◇選挙の勝ち方教えます
原題は『看板は危機』ってなことなんだろうけど、それじゃわからないし、格好もつかない。看板ってのは僕の勝手な訳で、選挙の標語みたいなもんで、brandってのが原題だ。
で、佳境、サンドラ・ブロックの勝たせたジョアキム・デ・アルメイダが約束した国民投票の履行なんざどうでもいいってことになり、さあどうするってのがクライマックスなんだけど、これは伏線があって、サンドラ・ブロックは、デ・アルメイダに憧れる青年に、いつも名言を引用するのは知ってるがあなたの言葉はなんなんだ?と訊かれてとまどう。この回答が、選挙商売との訣別につながり、デモへの参加にもつながり、自分の本心を訊いてきた青年との邂逅と和解になっていくっていうわけだけど、このあたりは上手な筋立てが作ってある。
まあ邦題も売り方もまるで見当ちがいとしかいえないし、そもそも、大統領選の軟弱な売り方が見当ちがいだといいだして危機を売り物にしようとして勝ちに結びつけていくサンドラ・ブロックの物語なのに、その映画の売り方がなんか違ってるんじゃないかってのは、なんだかね~。