ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「ツバキ文具店」

2017-03-31 23:42:43 | 

 

「ツバキ文具店」  小川糸    幻冬舎     2016.4.20

 

鎌倉宮の近くにツバキ文具店はある。

この1月に訪れた鎌倉を思い出した。

行く前にこの本を読んでいたら、

鳩子が歩いたあたりを散歩したかもしれない。

 

代筆屋でもある鳩子に様々な依頼がくる。

手書きで仕上げた手紙が、随所にあった。

それぞれの文面の趣が異なること以上に、

文字も違っていることに見入った。

 

手紙 : 萱谷恵子

とあるから、全部、この方が書いたのだろう。

内容と文字のマッチングが素敵だ。

 

お悔やみの墨の色を薄くするのは、

悲しみのあまり硯に涙が落ちて薄まったため、

という意味合い。

 

汚文字(おもじ)、

という言葉には初めてお目にかかった。

 

食べ物についてーー。

 

  春苦み、夏は酢の物、秋辛み、冬は油と

  心して食え

 

P223

よく考えると、自分で自分の姿は見えないのだ。(略)いつだって、自分よりも周りの人の方がたくさん私を見ている。だから、自分はこうだと思っていても、もしかしたら他人は、もっと別の私を見出だしているのかもしれない。

 

モリシゲさんは言う。

 

「後悔しないなんて、ありえないんです。ああしてあげればよかった、あの時あんなことを言わなければよかった、ってね。(略)

でもある日気づいたんですよ。

失くしたものを追い求めるより、今、手のひらに残っているものを大事にすればいいんだって」

「誰かにおんぶしてもらったなら、今度は誰かをおんぶしてあげればいい

それだけで十分ですよ」

 

 

読み終えて、はんなりふんわり気分。

 

 

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「朝が来る」

2017-03-29 23:42:09 | 

 

「朝が来る」   辻村深月   文藝春秋     2015.6.15

 

リクエストしてから回ってくるまで、

かなり時間がかかった。

頼んでいたことを忘れていたくらい……。

 

子を産めなかった者、

子を手放さなければならなかった者、

両者の葛藤と人生を丹念に描く。

 

確かに我が子は格別の存在だ。

だけどもし、子供が授からなかったとしたら、

それなりに別の人生もあると思うが、

それは、子供がいるが故の傲慢な考えだろうか。

 

ともあれ、

養子をもらうことにした佐都子と清和夫婦に、

双方の親が猛反対する。

血のつながらない子を育てるなんて、と。

 

(佐都子は)

血のつながった実の親と喧嘩のような話し合いをしながら、家族は、努力して築くものなのだ、と思い知る。

 

考えに考えた末にもらった子供。

佐都子夫婦は揺らがない。

養子であるという事実を隠さず、

しっかりと愛情と信頼関係を築いていく。

清々しい。

 

中学生で妊娠してしまい、

子供を手放さざるを得なかったひかり。

彼女には、

娘たちに理解があるという体面を取りつつ、

自分たちが決めた枠からはみ出すことを

絶対に認めない両親への反発もあった。

子どもを産みたいし育てたい、

でも、中学生にはできないこと……。

 

 

血のつながりって何だろうと改めて考える。

子どもが授からないとわかって、

それでもどうしても親になりたいのなら、

養子でいいと思う。

血縁に拘らない家族があってもいい。

 

 

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100万円の寄付

2017-03-28 23:20:58 | 考えたこと

 

近頃、世の中を騒がせている森友学園。

不審が多々あるなかでの100万円について。

 

「100万円の寄付の記憶がないのです」という

表現が引っ掛かった。

「寄付していません」と

きっぱり否定しなかったのはなぜだろう。


100万円は大金だ。

それが記憶にない程度だとすると、

彼女たちの世界では、

そのくらいの金額は取るに足らず、

日常的に行き交っている、ということなのか。

 

記憶にない、というのは便利な言葉だ。

事実を肯定も否定もしていない。

逃げ道を作っているとも考えられる。

 

考えに共鳴したのなら、寄付はあり得るし、

妥当な金額なら講演料の授受も

大きな問題ではないだろう。

始めに否定したから、

それを貫かなくてはいけなくなったのでは、

とも考えてしまう。


水掛論で、真偽は解明されないと思うが、

どんなに口裏を合わせているとしても

この件に関しては、

安倍首相夫人への疑惑は消えない。

 

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「クラウドガール」

2017-03-27 22:51:54 | 

 

「クラウドガール」  金原ひとみ    朝日新聞出版

   2017.1.30

 

まさに、クラウドというか

雲の中のような……。

 

どんなにはっきり覚えていると思っていても、

記憶が正しいとは限らない。

回想を重ねるにつれて、

事実からどんどんかけ離れていくことも多い。

共有していると思っていた出来事の記憶が、

実は異なっていた、なんてこともある。

 

刹那にリアルを感じる美しい妹・杏と、

規律正しく行動する聡明な姉の理有。

 

私の母への反抗は、母を愛し、母の幸福を祈ることだった。

そんな私を母は拒絶し続けたーー理有

 

一度もパパが必要だって思ったことはなかった。

理有ちゃんとママがいれば、もう私の世界は完璧だったのーー杏

 

朝日新聞に3か月、連載されていたのか~。

 

 

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驚きの連続

2017-03-26 21:30:52 | 日記

 

福岡大大濠vs滋賀学園、

滋賀学園は

何度かのサヨナラのチャンスをいかせず、

延長15回引き分け再試合となった。

 

大相撲の最後の方で、再度テレビをつけた。

相撲にはあまり興味がないけど、

怪我をした稀勢の里の取組は気になる。

 

昨日はまったく覇気がなくて、

後々を考えると休場して治した方が良いのでは

とも、思っていたのだが……

直接対決で勝った!

そして、優勝決定戦も制した♪

 

いやはや、なんとも驚いた!

気迫と意地を感じた。

素晴らしい。

 

決定戦が終わってすぐ、チャンネルを替えた。

終わっただろうと思っていた高校野球を

まだ、やっていた。

福井工大福井vs健大高崎が、確か延長13回。

結局、この試合も引き分け再試合となった。

 

2試合連続の再試合にビックリ!

 

短時間に驚きが重なった。

こんな驚きは、いいもんだ。

 

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