅行その17 バーベキュー

2007年06月02日 | ブダペスト旅行
中央市場から始まった長~い観光を終え、ペンションに戻る。
お腹もそれほど空いていないし、外食するのも面倒なので、途中でインスタントマカロニを購入した。
(前日の晩も、これで済ませた!一袋を鍋にあけ、水を加えて8分間煮込むと出来上がり。簡単だけど、けっこうおいしい)

「ただいま~!」と帰ったところ、ペンションの食堂には見慣れない顔が。
「まあまあ、こっちへいらっしゃい」と呼び込まれ、紹介されたのは、初老の男性、ガボールさん。
1956年にアメリカに移住して、レストラン経営で成功した方で、二週間ほどハンガリーに里帰りをしてきたのだとか。
エルさんの娘婿アコシュがアメリカ留学中に世話になったらしく、その縁で今晩はここに泊まるのだという。

1956年と聞いた瞬間に、頭のアンテナが反応した。
「もしかしたら、ハンガリー動乱の時に…?」と尋ねてみる。
やはり勘は当たっていた。
聞き取りが充分ではないので、細かいニュアンスは分からなかったけれど、ハンガリーの田舎で暮らしていた17歳の若者だった彼は、ソ連軍に蹂躙されたこの国と行く末に絶望してアメリカに渡ったらしい。(あくまでもたぶん…)
渡洪前に、授業でハンガリー動乱について勉強し、ついでだからと少し本も読んでみたけれど、歴史の生き証人が目の前にいるなんて!
ビールをご馳走になりながら、ペンションの竹崎さん、エルさんといっしょにGさんのお話を伺った。

「夕飯、今日も台所借りてもいいかしら」と、お伺いを立てたところ、「これからバーベキューをするから、一緒にどうぞ!」とお誘いを受けた。
申し訳なく思いながら、喜んで参加させていただくことにする。
バーベキューのコンロは竹崎さんご自慢のもの。
コンロの炭に火をおこしながら、竹崎さんは娘に日本古来の「火吹き竹」の説明をしていた。
ガボールさんは娘に「良い子だね、ビール持ってきて!」とビールの催促をしている。
何とも和やかな夕方のひとときだった。
そして、この時間に、エルさんの二人のお孫さんともゆっくり遊ぶ。(今まで時間が合わず、なかなか遊ぶチャンスがなかった)
8ヶ月になるという赤ちゃんを、この時とばかりにたくさん抱っこさせてもらう。
娘の抱っこではすぐむずかる赤ちゃんも、私なら平気、「どこが違うの?」と少々気分を害した娘に経験の差を見せつけた。
   
(二人ともかわいいでしょ!下の写真はお兄ちゃんのベンツェが一足先にチョコパンの夕飯を食べているところ)

バーベキューでいただいたのは、サーモンの切り身、ビーフを固まりで焼いてスライスしたもの、鶏胸肉を薄切りにしてチーズを載せたもの。
その他に、付け合わせのジャガイモなどがテーブルで回された。
レストランでシェフをしていたというガボールさんが率先して焼く係を引き受け、お皿に盛りつけるときには、庭の花まで飾って供された。
  
(上がサーモンの焼いたもの。下はローストビーフ。塩・胡椒で味付けをしてあるが、足りない分は食卓で塩をかけて補う。エルさんは、「私、これが好き」とエバラ黄金のたれをたっぷりかけて食べていた。)

バーベキューの時の和やかな様子をちょっと見て下さい。
 
思いがけない家族の団らんに混ぜていただいて、娘も私も本当に楽しい夕飯をいただいた。
ガボールさんは、夕飯のあと、男性陣を引き連れてカジノに行くのだという。
「一緒にお出で!ママも許してくれているんだから。君が一緒に来るとツキがあるような気がするんだよ!」
ガボールさんはさかんに娘を誘う。
竹崎さんが同行して下さるというので、「社会勉強だから行きたければどうぞ」と許したけれど、娘は、「I'm sorry, but I'm very tired today.」と、お断りしていた。
そうよね、いくら若いといっても、毎日の強行軍、これ以上の夜更かしは無理でしょう。

〈附記〉 ガボールさん達は、この後カジノに出かけ、何と帰りは翌朝の5時だったとのこと。
「行かなくってよかった~!」と、娘。

ブダペスト旅行その16 カルビン広場の辺りを

2007年06月02日 | ブダペスト旅行
さあ、ブダペストの街巡りを再開しよう。
今日は土曜日。
スーパーマーケットで11時頃まで買い出しをして、ペンションに荷物を置いてからの出発なので、お昼少し前に街の中心部に着いた。
まず慌てて見ておかなければならないところがある。
地下鉄のカルビン広場で降りて、徒歩で向かう。

中央市場
市場と聞くとどんなものを思い浮かべるだろう。
ブダペストの中央市場は、多分「市場」というイメージには当てはまらない、立派な建物である。
ここは土曜日は2時で閉まってしまうので、まずここから観光を始めることにした。
私は昨年2度、数年前に夫と一度ここに来ているので、3度目なのだが、それまでと違って今日のこの市場はとても賑やかである。
土曜日だからだろうか。
フォークロアのバンド演奏が行われたり、店舗以外の所に臨時のお店が出されて食べ物を供したり、日々の買い物をするブダペスト市民と観光客が交じってごった返している。

一階は肉屋さんと八百屋さん、それにパプリカ製品を売るおみやげ屋さんなど。
パン屋さんやお菓子屋さんなどもあって、とても楽しい。
初めてここへ来た娘は、まず建物の立派さに目を瞠り、ぎっしりと並ぶお店の陳列に目を奪われている。

肉や野菜・果物などは見るだけに留めたが、奥の方の臨時の売店で蜂蜜を買ってしまった。
このお店のおばさんは、私が少しハンガリー語を話すのを知るや、「これは栗の蜂蜜ですよ、効能は…」、「こちらはイラクサ、とても体に良いの」と次々に説明を始めた。
どうも薬用の蜂蜜やさんらしい。
効能書きを示して一生懸命説明してくれる。
そして、一つ一つ味見をしろと、小さなスプーンを差し出してくれる。
説明の合間には、「そちらは娘さんね、よく似ているから分かりましたよ。なんてかわいいお嬢さんなんでしょう」と、お世辞も忘れない。
荷物が重くなるのはイヤだったけれど、ついついラベンダーの蜂蜜というのを購入してしまった。(蜂蜜にラベンダーのいい香りがする!)

2階にはお土産物屋さんとレストランがある。
ハンガリー独特の刺繍製品やクリスタル、革製品などを眺めた後、今日はここで昼食を食べることにする。
ロールキャベツ、ソーセージ、フルーツサラダなどを、カフェテリア方式でいただいた。
たっぷりでおいしかったけれど、観光客値段で特別安いわけでもない。

このレストランを出た辺りで、「日本人か?」と尋ねるおじさんに遭遇。
「そうです」と答えると「素晴らしい!」と言いながら、手にキスをしてくれた。
キツネにつままれたような出来事であったけれど、ハンガリーではよく、「csokolom!」(チョコロム)という挨拶を耳にする。
おはようやこんにちはのような軽い挨拶だけれど、これは「キスを!」という意味で、元々は女性の手にキスをするときに使われたらしい。
実際にこの「csokolom」を体験したわけだ。

食事のあと、地下の売り場へ。
地下は、魚屋さん、野生の肉屋さん(イノシシや野鳥など)とスーパーマーケットがある。
魚屋の店先には、大きな水槽が置いてあり、4~50cmもある鯉がぎっしりと詰め込まれて泳いでいた。
ハンガリーでは、クリスマスのご馳走に鯉のスープを食べる習慣もある。
その他、サーモンの切り身やナマズなんぞも売られていた。
もちろん、我々は見学のみです。

市場の見学も終え、お腹もいっぱいになった。
「さあ、次は国立博物館へ」、という予定だったのだけれど、ここでちょっと寄り道。
中央市場を出るとすぐ目の前が、自由橋。
ここを渡ると、温泉で有名なゲレルトホテルがある。
ちょっとドナウを渡り、この温泉ホテルを見ていくことにした。
移動は、路面電車で。
「地球の歩き方」の地図に出ている番号の電車に乗ればよいので、簡単です。

ゲレルトホテルは古い素敵な建物、中にはアールデコ調の浴槽やプールがあって、とても賑わっている。
昨年は友人とここでの温泉を体験したが、今回は外観を眺めるだけ。
そして、向かいにある洞窟教会へと向かった。
丘の中腹をくりぬいて作られたこの教会は、観光案内にもあまり載っていないけれど、素朴で厳かな雰囲気。
娘もとても気に入った様子だった。

国立博物館
(この建物もも大きすぎて、画面からはみ出してしまう!)

この正面玄関の階段は、1848年の3月革命の時にハンガリーの若き詩人ペトゥーフィ・シャンドールが「国民よ!」と革命を呼びかける13箇条の文をを読み上げた所。
今でも3月15日には、ここで記念の集会が開かれるらしい。
こんなうんちくを授業で習っていた私は、感慨深くこの大きな会談を見上げた。
そして、娘に記念の写真を撮ってもらった。(階段の下の方に立っているのが私です)

ここは、平常展示を見るだけなら入場無料。
この時は、「ジンギス・ハン展」をやっていて、こちらにもけっこう人が集まっていた。
同じルーツの騎馬民族と言うことで、興味があるのかもしれない。
無料だからと直接入ろうとしたら、警備の人に「チケット売り場へ行け」と止められた。
仕方がないので、行列の最後に並ぶ。
チケット売り場の女の子(ここの売り場は女の子でした。おばちゃんが多いハンガリーではすごく珍し~い!)に「平常展だけ」というと、「じゃぁ、無料です」といって、無料のチケットをくれた。
フ~ン、無料でもチケットがあるんだ~。

さて、この博物館の展示は古い時代から始まって、革命の頃のもの、ソ連時代となかなか興味深いのだが、説明が全てハンガリー語で書かれている。
ハンガリーなのだから当たり前だけど、観光客も来るところなのだから、英語の説明が少しくらいあってもいいのにと思う。
私は、何とか足りない単語力を総動員して、断片的に理解したが、娘にはちんぷんかんぷんであったらしい。
時々分かる範囲で簡単な説明を試みた。
そうそう、ここで授業のテキストで勉強した3月革命・ハンガリー動乱の時の人物各位に出会う。
初対面だけど、ちょっと嬉しくて、心の中でご挨拶をしておいた。

私は熱心に、娘はそれなりに博物館の見学を終え、レヒネルスタイル(ハンガリーのアールデコ)の代表的な建物、工芸美術館の外観を眺めた後、ラダーイ通りへ足を向けた。
このラダーイ通りのはずれにテキストに出てきたエッカーマンカフェがある。

それなりにいわれのあるカフェなのだが、外観もインテリアも地味で、娘の食指は動かず、さらにラダーイ通りを中央市場の方向へ歩いた。

ラダーイ通りを歩いたのは、ハンガリー語の一先生が「ブダペストの若者が集まるおしゃれなカフェ通り」だと推薦してくれたから。
確かに、両側にカフェがたくさん並んでいる。
やっと娘のお眼鏡にかなうツコラースダ(お菓子屋さん)を見つけ、お茶の時間にした。
(娘は黒い森のトルテ、私のケーキはクレメーシュ)

ラダーイ通りではこんな素敵な教会や、美しく装飾された建物が見られます。
   

あ~、つかれた~!
たくさん歩いて、足は棒のようになっている。
でも、がんばってラダーイ通りの起点、中央市場の裏まで歩き通した。
で、「そろそろ帰る?」と、お伺いを立てたところ、ヴァーツィー通りを歩いてみたいと娘。
ヴァーツィー通りは、ブダペストの銀座通りといわれるにぎやかな通り。
そして、この日はたくさんのテントが張られ、「本屋祭り」(多分…?)が開催されていた。
観光客とブダペスト市民で賑わう通りを、お土産物等を物色しながらヴルシュマルティ広場まで踏破した。
(ヴルシュマルティ広場の本屋祭りの様子)

もうこれ以上は歩けない。
「おうちに帰りたいよ~」と主張して、充実した一日の観光を終えた。

ブダペスト旅行その15 スーパーマーケット

2007年06月02日 | ブダペスト旅行
ケストヘイから無事戻り、ブダペスト観光の第2日目。

でも、街へ飛び出す前に、エルさんと竹崎さんにお願いして、朝食後すぐに「オーチャン」という大きなスーパーマーケットへ連れて行っていただいた。
いわゆるショッピングセンターのようなところ。
大きな駐車場が併設されていて、たくさんの人が週末の買い物にやって来る。
大きなカートを押して、大きな店内を歩き回り、珍しいものをキョロキョロ眺めたり、お買い得なお土産品を物色したり。
エルさんもあれこれ用事があるらしいので、待ち合わせ場所を決めて、二人で1時間、店の中をふらついた。

スーパーマーケットが大好きな娘は、ウキウキとカートを押しながら店内を歩き回る。
チーズやソーセージなどは種類も多くて、どれもおいしそう。
野菜や果物は、日本の方がきれいで形もそろっているけれど、時々日本では見かけない珍しいものもあって、「これ、何だろう?」と首をかしげながら見学する。
赤みを帯びた皮の丸形のジャガイモ、ゴボウとはちと違うけれど…?と眺めてしまう白ニンジン、パプリカは名物だけあって色・形・味の違う色んな種類のものが並んでいる。
巨大なラグビーーボール型の西瓜もゴロゴロ並んでいて、「これって何人で食べるの?」と娘。
「それよりどうやって家まで運び込むのよ?」と、私。

主婦である私は、肉や魚の値段が気になる。
オーチャンの肉のパックはとても大きく、1kgなんて小さなほう、一体何人で食べるんだろうというような大きなパックがズラ~ッと並べられている。
そして、安いこと!
エルさんによれば、食べ物の物価の安いハンガリーでも、ここはとくに安いお店らしく、レストランの人が仕入れに来たりもするらしい。
大きなカートにぎっしりと鶏の骨付きもも肉を積み上げて購入している人も見かけた。

お土産の買い物は、粉末スープ(ハンガリー名物のグヤーシュスープや冷たい果物スープのインスタント)、サラミソーセージ、パプリカ味のポテトチップやクラッカー、ワイン(トカイワインもここなら週類が多くリーズナブルな値段で買える)、リキュール漬けのチェリーが入ったチョコレート(これは、空港で同じものを売っていたが、値段は倍くらいだった)等。
その他、パーリンカという果物で造った蒸留酒なども、種類が多いので一つずつ手にとって、じっくりと眺める。
トランクの余裕を考えながら、二人で大きなカートいっぱい、あれこれ楽しく買い込んだ。
(といっても、値の張る物はなく、1万円の使い出があるので嬉しい!)