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フェイブルマンズ

2023年11月10日 00時33分09秒 | 洋画2022年

 ◎フェイブルマンズ(The Fabelmans)

 

 なんてまあ、ポール・ダノは、亡き手塚治に似てるんだろう。なんだか手塚にまた会えたようで、見てるだけでなんともいえない気分になってきた。お別れ会があったのは何か月前だったか。そんなことをおもうと、なんとも個人的なことながら、見る機会が別だった方がよかった。

 それはさておき、少年の日に『史上最大のショウ』を観るんだけど、へ~こんな映画だったんだあ、迫力満点じゃん、とかっておもった。

 この親父はクレムリン。叔父はバックトゥーザフューチャーだね。ETの自転車連中と腰のアクセサリーと家族構成。

 しかしそうか、銃撃場面でなにかが足りない、嘘っぽいと悩んでいたあと、母親のピアノ弾きで爪があたる、爪を切る、楽譜に穴が開く、穴!ときてフィルムに穴を開けて迫力を出し、写真部門に入選。誰もこの凄さはわからないけど、エンジニアの父親手塚にだけはわかる。父と息子。凄い。

 お母ちゃんの浮気を突き詰めるのに8mmを利用するのはうまいし、浮気相手の父親の親友とのカメラ屋の別れも、引っ越し先の家族の不和も見事だったのに、変人クリスチャン女子が出てくると、がくんとつまらなくなる。でも高校時代のあとはまたおもしろくなる。

 なんといっても、ジョン・フォードを演じていたのがデビッド・リンチだってのが凄い。過剰な演技だ。芸術とはなんだ?地平線が下にあるのはおもしろい。上にあるのもおもしろい。だが、真ん中にあるのはだめだ。芸がない。てなことをいわれるんだけど、ラストカットは、撮影所の地平線が真ん中だったのが手持ちで下に来る。なるほど、主人公の心模様はこうでなくちゃ表現できないね。

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