エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

スマートプロジェクトはST革命のスマートバレー公社

2010-06-24 00:01:28 | Weblog
6月24日に拙著『スマートグリッド革命:エネルギー・ウェブの時代』(村井純教授推薦、NTT出版)が刊行されることを契機として、2月に法人化した一般社団法人スマートプロジェクトの活動を見える化いたします。
具体的には、スマートグリッド革命を推進するためのフラッグシップ・プロジェクト(当面4つ)を実行し、「ST革命」のパイロット&ファシリテーターとして、スマートグリッド革命による「エネルギー・ウェブ」の創生を実践していく方針です。フラッグシップ・プロジェクトのうちには、680万人の組合員(=市民)を要する連合とのHEMS+エコポイントに関するパートナーシップ事業が含まれています。
その連合は、6月17日の中央環境審議会ロードマップ小委員会で組織としての地球温暖化対策に関する考え方を表明しました<こちらをご覧ください>。連合としてこれほどまとまったものを公表するは初めてだと思います。
この資料のうち、特に最後の2枚に注目いただけると幸いです。そこに、一般社団法人スマートプロジェクトとのパートナーシップ事業に関する記述が含まれています。
 以下は、25日に開設する一般社団法人スマートプロジェクトのホームページの基本的な記述です。お読みいただければ、幸いです。

1 ヘッドライン

スマートグリッド革命による「エネルギー・ウェブ」の創生(大きな活字、以下は小さな活字) 

スマートグリッドは「グリーンイノベーション」のキーコンセプト 
スマートグリッド推進に当たり最も重要なのは、経済・社会・環境の「三方よし」を実現するユーザ指向の市場の構築
そのため、官民共同のスマートコミュニティ・アライアンスとも連携しながら、「スマート国民総発電所構想」を推進
 その過程でスマートグリッドとエコポイント・エコマネーの「進化」を演出
企業に対して「リナックス型経営」と「オープン・イノベーション」を提示

2 基本メッセージ

スマートプロジェクトは、「ST革命」のパイロット&ファシリテーター(大きな活字、以下は小さな活字)

スマートグリッド革命は、IT(情報通信技術)とET(エネルギー技術・環境技術)が融合したST(スマートテクノロジー)による「ST革命」です。では、「ST革命」を推進する上で最も必要なことは何でしょうか?
スマートプロジェクトは、①ユーザ指向のボトムアップのイノベーションの創生、②テクニカルエンジニアリングよりも重要なソーシャルエンジニアリングの実行、③プロシューマ(生産消費者)を主体とする自律分散協調系の構築の3つであると考えます。
IT革命が「革命」と言える現象になったのは、この3条件が初期段階で整備され、膨大な数のユーザがネットワークに容易に参加できる状況が生まれたことにより、「ムーアの法則」(半導体の性能対価格比が18カ月ごとに半減するという現象が長期にわたって継続するという経験則)と「メトカ―フの法則」(ネットワークの価値は参加するユーザの数の2乗に比例して相乗効果で高まっていくという経験則)が作用したからです。
そのIT革命勃興時においては、シリコンバレーにおいて誕生した「スマートバレー公社」(ジョン・ヤング会長(元ヒューレット・パッカードCEO)、ビル・ミラー副会長(スタンフォード大学教授)、ハリー・サール社長(起業家))がインターネットの民生利用のパイロット&ファシリテーターとして機能し、この3条件を整えました。「スマートバレー公社」は非営利の民間会社として認められた簡素で柔軟な組織体であり、数名の事務局で構成されていました。実際の活動は、「コマースネット」(インターネットを活用した商取引)、「スマートスクール」(インターネットを活用した教育)、「テレコミューティング」(インターネットによるテレコミューティングの促進)などのプロジェクトをコンソーシアム方式で推進することで遂行されました。
いま時代は、IT革命からそれを包摂する「ST革命」への移行という大変革期にあります。「ST革命」のパイロット&ファシリテーターとしてのスマートプロジェクトは、スマートグリッドの進化モデルに基づき、「スマート国民総発電所構想」を実現するためのフラッグシップ・プロジェクトと政府への提言活動等を推進し、IT革命時の「スマートバレー公社」に相当する機能を果たすことを使命としています。