◇ザ・ミスト(Dans la brume)
フランス映画とはおもえないようなパニック的な発想なんだけど、まあこうした不条理な世界ってのはやっぱりフランス的なのかな~ともおもっちゃった。ただ、発想として小松左京の『首都消失』とどうちがうんだ?ってのはずっと頭に浮かんでた。
とはいえ、免疫不全症候群の娘をかつてのテレビドラマのジョン・トラボルタの部屋みたいな感じにして、まあ、円柱を寝かせたようなシェルターに住まわせてるんだけど、謎の霧がはびこる中、この娘を2階においたまま最上階に逃げるっていう設定が上手に活かされてる。
ただまあ、そりゃおおむね想像はつくんだけど、
ぼくとしてはオルガ・キュリレンコがなんとなくお気に入りなもんだから、ああ、もうこんなに大きな娘を持っている母親役をやるようになったのかあっていう妙な感慨もあったんだが。しかし、そうか、この霧の中でも生きている犬がいるのはなんでなんだっておもってたら、なるほど、あの犬も免疫不全症候群だったってことね。しかし、それで娘やその初恋の相手が霧の中だけで生き残れるのか、それとも『グラデュエータ―』みたいなイメージシーンのようにふつうの外に出られるようになるのかはわからないけど、父親がシェルターに入っちゃってつまらないオチからすると、どうもそうじゃないんだねってことはなんとなく想像がつくわね。