ジョンさんのイギリス料理講座 Part6: Yorkshire編 … Inishmore (恵比寿)

恵比寿INISHMOREで開催された、イギリスローカル料理講座“John's British Food Road Trip”Part6。
Part5: North West編はこちら。

今回はイングランド北部の中心、ヨークシャーの料理です。


Scarborough Fair Chicken スカボローフェア・チキン
♪Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme ♪
サイモン&ガーファンクルで有名になったスカボローフェアは、元々イングランド民謡なんだそうです。
イングランドには花と同様にハーブを贈る習慣があって、ハーブの花言葉もあるそうです。

歌詞の通り、パセリ、セージ、ローズマリー、タイムの生ハーブをたっぷり使って、マッシュルームソースと一緒にオーブンで料理したチキンの胸肉。
濃厚ながら、生ハーブの香りが爽やか。

Roast Beef & Yorkshire Pudding ローストビーフとヨークシャープディング
（最初の写真）
今回のメインは何といっても、このサンデー・ロースト。
ローストビーフは巨大な固まりをオーブンで焼いたもので、今日はややしっかり目の焼き加減。
当たり前ですが、スーパーで売ってる薄いのとはまるで違う、ボリュームたっぷりの肉料理です。肉汁で作ったグレイビーソースも濃厚。

左上の油揚げみたいなものが、ヨークシャープディング。
シュークリームの皮のような、素朴な味。
元々はこのような、平べったいものだったそうです。
ホブゴブリンのサンデーローストのような大きく丸いものは、高温で密閉できるオーブンが無いと出来ない、新しいものだそうです。


Chicken Tica Masara チキン・ティカ・マサラ
イギリスはインドとの縁が深いため、スパイスやインド料理が深く浸透しているそうです。
このチキン・ティカ・マサラはイギリス生まれのレシピで、イギリスのセインズベリー・スーパーでは、冷凍プレートが年間160万食も売れる定番商品だそうです。
ただ、レシピはかなりバラバラで、レストランでも店ごとに味が違うそうです。

今日のレシピは、あっさりした胸肉のタンドリー・チキンに、濃厚なカレーソースを合わせた感じ。
スカボローフェア・チキンや、以前のコロネーションチキンなど、淡白な胸肉に濃厚なソースを絡めた料理が多いですね。
ソースにはかなり大量のスパイスが入っているのですが、それ以上に大量のバター、クリームとトマトのおかげで、口当たりは欧風カレーのようにクリーミー。後から辛さがやってきます。


Parkin パーキン
11/5の、ガイ・フォークス・デイに食べるお菓子だそうです。
ガイ・フォークスは1605年に国王を爆殺しようとしたテロリスト。
暗殺は叶わず、捕まって火あぶりにされたそうで、イギリスでは彼が逮捕された11/5を花火で祝うのだそうです。
殺されたガイ・フォークスに義賊的な人気があるのかな？と思ったら、どうやら国王の無事を祝い、ガイ・フォークスをオモチャにして楽しむお祭りらしいです。

treacle(トリークル)、またはMolasses（モラーセス）という糖蜜、オートミール、ミックススパイスなど、ちょっと珍しい材料を使った濃厚なケーキ。
クリスマスプディングのような、高密度でボロっとした食感。
スパイスと黒砂糖の風味が利いていて、今までで一番甘いケーキでした。

バターも物凄い量で、生地造りで巨大なバターの固まり（普通の箱入りバター半分位）がドサっと入った時には、みんな思わず笑っていました。
ガイ・フォークスも甘いもの好きだったんでしょうか。


後でちょっとなめさせてもらった蜜は濃密で、和菓子の黒蜜にかなり近い風味でした。
黒蜜より、黒砂糖の風味が利いていたような気がします。
でもコレでマイルドフレーバー…


今回もお腹いっぱい。
特にパーキンが効きました。
ジョンさんは
「今度はデザートだけで1回やろうかな」
と話していましたが、別腹が何個あればいいんだろう…