ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

児童文学&YA文学

2011-10-07 10:18:54 | 
「犬どろぼう完全計画」 バーバラ・オコーナー 2010 文溪堂

 How to Steal A Dog 2010  三辺律子訳

 訳者に惹かれて手に取ったら、5・6年生向けの課題図書だった。
 
 父親の家出によって、母と弟と3人で車上生活になったジョージナ。
 お金はない、人には見られたくない。
 母は働きに働いても、なかなか家を借りれない。
 犬をさがした謝礼のポスターをみつけたジョージナは、大枚の礼金を
 くれそうな人の犬を盗むことを思いつく。
 様々な出会い、ジョージナの心の成長が、いかにも感想文向け。


「時間のない国で」 上・下 ケイト・トンプソン 2006 東京創元社

 The New Police Man 2005 渡辺庸子訳

 たった今、打ってて気づいたのだが、どういう意味でこの原題なのだろう?
 紙にメモッたときは意識しなかった。
 書き間違いじゃないよなぁ。
 
 アイルランドが舞台。
 「なぜか時間がなくなる」・・・一瞬、モモの世界を連想したが
 妖精と混在する世界ならではの物語だ。

 時間がなくなるのは、ティル・ナ・ノグへ時間が洩れているせいだった。
 ティル・ナ・ノグは、海のかなたや地下にある楽園、常世の国と呼ばれる。

 地下壕の壁から妖精と人間が行き来する方法は沢山のファンタジーにある。
 キングスクロス駅の体当たりもそうだよな。
 
 この妖精たちは「心配」が苦手だ。
 なるほど、心配というのは、時癌が流れ、変化するところから来るものだ。
 永遠の現在に住んでいると、能天気でいられるわけだ。
 
 そこに時間が流れ込むことによって
 彼らも能天気なままではいられなくなって・・・


「No.6 #9」 あさのあつこ 2011,6.13 講談社

 とうとう完結。
 ネズミは最後までネズミだったし、
 紫苑は最後まで紫苑だった。

 理想都市と言われ、究極の管理都市 No.6 は崩壊し
 再興は紫苑に委ねられた。

 エリウリアス(だっけ?)は土着の大いなる存在だった。
 ひいては大自然や宇宙に繋がる存在を大切にするという発想が
 根底にあると思う。
 登場人物それぞれが魅力的で、会話のテンポも
 話の流れのテンポもいいが、
 基本的に1本の柱があるのだろうな。

 それにしても、あさのさんは実に多作だ!


「まともな家の子供はいない」 津村記久子 2011.8.10 筑摩書房

 中三受験生セキコは怒りまくっている。
 大人なら大人らしくしろ!!
 合わないからと仕事を辞め、子供の部屋でゲームをしている父
 その父を容認する母、父になついて上手くやっている妹。
 家には居場所がない。

 学校や塾、図書館、友達の家の方がよほど楽だ。
 でも、友達の親もおかしい!
 通販にはまったり、不倫してるらしかったり~

 14歳の視点で、小気味良く描かれている。

 もう一話「サバイブ」も収録。
 こちらは、セキコの友達?の一人、室田の家庭。


ついでに、昨日聴いたCDは・・・

司馬遼太郎の 「人斬り以蔵」
朗読は 津嘉山正種…どんな人だろう。

司馬さんの作品は20代の頃、片っ端から読んだが、殆ど忘れている(^^;
「竜馬がゆく」や「坂の上の雲」などは何度か読んでいるが
この「人斬り以蔵」は新鮮だった。
福山雅治の「龍馬伝」を連想しながら聴いた。
同じ歴史的事実を用いても、解釈のしようで異なる世界が広がるのが面白い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする