TAMAちゃんダッシュ

愛犬タマとマル民の私の毎日です

ELLE

2006-07-31 | ペット
 彼女はとうとう星になってしまいました。

 一見すると褐色でラブラドールにしては大きく土佐犬のようであった彼女ですが、その表情はいつも穏やかで優しい瞳をしていたような気がします。
 エルは管理人の家から300㍍ぐらい離れた先に住まうご近所の犬でした。スナックの店先で放され、行き交う人をじっと見ていた看板娘でした。
 エルと出会った当時、彼女を土佐犬系の犬だと思っていた私は触れることもできずに顔だけ彼女の方にやりいつも通りすがるばかりでしたが、彼女が吠えるのを一度も見たことがありませんでした。頭を撫でてやるようになって暫くしてからうちにタマが来ました。ご近所デビューのためにタマを連れてエルの所にいった時にも、タマはダメ犬全開で吠えまくっておりましたが、彼女は気にせず余裕で近寄ってきてくれました。やはり吠えませんでした。飼い主さんも本当におとなしい犬なのよと言っていたのがよくわかりました。
 そんなエルがある時からよくなき始めました。遠吠えといったものではありませんが、とにかく少し高めの声を出してしきりに飼い主さんを呼ぶのですね。様子をうかがうと老齢のため「子どもがえり」しているということでした。そのうち甘えてなくことも止みました。大嫌いな花火や雷の音さえも聞こえなくなってしまったのと同じ時期だったようです。
 それから3年、酷暑の夏、台風の多かった夏を過ぎて「頑張って夏を越せたね」と彼女の側を通るたびに声をかけていたのですが、今年の夏が来る前にとうとう逝ってしまいました。先月の事だったそうです。

 タマにも
エルちゃん、死んでしもうたんよ」と伝えましたが、わかるはずもなく…
熱いぐらいの生きてるタマの温もりを感じながら、いつかやって来るタマとの別れの時を考えたり、純粋にエルの死を悲しんだりと、知らせを聞いた昨日は考えるところが多かったですが、今日になって落ち着き、やはり書き残したいと思ったので文章にしてみました。

 R・クレイダーマンのアルバム「綿の国星」の中にオリヴィエ・トウッサン作曲の彼女と同名の「ELLE」という作品があります。風を受けながら空を駆けるような爽快感溢れる楽曲を思い出しながら、空のどこかで彼女の魂も駆けていてくれればと思っています。
 「ELLE」とはフランス語で「彼女」の意。彼女はきっと心の中で駆け続けてくれるでしょう。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
habiさんへ (瑠葉)
2006-08-05 08:34:52
何かの縁でその家にやってきたペットですから

おっしゃるように悲しみ以上にうれしさや楽しさを

貰っていると思います。

大切な存在ですよね。



テンプレは私もやりとりをしている方のテンプレが変わって

「変わったんだ」と気付きます。



色っぽさもそうですが

花火が大好きなもので…
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ペットの死もつらいけれど・・ (habichan)
2006-08-03 09:07:16
ペットの死ってとてもつらいけれど、

それ以上にペットからは嬉しいこと楽しいことをもらっていて。。。。

飼い出すと、(1匹目が死んでしまっても)やはりまた飼いはじめてしまいます。



我が家の2代目モルちゃんは、今夏痩せしています。(+_+)



ところで、このテンプレートも色っぽくって素敵。

私はgooに新しいテンプレートが出たというのは、いつも瑠葉さんのテンプレートが変わった事で気が付きます。
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とほさんへ (瑠葉)
2006-08-02 12:26:13
老衰ですね。

体が大きい分しんどかったようですが

やはり筋力が衰えていましたね。

階段の昇降が難しかったようです。



水玉はあの絵?ですね。

似合うような体つきになりたいです…(泣)
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ha-chansanさんへ (瑠葉)
2006-08-02 12:14:48
私の目には土佐犬に見えたラブちゃんでした。

体つきや筋肉質を見るとそれらしく見えたのですが

やっぱりラブラドールは犬種自体が優しい性格をしているらしいです。



ハイジちゃんとクマちゃんも確かにそういうお年ですね。

でも犬の仲間がいつも一緒にいる分少し様子が違うかもしれませんね。



本当にペットは家族同様ですから

元気で長生きしてもらいたいです。

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てっちゃんへ (瑠葉)
2006-08-02 11:48:51
犬が嫌なことは自分がシンドイ事、

そして飼い主や自分に接する人が悲しい顔をしている事などだそうです。

子どもがえりしてしまった彼女にとってはまさに

それに尽きたんでないでしょうか。

星になってしまった彼女に飼い主の悲しみと愛が届いていて欲しいと思います。

側にあっていつも私たちの心を和ませてくれていたわけですから、あちらの世界にあってもずっと幸せでいて欲しいと思います。
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風さんへ (瑠葉)
2006-08-02 11:21:33
天寿といってもやっぱり家族の一員のように思っていましたので悲しみは大きいです。

言葉を発せないからまた余計に悲しみが増すということもあるかもしれませんね。

でも何かの縁でエルも飼い主さんと巡り会い、

幸せだったようですよ。

あんな優しい犬は私は初めてでしたから。

家族から愛され、いつも優しい気持ちが彼女にも溢れていたと思います。



「エル」っていう響きも好きなんですよね。

お洒落な名前を頂いた彼女は本当に愛されていたのだと思います。
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老衰 (とほ)
2006-08-02 08:58:15
ですよね。

エル幸せだったと思いますよ。



テンプレいいですねぇ。

でも瑠葉さんは、水玉模様が似合うのですよね。
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ペットの死 (ha-chansan)
2006-08-01 13:51:20
こういうことは、いつかは、来るものなのですが、いざとなると辛いですね。



夏季は特に犬にとっては、体調を崩しやすい時、病気になったり、亡くなったりする犬が多いようです。



今、行ったネット友達のところでも、息子夫婦の飼い犬が亡くなったというお話でした。



タマちゃんがいくら吠えても、無反応だったんですね。

なんて性格の良い土佐犬でしょう。

土佐犬は闘犬なので、しつけないと危険だといいますけど、そのお宅はきっときちんとしつけをされていたんでしょうね。

もともとの性格も良い子だったのかな?



犬は年を取ると、ボケて、遠吠えをするんでしょうか?

我が家もハイジとクマがそろそろ老齢に入るので、そんな日がいつか来るのでしょうが、今はあまり考えたくないです。



お互いペットには、元気で長生きしてほしいものですね。
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Unknown (てっちゃん)
2006-08-01 07:51:53
知り合いの認知障害の老女、幸せそうに人形をいつも抱っこしています。最近の記憶が閉ざされた彼女、昔の想い出に生きています。そういうの見ていると、介護する方は大変ですが、本人が気の毒に、というのも当てはまらないような。年老いて、子どもに戻る、人間も犬も一緒ですね。

それにしても犬の目ってやさしいですね。

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別れは ()
2006-07-31 23:02:45
辛いですね。大人しいエルちゃんが、最後は良く鳴いたとのこと、何だか悲しいですね。老齢と言うことは天寿と言う事でしょうが、天寿だからと悲しみが少ないわけではないですよね。

>ELLE」とはフランス語で「彼女」の意

何も知らない私はELLEがフランス語と言うことも意味も知らないままでした。

彼女の死で一つ知識が増えました。ありがとう。
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