エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

主要排出国アメリカをいかに巻き込むか

2009-09-26 00:25:20 | Weblog
先ほど12CHのTV「ワールドビジネスサテライト」(23:00~)に直島経済産業大臣が出演し、「2020年、90年比25%減」という目標に関して、もし中国、アメリカなどの主要排出国が参加しなければ日本の目標値は低くなる、むしろ、日本が国際的なルール作りに積極的に参加し、実効ある温暖化対策を構築することが必要だという趣旨の発言をされておられました。
 今回の国連総会でのオバマの演説は、この点で極めて保守的で「very disappointing」でした。このようなアメリカの姿勢は国際的な非難に値するものと思います。金融でキリギリスをやって世界全体を金融危機に追い込んだ当事者であるアメリカが、環境エネルギーの分野でもキリギリスを演ずることは許されません。しかも、これは人類の生存に関係するものです。
 これに関して、以前もご連絡しましたが、EPRI(シリコンバレーにある世界的に著名な電力シンクタンク)は、そのシミュレーションモデル「Prism and Merge」の基づき、アメリカは2030年に05年比41%のCO2排出削減が可能という結果を発表しています。
 それによると、省エネとともにCCS、再生可能エネルギー、原子力(ただし、現行の第3世代プラスの軽水炉まで。コストのかかる高速増殖炉や核燃料サイクルの完結は行わない)などの最新技術をフルに普及促進することにより、41%のCO2排出削減が可能としています。
 このフル展開のシナリオによると、2050年までに1兆ドルのコストがかかり、50年における卸電力料金は80%上昇、一家庭あたりの小売電力料金は16,000ドル上昇するとしていますが、第3世代プラスの軽水炉の導入やCCSを行わない限定的な展開では210%上昇、一家庭あたりの小売電力料金は28,400ドル上昇となり、フル展開のほうが電気料金の上昇がはるかに抑制されるとしています