「婿どのの相逢席(あいあいぜき)」 西條奈加 幻冬舎 2021.6.30
小さな楊枝屋の四男坊・鈴之助は、相思相愛のお千瀬の生家、大店の仕出屋『逢見屋』へめでたく婿入り。
誰もが羨む逆玉婚のはずだったが……。
P30
見栄と意地、面子と建前。男らしさを裏打ちするのは、いわば外に向かっての体裁で占められている。(略)
世間に認められ、己を誇示してこそ、初めて満足を得る。それが男という生き物だ。
P104
親の期待に応えたい、認めてほしいーー子供の願いは、それに尽きる。
P196
事にさいして、泣いておろおろするのが女らしいふるまいであり、逆におとこがめそめそすれば男のくせにと謗られる。その決めつけが、何とも生きにくい。
P204
「怒り、悲しみ、迷い、苦しみ。この手の負の気持ちには、まったく同じに通ずるものがある」
「どれも、ひとりよがりってことさね」
P292
あたりまえこそが、もっとも恐ろしい敵となり得る。
外れたとたん、白い眼を向けられ、容赦なく石をぶつけられる。
女性が主となる仕出屋を舞台に、世の中の仕組みを問う。
さすが西條さん、
テンポがよくて、早起きした早朝に一気読み♪
思ってたより読む時間がかかって、午前の予定に遅れそうになった(笑)
読むのが遅くなったなぁ……