ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「あなたが誰かを殺した」

2024-04-26 22:16:49 | 

 

「あなたが誰かを殺した」 東野圭吾 講談社 2023.9.21

 

久々の東野圭吾さん。

やはり、飲み始めると一気!

 

8月の別荘地。

様々な家族が夏を過ごすためにやってくる。

総合病院を経営する夫妻と我が儘な一人娘、その婚約者。

大企業の会長とやり手の妻とその部下家族。

経営者の妻と公認会計士の夫のパワーカップルと、中学生の娘。

別荘地に移り住んだ未亡人、その姪夫婦。

そして、いまは空き家になっている別荘。

彼らは毎年、優雅なバーベキュー・パーティを行っていた。

いつも通り開催されたその催しが、思いがけない悲劇の幕開けとなる。

 

事件に巻き込まれた家族たちは、真相を自分たちの手で解き明かそうとする。

そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。

 

人間関係はどろどろしてるけど、

殺人が軽い…………

 

 

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「列」

2024-04-20 16:18:18 | 

 

「列」 中村文則 講談社 2023.10.3

 

ある動物の研究者である「私」は、いつのまにか「列」に並んでいたーー。

先が見えず、最後尾も見えない。

だれもが互いを疑い、ときに軽蔑し、羨んでいる。

 

あらゆるところに、ただ列が溢れているだけだ。

何かの競争や比較から離れれば、今度はゆとりや心の平安の、競争や比較が始まることになる。

私達はそうやって、互いを常に苦しめ続ける。

 

P24

自分の後ろには、大勢いて欲しい。まだこんなに、後ろに人がいると思いたかった。

自分が最後尾だら、と想像する。耐えられない。最後尾なら、列に並ぶ意味はない。後ろに人がいなければ、列に価値はない。

 

 

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「カモナマイハウス」

2024-04-15 10:36:52 | 

 

「カモナマイハウス」 重松清 中央公論新社 2023.7.25

 

不動産会社で空き家メンテナンス業に携わる水原孝夫。

妻・美沙は、両親の看取り後、怪しげな「お茶会」にハマっており、31歳になった元戦隊ヒーローの息子の将来も心配だ。

そんなとき、美沙の実家が、気鋭の空間リノベーターによる「空き家再生プロジェクト」の標的になるのだが……

 

全国の空き家が、2018年の時点で849万戸。

空き家率は13.6%だ。

 

自分の家で生活を営んでいると、空き家になった実家は無用の長物ということが多い。

実家への思い入れがあるこの作品の美沙のようではなく、処分したくても、解体はお金がかかるし、田舎などは買い手が見つからない。

現実の問題点をあれこれ思い浮かべた。

 

P122

息子を親の思い通りにしようなんておこがましい、親の役目は転ばぬ先の杖を差し出すんじゃなくて、転んだあとで立ち上がるのを見守ることだ、やった後悔よりもやらなかった後悔の方が苦いんだから……

 

P161

「ココロの穴を埋めようと思ったら、なんでもいいから『押し』をつくるんだって。それが一番手っ取り早くて、確実なんだって」

 

P167

「五十過ぎたらタッチで十分」「手つなぎはグー、タッチはパー、パーはグーより強いの」「相方がいなくなったら一人でタッチ、すなわち合掌、仏壇の前で拝んであげなさい」

 

P185

「あなたは、あの子のことをたくさん心配してくれるけど、あんまり信じてあげてないのよねえーっ」

 

 

親子、夫婦、家族……

頷いたり、やはりお話だよなぁと思ったり、

さすが重松さん、一気に読んだ。

 

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「じい散歩 妻の反乱」

2024-04-09 22:13:49 | 

 

「じい散歩 妻の反乱」 藤野千夜 双葉社 2023.10.21

 

前作からさらに歳を重ね、夫婦合わせて180歳を越えた新平と英子。

3人の独身中年息子たちは相変わらずの呑気さで、自宅介護が必要になった母親の面倒を見る気配もない。

まさに老々介護の生活が始まった新平にとっての束の間の息抜きは、趣味の散歩や食べ歩き。

留守番している妻への土産は忘れない。

 

ヒッキー、トランスジェンダー、見通し甘々の事業で借金ぐるみ……

よくぞここまでという息子たちに囲まれた老夫婦。

自宅で看取られた英子の遺言状は、新平の想定外だった。

 

続く、かな……?

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「鎌倉駅徒歩8分、空室あり」

2024-04-04 21:36:36 | 

 

「鎌倉駅徒歩8分、空室あり」 越智月子 幻冬舎 2022.12.5

 

昨年2月にリクエストした本がようやく回ってきた。

 

香良は、鎌倉の古い洋館で父と二人で暮らしてきたが、

その父が亡くなって一年たった……。

父が始めた「おうちカフェ」は細々と続けている。

 

ある日突然、福井にいた親友・三樹子が離婚してやってきた。

彼女のすすめでシェアハウスを始めることに。

朝は淹れたてのコーヒー、土曜日は賄いのカレー付き。

 

新たに三人が住人となった。

訳ありのそれぞれの日常。

 

 

 

 

 

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