エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

上海市「モノのインターネット(Internet of things、IOT)」産業発展計画

2010-06-21 00:02:49 | Weblog
上海市は「モノのインターネット(Internet of things、IOT)」産業を育てるための発展促進計画を発表しました。嘉定区、浦東新区に産業基地を設け、センサーなど6つのコア技術分野の研究開発、10分野での応用を進める方針です。
「モノのインターネット」は将来の基盤技術として政府や企業に注目されており、中国では、江蘇省無錫市がいち早く同産業の発展計画を打ち出しています。上海市の計画の概要は以下のとおりです。
○政策目標
2012年まで、センサー、短距離無線通信などの重点分野でコア技術の開発能力を高め、産業集積を形成し、影響力のある企業を育成する。上海市の都市建設にできるだけ「モノのインターネット」技術を導入し、この技術の応用を促進する。
○コア技術分野
(1)センサー技術:省エネ、小型、高性能の新型センサーの研究開発、海外企業の買収を通して最新センサー技術の獲得を目指す。
(2)各種設備のコントロールチップ:MCU、DSPやADCなど「モノのインターネット」の各種設備の運行を自動的にコントロールするチップの設計、製造技術を確保する。
(3)短距離無線通信技術:WLAN、UWB、Zigbee、NFCやRFIDなど、無線通信で情報交換を実現する技術を開発する。
(4)ネットワーク技術:「モノのインターネット」を形成できるネットワーク技術を研究する。
(5)システムインテグレーション:各種の具体的な応用分野では、ビジネスモデルの構築に合わせ、必要なハードウエア、ソフトウエアを選定し、システムの設計を含む包括的なソリューション方案を提供する能力を育成する。
(6)データベースの管理と加工:「モノのインターネット」は膨大なデータを生み出す。超大量のデータベースの管理、データの加工・利用技術を高める。
○2つの産業基地
嘉定区、浦東新区に産業基地を設立し、土地審査、研究資金援助などさまざまな面で入居企業を支援する。

○以下10分野での商用化促進
(1)環境や治安維持の監視システム、(2)知能交通システム、(3)物流、(4)省エネのビル運用管理、(5)知能型電力網、(6)医療(医療品、医療人員の管理、遠距離医療の展開)、(7)農業の管理技術(郊外の馬陸ブドウ園で精密に温度などを監視・コントロールするシステムをテスト運営する)、(8)上海万博での応用(入場券、治安管理など)、(9)住宅団地、(10)工業パークの管理。