ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「商い同心 人情そろばん御用帖」

2024-10-03 10:53:48 | 

 

「商い同心 人情そろばん御用帖」 梶よう子 実業之日本社 2023.12.15

 

シリーズの第二作目らしい。

物の値上がりを取り締まる北町奉行所諸色調掛同心・澤本神人が、算盤と人情の謎解きで江戸の暮らしを守り抜く。

 

浅草に現れた評判の女易者を「いんちき」と断ずる男の言い分は?ーー

高価なはずの薬用人参が安値で売られている。本物か重罪となる偽薬か……

次々起こる事件には、なぜが元南町奉行・跡部良弼(よしすけ)の影が……

 

 事がおきたとき、人は悩んで、考えて、最善の道を選ぶ。それしかできないからだ。

 だから、神人はいつも思うのだ。何事もなるようにしかならないのだと。

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「ホットプレートと震度四」

2024-09-27 11:49:45 | 

 

「ホットプレートと震度四」 井上荒野 淡交社 2024.2.3

 

結婚式祝いに贈られたお揃いの鉄鍋

夫の元カノから譲り受けるホットプレート

クリスマスプレゼントのピザカッター……

いつの間にか娘が小物入れに使っていたゼリー型

料理上手の母が水餃子を作るときに使っていた机

夫の不審な挙動に気づくたびに編んでいたアクリルたわし

 

"食にまつわる道具"をめぐり、揺れ動く心を切り取った短編集。

 

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「この会社、後継者不在につき」

2024-09-27 11:38:03 | 

 

「この会社、後継者不在につき」 桂望実 KADOKAWA 2023.11.30

 

二人の息子のどちらかに会社を継がせたい!

社内に目ぼしい人材がいない……

社長が急に亡くなり、新オーナーは外国人!?

 

型破りな中小企業診断士・北川は、悩める経営者たちに前代未聞の後継者決定策を提示する。

 

経営者が代わり、それに伴う変化に戸惑う社員に、病で療養中の上司が言う。

「働くのはしんどいがやっぱり人間は働くべきだよ。自分が役に立ったという感覚はさー、働く中で得られるからね。働けるのはさー、幸せなことなんだ。気に入らない職場であってもね。そこでもきっとなにか得られるものはあるはずだ」

 

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「姥玉みっつ」

2024-09-21 23:08:40 | 

 

「姥玉みっつ」 西條奈加 潮出版社 2024.3.20

 

名主の書役として暮らすお麓の閑居へ、能天気なお菅と、派手好きなお修が転がり込んできた。

二人とも五十年前の幼友達だ。

お麓は歌を詠みながら安穏の余生を送ろうとしていたのだがーー。

ある日、お菅が空き地で倒れた女と声が出せない少女を見つけてきた。

厄介だ。お麓にとって悪夢のような日々が始まったーー。

 

泣いて、笑って、喧嘩して、

なんだかんだあっても婆たち三人ーー

人生これから!

 

P152

女が仕事を持つことは、江戸では決してめずらしい話ではない。というのも、庶民に「結婚」が強いられるようになったのは、明治以降であるからだ。

「結婚」とは、婿養子を除けば、妻が夫の家に嫁することだ。妻は財産をもつことが許されず、家父長制のもと家に縛りつけられることとなった。

しかし江戸期までは、「結婚」という約束事を交わすのは、貴族や武家といった身分のある家や富裕な者に限られ、庶民のあいだの夫婦とは、もっと緩い間柄である。夫婦はまさに一緒になるもので、法的には未婚も多く、夫婦別姓、夫婦別財があたりまえであった。

 

 

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「魔女と過ごした七日間」

2024-09-18 23:22:56 | 

 

「魔女と過ごした七日間」 東野圭吾 KADOKAWA 2023.3.17

 

AIによる監視システムが強化された日本。

指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。

不思議な女性・円華に導かれ、父を亡くした少年・陸真の冒険が始まる。

 

「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」

 

陸真は大切なことに気づけた。きっと彼女のいう通りに違いない。

国家が作るのは、国民をコントロールするのに都合のいい法律だけだ。DNAもIDナンバーカードも、国民を管理するツールにすぎない。だからこそ大事なのは、そんなものに振り回されたりせず、困難にぶち当たった時には、自分で考え、道を切り拓かねばならないということだ。頼るのはAIなんかじゃない。自分の頭だ。

 

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