ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

幸福のスイッチ

2024年07月01日 | 映画みたで

監督 安田真奈
出演 上野樹里、沢田研二、本上まなみ、中村静香、林剛史、芦屋小雁

 先日、小生宅のエアコンを買い替えようと、ヤマダ電機に行って霧ヶ峰を注文した。ウチはマンションの4階だというと、取り付け工事の下見に来た。室内機と室外機の設置場所を見て、ウチでは工事できませんと断られた。今の霧ヶ峰は近くの町の電器屋が曲芸をして取り付けてくれた。どうしてもとヤマダ電機にいうと高所作業車が必要とのこと。ヤマダ電機はキャンセルし、近くの町の電器屋に頼むと、パナソニックのエオリアをなんとか工夫して取り付けてくれた。また、最初の霧ヶ峰を曲芸して取り付けてくれた電器屋は、老母が存命中電球一個交換に来てくれた。その電器屋は震災後廃業されたが、別の町の電器屋が健在。風呂場の換気扇が異音を発する。気軽にきて点検してくれた。
 だから、この映画で沢田が演じていた電器屋のオヤジは現実にいる。
 玲はオヤジと折り合いが悪く和歌山県の実家を出て東京でイラストレーターをやっている。駆け出しのくせに、クライアントの意向を汲まず上司にたてつく困った新人イラストレーター。姉が倒れたとの知らせを妹から受けた。帰省すると妊娠中の姉は元気。代わりに父が骨折で入院。
 父誠一郎は小さな電器屋を経営している。近くに大手の量販店ができて経営は苦しい。それに父は商品を売るより、売ったモノの修理点検にいっしょうけんめい。電器屋は売るより売ったあとのお世話が大切との信念。そんな父にあいそをつかせて家をでた玲だが、しかたなく電器屋の仕事をする。
 上野のふてくされ演技と沢田のがんこオヤジのとりあわせが面白かった。町の電器屋を大切にするパナソニックが協力しているだけに、ヤマダや上新にはマネができない町の電器屋の存在価値が判る映画であった。このことは小生も現実に体験している。