酔漢庵【ゑゐどれあん】~エロケンの酔いどれ日記~

へっぽこプログラマーのつれづれなる日記です。

時をかける少女(その5)

2008-03-03 19:57:25 | 酔いどれ日記
 前回に引き続き原田知世版の「時をかける少女」のストーリーについて話したいと思います。ネタバレもありますがご了承ください。

 この映画のエンディングは10年後(だったかな?)の話になっていて、このさき主役の二人がどうなるのかを観客に想像させるような終りかたになっています。

 それなのに、その余韻にひたる間もなく、エンディングのあとで映画のストーリーをふりかえるような感じで原田知世が主題歌を歌いだします。しかも、主題歌を歌いおわったあとに私服姿の原田知世の笑顔がアップになります。登場人物である芳山和子ではなくどうみても原田知世としての笑顔です。

 そのためにエンディングを見たあとの余韻がかき消されて頭の中がリセットされてしまいます。せっかくエンディングで10年後の話を描いて印象深い終りかたになっているのに、この演出はそれをだいなしにしている気がします。

 この映画が公開されていたときは、レコードにかわってCDが出てきたばかりのときで、プロモーションビデオなんてものはない時代でした。なのでもしかしたら今のプロモーションビデオのような役割を持たせたかったのかもしれません。しばらくの間そう思っていました。

 しかし、時をかける少女の監督をしていた大林監督が監修をしている佐藤藍子主演のタイムリープという映画を見て考えが変わりました。

 この映画もエンディングの直後に「カット」(だったかな?)という声ががかかって、撮影現場で佐藤藍子がオーケーがでて安心して微笑むという終りかたになっています。

 監修をしている大林監督の意見がどこまでタイムリープにもりこまれているのかはわかりません。もしも、エンディング後の演出が大林監督の考えだとしたら、大林監督は映画本編だけでなく、出演者の素顔のような舞台裏を見せるのが好きなのかもしれないと思いました。

 そういったサービスに対する反応は、見る人によってさまざまだと思います。喜ぶ人もいれば、興ざめする人もいるでしょう。また映画本編の内容によっても感じかたは違ってくるでしょう。

 エロケンの場合、時をかける少女もタイムリープも、せっかくエンディングが印象深いものになっているのに、映画本編のあとにこういう演出があるのは納得できません。

 時をかける少女で原田知世が主題歌を歌っている映像は映画のストーリーのダイジェストのようにもなっていて、映画本編からきりはなしてみると楽しめる内容になっていると思います。それだけにそれを流すタイミングに納得がいかなかったのが残念です。せめてスタッフロールがすべて流れ終わったあとに特典映像みたいな形で流してほしかったなと思います。