◎ブリジット・ジョーンズの日記(2001年 イギリス、フランス 97分)
原題 Bridget Jones's Diary
staff 原作/ヘレン・フィールディング『ブリジット・ジョーンズの日記』
監督/シャロン・マグワイア 製作総指揮/ヘレン・フィールディング
脚本/ヘレン・フィールディング アンドリュー・デイヴィス リチャード・カーティス
撮影/スチュアート・ドライバーグ 美術/ジェンマ・ジャクソン
衣裳デザイン/ラファエル・フレミング 音楽/パトリック・ドイル
cast レニー・ゼルウィガー ヒュー・グラント コリン・ファース
◎デカパンをはける女優
プロ根性ってのは、
あんまり欧米の女優さんに似合わない言葉に聞こえるけど、
実をいうと、欧米の女優は凄い。
この作品のレニー・ゼルウィガーなんてまさにそうで、
ダイエットして映画に出るってのはわかるけど、
それをまったく反対のぶくぶくになって役作りするだけじゃなく、
豹柄のパンティで外へ飛び出すくらい屁でもなく、
恥も外聞もなくデカパンをさらして濡れ場を演じるなんてのは、
なかなかどうして、できることじゃない。
でも、それが、ブリジット・ジョーンズなわけだからね。
ただ、世の中の30代の独身女性がみんなブリジットみたいかといえば、
もちろん、そうでもない。
煙草も喫まないし、お酒だって呑めない子はいっぱいいる。
ま、マスコミのどこかにいて、キャリアウーマンになろうともがき、
そうする内に、都会的な雰囲気にはどっぷりひたっているものの、
身体のことなんてまるで考えずに、
けっこう好き勝手な生活をしてるなんてのは、
なんていうか、それなりに恵まれた環境にいて、
それを愉しんでるんじゃないのって、おもわれかねない。
だから、欧米とか、日本のごくかぎられた都心部では、
ブリジット・ジョーンズ的な女の子はいっぱいいるかもしれないし、
だからこそ、
たとえ、どうしようもないくらいの浮気性の色男でも、
ハンサムなのにちょっぴりマザコンでかちかちのマジメ人間でも、
彼女は出遭うことができるし、やっぱり魅力的な女の子なわけだ。
ぽっちゃりしてても身のこなしは軽いし、下ネタもきっちり受け止めるし、
恋愛の仕方だって、わかってないようでいて、ちゃんとわかってる。
つまり、ブリジット・ジョーンズは、
世の中にいそうでなかなかいない、独身女子の憧れ的な存在なんだよね。
にしても、
ヒュー・グラントやコリン・ファースのおもいきり体当たり演技もそうだけど、
コメディに徹してさらりと演技して、
決して観客におもねって、笑わしてやろうっていうようなわざとらしさがない。
これが、欧米の映画の素敵なところなんだよな~。