酔漢庵【ゑゐどれあん】~エロケンの酔いどれ日記~

へっぽこプログラマーのつれづれなる日記です。

文章の模写(13)

2007-09-02 17:06:10 | 文章の模写
模写をして身につくもの
 模写を長く続けていると書き写している文章の書き方がうつってしまうということはあります。それでも、もともとの自分の文章の書き方が模写をして書き写した文章の書き方におきかわることはありません。

 もともとの自分の文章の書き方と模写をすることで身につけた文章の書き方が混ざった状態で、あらたに自分の文章の書き方として身についているのです。

 例をあげて説明してみたいと思います。エロケンは今までに文庫本で4冊分の志賀直哉の小説を模写しています。しかし、このブログに書かれているどの文章を読んでもいかにも志賀直哉の文章だと感じるような文章はないはずです。もしかしたら志賀直哉の影響を受けているかなと感じる文章がいくつか見つかる程度だと思います。
 
 また、書かれている文章に独特のクセや言い回しがあることもわかってもらえるはずです。それがエロケンが自分の文章の書き方で書いた文章に表れるクセや言い回しなのです。

 ちなみに、自分自身では、gooブログの日記の文章よりも、ライブドアブログで書いているプログラミング関係の文章のほうが志賀直哉の文章に近いような気がしています。

文章の模写(12)

2007-08-26 17:44:33 | 文章の模写
模写を続けたときに起こる変化
 前回までで模写のしかたについて一通り説明したので今回から模写を続けていくとどういう変化が起こるのかを説明したいと思います。

 模写をはじめたばかりの頃は、もとの文章をそっくりそのまま書き写すことができずに書き直しをすることが多い、文章を読む早さと書き写す早さがかみ合わない、といった感じでイライラした状態が続きます。

 模写をするのに慣れてくると、もとの文章をそっくりそのまま書き写すことができずに書き直しをすることが少なくなる、文章を読む早さと書き写す早さがかみ合うようになる、といった感じで書き写すのが苦にならなくなります。

 さらに模写を続けていると、どれだけの量の文章でも書き写すことができるような気持ちになることがあります。模写の中毒症状におちいってしまうのです。

 マラソンランナーにはどれだけの距離でも走り続けることができるような気持ちになるランナーズハイという状態があるようですが、それにならって模写の中毒症状をライターズハイとよぶことにします。

 ライターズハイの状態になると書き写すというよりも走り書きに近い状態になって、書き写す文章の量がふだんの3~5倍に増えます。

文章の模写(11)

2007-08-19 16:45:07 | 文章の模写
模写の進め方
 模写について一通り説明したので、模写の進め方をまとめておきます。

 模写をはじめる前に、好きなものについて、好きなところと好きな理由を三つづつ書いた記事をブログに投稿する。

 文庫本の短篇集から15ページ以内の短かめの作品を5つ選んで模写する。

 小説の1ページ分の文章を段落ごとのキリのいい単位で毎日書き写す。

 5つの作品を模写しおわったあとで、もう一度、好きなものについて、好きなところと好きな理由を三つづつ書いた記事をブログに投稿する。

 模写をはじめる前にブログに投稿した文章と、五つの作品を模写しおわったあとでブログに投稿した文章を比べて、模写をすることで文章の書き方がどう変わったかを確かめる。

文章の模写(10)

2007-08-12 17:11:35 | 文章の模写
模写の効果

 模写の効果として次のような効果があります。

・文章を書くときのボキャブラリーが増える。
・文章のリズムや組み立て方が身につく。
・もともとの自分の文章の書き方に磨きがかかる。

 これらの効果について一つづつ説明します。

模写の効果(1)
 ふつうに考えると、模写をすると自分の文章の書き方が書き写している文章の書き方に置き変わるような気がします。

 しかし模写をしてももともとの自分の文章の書き方が大きく変わるわけではありません。

 もともとの自分の文章の書き方に、模写をすることで身につけた文章の書き方が加わると考えてもらえればわかりやすいと思います。

 模写して書き写した文章の書き方がすべて加わるのではなく、自分にあったものだけが加わることになります。

模写の効果(2)
 模写をすることで、始まりがあって終わりがある文章を書く経験ができます。実際に経験することで、文章のリズムや組み立て方といった文章を書くためのコツを身につけることができます。

模写の効果(3)
 模写をするときは、自分ならこう書くのにと思うことがあっても、我慢してもとの文章をそっくりそのまま書き写さなければいけません。そういった我慢を何度も経験することで、自分ならこういう書き方をするという感じで自分の文章の書き方を強く意識することになります。その結果、もともとの自分の文章の書き方に磨きかかることになります。

文章の模写(9)

2007-08-05 18:52:13 | 文章の模写
模写しおわったら

 手書きで模写をしたときは、模写しおわった原稿用紙は捨てるしかありません。
パソコンを使って模写をしたときは、模写しおわったファイルは削除するしかありません。

 小説などの文章には著作権というものが存在します。古い作品で著作権の期限が切れていたとしても、他人が書いた文章をなんのことわりもなく、インターネット上などの公の場で公開すべきではありません。

 模写しおわった文章は、手書きのものであっても、パソコンのファイルであっても再利用することはできません。

 自分が書いた文章で他人が書いた文章を引用したいのであれば、出版社・著者名・本のタイトルなどを明記した上で引用するようにしましょう。

文章の模写(8)

2007-07-29 16:15:20 | 文章の模写
模写のしかた

 模写をするときは、小説に書かれている文章を、点(、)や丸(。)も含めて一字一句かえることなく、必ずそっくりそのまま書き写すようにしてください。また、段落のはじまりの一字下げについても同じように一字下げをしてください。

 書き写したときにもとの文章と違う部分があることに気づいたら間違えた部分だけを書きなおします。間違えた部分だけを書きなおすことで、前後の文章とのつながりや流れを止めずにすみます。

 小説の1ページから1ページ半の文章を段落ごとのキリのいい単位で書き写すということを毎日続けて、一つの作品をし終わるたびに3日の息抜きの時間をとるようにすれば、3ヵ月ぐらいで5つの作品をすべて模写することができます。

文章の模写(7)

2007-07-22 00:42:17 | 文章の模写
短篇小説を使う理由

 小説の文章を模写するときは、1つの長編小説を模写するよりも、短篇小説をたくさん模写するほうがいいと思います。

 長編小説はすべての文章を模写するのに時間がかかりすぎます。最後まで書き写さないうちにめげてしまう可能性が高いです。

 短篇小説はすべての文章を模写するのに時間がかかりません。たくさんの作品を模写することで、始まりと終わりがあってきちんと完結している文章を書くということを何度も経験することができます。何度も経験することで、文章の流れや組み立て方といった文章を書くためのコツが自然に身につきます。

文章の模写(6)

2007-07-15 00:40:33 | 文章の模写
模写のすすめかた

 次のような感じで模写をすすめると、自分で模写の効果を確かめることができます。

・映画でも小説でも音楽でも何でもいいので自分の好きなものについて好きなところと好きな理由を3つずつ書いた記事をブログに投稿する。

・文庫本の短篇集の中から15ページ以内の短めの作品を5つ選んで3ヶ月ぐらいかけて模写をする。具体的な模写のしかたは次回に説明します。

・5つの作品をすべて模写し終わったら、もう一度、好きなものについて好きなところと好きな理由を3つずつ書いた記事をブログに投稿する。

 模写をはじめる前に投稿した文章と模写をしおわったあとで投稿した文章を比べてみると、模写をすることで自分の文章の書き方がどう変わったのかがわかります。

文章の模写(5)

2007-07-08 00:31:32 | 文章の模写
模写をするために必要なもの
 模写をするためにはお手本にする文章が必要になります。ここでは小説を使うことにします。お手本にする小説は、好きな作家の作品やこういう文章を書いてみたいと思う作品を選んでもらえばいいと思います。

 とくに好きな作家がおられない方やこういう文章を書いてみたいと思う作品がない方には志賀直哉の短篇小説をおすすめします。文庫本の短篇集であればどこの本屋で売っているはずです。

 実際に模写をするときは、ボールペンを使って原稿用紙に手書きにするか、パソコンを使うかのどちらかを選んでください。

 パソコンを使う場合は、Wordの原稿用紙ウィザードやメモ帳や秀丸などのテキストエディターを使うことになります。

 手書きの場合は原稿用紙代とボールペン代がかかるうえに模写し終わった原稿用紙は捨てるしかないという問題があります。それでもかまわなければ手書きで模写されることをおすすめします。

文章の模写(4)

2007-07-01 00:29:21 | 文章の模写
模写をすすめする人の条件

 この「文章の模写」では次のような条件を満たす人を対象に模写のしかたを説明したいと思います。

 ・今までにブログに100件以上の記事を投稿している人
 ・今の自分の文章の書き方に満足していない人

 どうしてこれらの条件を満たす人を対象にするのか、その理由を説明します。

 ふだん文章を書き慣れていない人がブログをはじめると、記事を投稿するにつれて少しづつ文章の書き方が変わってきます。ブログに投降した記事の件数が100件に達する頃には、自分なりの文章の書き方が身についているはずです。また、身についたことが自覚できているはずです。

 模写をしかたを説明する人の条件の一つに「今までにブログに100件以上の記事を投稿している人」をあげたのは、模写をはじめる前に自分なりの文章の書き方が身についたことが自覚できていないと、模写の効果を確認するときに単純に文章を書きなれたことで文章の書き方が変わったのか模写をすることによって書き方が変わったのか判断できないからです。

 模写をしてその効果を得るためにはある程度の量の文章を模写し続ける必要があります。何らかの目標がないと模写を続けるのは難しいと思います。

 ブログに記事を投稿し続けていると、もっとマシな文章を書けるようになりたい、もっと他人が読んでわかりやすい文章を書けるようになりたい、といった感じで今の自分の文章に書き方に満足できなくなるときがあります。

 模写をしかたを説明する対象者の条件の一つに「今の自分の文章の書き方に満足していない人」をあげたのは、もっとマシな文章を書けるようになりたい、もっと他人が読んでわかりやすい文章を書けるようになりたい、という思いが模写を続けるための目標になるからです。