今日は農作業支援もなく、井上道義さんの札響定期演奏の余韻に浸った。
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札幌交響楽団661st 定期演奏会2024.5.26 円形配置
名古屋フィルのスタッフさんが札幌Kitaraホールに遠征して、音の素晴らしさに驚いたそう。
オーケストラは通常は指揮者を中心に扇形に演奏者が配置されるが、5月26日の札響定期演奏会は指揮者を真ん中に、取り囲むような円形配置で演奏が行われた。
曲目に昨年の5月に名古屋フィルでも井上道義氏の指揮で演奏されたクセナキスの作曲による「ノモス・ガンマ」あった。名古屋フィルのスタッフさんは円形配置のアドバイスと聴き比べで来ていたのだろう。
満席だった。
武満徹作品も初めて見る配置で、「地平線のドーリア」は雅楽のような静謐さがホールに満ち、「アステリズム」はピアノとの静けさがやがて音の爆発となり、Kitaraで初めての経験だった。
「ノモス・ガンマ」の作曲者のクセナキス(ルーマニア)はフランスで活躍した数学者・建築家にして第二次世界大戦の反ナチスの闘士であり、曲は何となくそんな雰囲気。円形配置は指揮者の指定である。
最後はラベルの「ボレロ」。
円形配置で初めて聴いた。音の洪水の中で札響との指揮が60回に亘る道義さんが躍っていた。
カーテンコールが鳴りやまず、最後にステージから飛び降りようとポーズして会場を沸かせた。いつもサービス精神が旺盛である。
井之上道義氏は今年末77才で引退する。14才の時に指揮者を目指し、その時の自分のままで終わりたいという願望があったという。
推測だが、複雑だった両親との関係の中で、育ての父に感謝の気持ちを伝える機会を失い、作品にしたかったオペラを企画・上演し終えたこともあったのではないかと思っている。
反骨精神旺盛で天才的な閃きを感じる人だ。
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「地平線のドーリア」
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「アステリズム」
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「クセナキス」
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「ボレロ」
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※写真は札幌交響楽団公式Xより掲載。