◇迎春花(1942年 満洲)
満映と松竹の提携作品ってのは実にめずらしく、
しかも李香蘭が主題歌まで歌ってるなんて、
いやまあなんて貴重な映画なんだろ。
とおもって、それだけの興味で観てみたんだけど、
意外にちゃんとした映画だった、
とかいったら叱られるだろうか?
奉天や哈爾浜の風景も見られるし、
氷祭りみたいなものもあったりするし、
なんといっても、李香蘭と小暮実千代のスケートシーンもあったりで、
話が、社長令嬢と親日満洲人の娘が建設会社のエリート日本人を争うっていう、
なんともありきたりなものとはいえ、
結局は女性がふたりとも恋よりも自分の道を選んでいくなんていう、
当時としてはかなり先進的な女性像が描かれてたりするわけで、
まあよく撮れたもんだな~と感心しちゃったわ。
とはいえ、
主題歌の『迎春花』が『蘇州夜曲』のようなインパクトがない分、
映画もまたそれくらいな印象で、
とりとめのないほんわかさの漂ってるものではあったけどね。