◇MEMORY メモリー(Memory)
ついに、リーアム・ニーソンまでもがアルツハイマー型の認知症に殺し屋の役を演じるようになってしまった。
世界のどこもかしこも認知症はもっとも悩ましい病になってるんだなあと、あらためておもう。モニカ・ベルッチがなんとも似つかわしくない不動産王の悪役ってのも時の流れを感じさせるわ。母親っていうだけでもそういう時代なのかあっておもったりするけど、そうか、もう綺麗な愛人とかっていう薄幸な役とかじゃないんだね。ガイ・ピアーズはなんだか通り過ぎちゃいそうな印象だったわ。
それにしても、物忘れがひどいときって、外人は決まって手や腕にマジックとかで書き込みをするんだけど、どうも日本人はそういうのが似合わない。なんでなんだろうね。
しかしそうか、子どもを誘拐して人身売買するっていう物語はわかるし、子どもを殺せと依頼された暗殺者がそれをせずにいたんだけど、記憶障害のせいで自分が殺したかどうかすらわからなくなるってのもそれはそれでいいんだけれども、でもやっぱり子どもを殺すっていう展開はなんだか禁じ手を使わされたみたいな気がするし、リーアム・ニーソンが驚異的な強さを見せつけるわけでもなく、佳境、自分の死とひきかえに大団円にまで持って行かせるっていう展開は、主人公がラストを放棄しちゃったようで、あまり後味はよくないな。