前回の「十勝幌尻岳」に登った時に、戸蔦別川林道はトッタベツヒュッテの先200m先程度しか車で入れないのは確認していました。今回、「十勝幌尻岳」の奥の「カムイ岳(1756m)」に登るのに、その後10日は過ぎているので、もう少し先まで入れるのを期待していましたが、厚い所で積雪は30cmほど残っています。せいぜい50m程度しか進めませんでした。夏タイヤに履き替えていますので仕方なく、前回の終点付近の待避スペースにティット号をデポします。
最初、戸蔦別川林道は戸蔦別川の右岸ですが、「戸蔦別川橋」で左岸に渡ります。「戸蔦別川橋」まではランドクルーザーの様な大きなSUV車なら通過できそうに思えます。ずくずくの腐った残雪を壺足で進みながら、私独りなので、いつも通り遠慮なく、うるさい程の鈴の音を鳴らして進みます。
その内何と無く雪面の足跡に気付きました。爪跡がある大きな足跡です。今朝方は少し雨が降っていましたが、比較的新しいと思われる足跡です。直径が30cm以上あると思われるのと、その半分くらいの大きさのものがあり、爪と肉球がはっきり見えます。母子のヒグマの足跡だろうと容易に判別できました。
足跡はすれ違う方向で向うからこちらに進んで来ています。取り敢えず直接の遭遇は無さそうでホッとします。この足跡は1km近く続いていました。ヒグマも林道に沿って歩くのだ!と思いました。母熊は乱れなく歩いていますが、子供の熊は母親の周りをうろうろしたり、時々少し離れたりした足跡が見られ、子供らしい遊び心を感じます。
その内、日当たりの良い所からぽつぽつ雪融けで地肌が多くなり、全く雪の無い所も出てきます。しかし「びれい橋」を渡って戸蔦別川の右岸になると日差しが少ない様で、ランドクルーザーの様な大きなSUV車でも通過は無理な積雪になります。本来は、夏にはその先の通行止め箇所まで車が入れるようです。この通行止め箇所で、暫し休憩して行動食を補給します。
通行止めの先は、「崖崩れ」が発生しやすい所が多いようです。林道歩き8kmをのんびり・重荷に耐えて3時間以上歩き、取り付き地点にある「エサオマン橋」に着きました。道中心配していた通り、尾根筋は所々雪融けで笹が見えます。
最初の取り付きは、傾斜もきつい上に、笹に薄い雪が乗っていたりして、滑りやすく苦労します。早く雪がたっぷりある所まで辿り着きたいと思いながら、笹を避けて雪の無い所を藪漕ぎしたりしながら耐え続けます。下りはもっといやらしいだろうなと思います。
何とか、雪の上を歩けるようになっても腐っているので壺足では時々、ズボッとはまります。一応スノーシューも担いでいますが、面倒なので壺足を続けます。今日は曇りで見通しも良くありませんが、登るにつれて少しづつ良くなって来ます。
テント予定地の1488m付近の鞍部に着くと、15時半になっています。今日は10時間行動です。早速、整地・ブロック壁作りにかかります。風は殆ど無いのですが、トレーニングとして壁を作ります。樹林の間から「エサオマントッタベツ岳」や「札内岳」が対岸に見え、「カムイ岳」への吊尾根も見えました。
テントでは、マグロとホタテの刺身、それに今回初めて準備したキュウリに粉末の浅漬けの素での漬物を、芋焼酎のあてにして至福の時を過ごしました。トランシーバのVX-8Dで、NHK第1と第2は聞こえました。民間放送も聴けそうですが、未だ操作に慣れていません。
【トッタベツヒュッテ200m先で車をデポして歩き始めます】
【戸蔦別川。橋を渡ると左岸を行きます】
【左岸でも雪は残っています】
【大きな方は30cm以上あります。右側に子羆の小さな足跡も一緒です。】
【爪跡もしっかり見られます】
【でかい!】
【日当たりの良い所では雪が全く無い所も現れます】
【その先の「びれい橋」まで雪の無い道がありましたが・・・】
【橋を過ぎると右岸になって雪はびっちりです】
【通行止が見えます】
【通行止】
【崖崩れ】
【取付点手前の「エサオマン橋」】
【取り付き地点】
【こんな雪がしっかり残っていれば良いのだけれど・・・】
【笹薮を避けて、雪の無いルートに逃げます】
【ようやく、しっかりした積雪上を歩けるようになります】
【もう直ぐテント予定地の1488m付近の鞍部です】
【テント設営】
【本日のルート】
【林道の距離は約8km】
【ヒグマの足跡を見たのは、チェック印(カシミール3Dのデジカメプラグイン)辺りから800m程の林道上】
【14日21時の予想天気図】
【15日21時の予想天気図】
【予報が当たりますように】
【日勝峠の雪も融けてきたようです】
【幌尻岳の予報もOK】
【十勝幌尻岳の時より風は弱そうです。】
【峠の天気も良さそうです】
【おっ!羆の足跡だ。肉球もはっきり見えます】
天然温泉巡りはイイですね(^・^)