鹿児島の沖合に種子島があり、その南に屋久島があり、更に南に飛び石状にトカラ列島がある。人口160人の一番大きな中之島に数十頭の日本在来の『トカラ馬』が自然状態で放牧されている。
大学時代にRugby部の部長であったS先生の講義で知った。教室の窓から遠くを見ながら話しをする姿が印象的でいつか訪ねたいと思っていた。
自転車旅を始めて間もない2016年に実現した。卒業して45年目のことだった。
トカラ列島は〝刻が止まった悠久の島々〟と言われている。口之島から奄美大島手前の横当島まで、無人の4島を含む12島が南シナ海に飛び石状に連なる。
縄文後期の遺跡が発掘されていて、日本書紀の7世紀頃の記述にある"吐噶喇(トカラ)"が名前の由来ではないかとみられている。馬とともに大陸文化が伝わってきた。
鹿児島から中之島までは「十島としま“村営”フェリー」で6時間30分。
旅のルートは福岡まで飛行機、鹿児島まではパスによる輪行。中之島まで往復して鹿児島から指宿、枕崎、天草、熊本、福岡まで自転車で北上す予定で組んだ。
ところが・・・、熊本に泊まった4月14日の夜9時過ぎにあの大地震に遭遇した。
JRも道路も寸断!どうするか・・・。
福岡にいる息子から大牟田まで走れば(50Km)そこからは西鉄で福岡に入れるとの情報があり、何とか辿り着いた。
思いで深い旅の顛末を折々綴ります。 (つづく)