http://blog.goo.ne.jp/izumixpeace
より
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和泉市人権平和事業実行委員会平和映画会
「Peaceピース」上映会
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<日時>2012年3月4日(日)
午前の部:午前10時~、午後の部:午後1時30分~
(開場は各回30分前、上映時間75分)
<場所>和泉市コミュニティセンター3階多目的ホール
<内容>舞台は岡山県岡山市。そこで暮らす人々や猫たちの何気ない日常をつぶさに描き出しながら、平和とは、共存とは、そしてそれらの条件とは何か、観客に問いかける観察ドキュメンタリー。
<定員>各回300名※先着順
<申込>電話・FAX(0725-45-3128)Eメールにて、「平和映画会参加希望」と明記し、希望する時間帯、参加人数を記入の上、2月6日(月)から定員に達するまで人権国際課で受付。
※当日座席に余裕があれば、事前申込みなしでも鑑賞可能です。
※参加無料
<主催>和泉市人権平和事業実行委員会
<問>和泉市役所人権国際課電話0725-99-8115
<会場情報>
和泉市コミュニティセンター
〒594-0071大阪府和泉市府中町二丁目7番5号
JR和泉府中駅より徒歩10分
http://pb-k.jp/izumi/index.html
http://pb-k.jp/izumi/acsess_izumi.html
映画「Peaceピース」
http://peace-movie.com/
平和へのヒントは、野良猫たちから教わった。
http://peace-movie.com/intro.html
◆Introduction/解説
いまこそあらためて、「寄りそうこと」「ともに生きること」
「平和って何だろう?どうしたらみんなが共存できるの?」 韓国の映画祭から、この「人類永遠の問い」を向けられた想田和弘監督は、岡山で暮らす人々や猫たちの何気ない日常にカメラを向けた。平和と共存へのヒントは、どこか遠くではなく、自分たちの毎日の生活、足元にこそ潜んでいるのではないか。そう、思ったからだ。想田の妻の実家・柏木家に住みついた野良猫グループと、突如現れた「泥棒猫」との確執。91歳で一人暮らしをする橋本至郎と、彼をボランティア同然でケアする柏木夫妻。その夫妻自身にも迫る老い。そして、己の死を見つめる橋本の脳裏に突然蘇った、兵隊としての記憶――。台本無しで回される想田のカメラは、彼らの人生や“ニャン生”に訪れる大切な瞬間に奇跡的に立ち会う。観る者は、戦争と平和、生と死、拒絶と和解、ユーモアと切なさが同居する「生の時間」を体感し、「共に生きる」ことの難しさと可能性に思いを巡らせる。
http://peace-movie.com/story.html
◆STORY/物語
『Peace ピース』の舞台は、想田監督の前作『精神』に引き続き、岡山県岡山市。そこで暮らす人々や猫たちの何気ない日常をつぶさに描き出しながら、平和とは、共存とは、そしてそれらの条件とは何か、観客に問いかける観察ドキュメンタリーである。
主な登場人物は、3人の人間と野良猫たち。
柏木寿夫は、養護学校を定年退職した後、障害者や高齢者を乗せる福祉車両を運転している。車椅子ユーザーのヒデちゃんと公園を散歩したり、実家に帰省していた安田さんを施設に送り届けたり、植月さんの買い物に付き添ったり、一緒に回転寿司を食べたり…。
その傍ら、寿夫は自宅の庭で地域の野良猫たちにエサをやりつづけている。ところが最近、外部の「泥棒猫」がエサを目当てに庭へ侵入してきて、にわかに猫社会の緊張が高まっており、頭を悩ませている。
寿夫の妻・柏木廣子は、高齢者や障害者の自宅にヘルパーを派遣するNPOを運営しているが、国の福祉予算の削減で苦しいやりくりを迫られている。家では、夫の猫の餌付けのことで頭が痛い。
廣子は週に一度、91歳になる橋本至郎の生活支援に出掛ける。橋本はネズミとダニだらけのアパートに一人暮らし。生活保護を受け、身寄りはなく、己の老いと死を見つめる日々を過ごしている。タバコを吸うのが唯一の楽しみだという。寿夫の車に乗って病院へ通う彼は、「みなさんに迷惑をかけるから、早く往生せにゃあ」と口癖のように言う。
そんな橋本には、戦争中に赤紙が来て、兵隊として徴集された過去があった。ある日、その記憶が突然よみがえる…。
戦争と平和、生と死、拒絶と和解、ユーモアと切なさが同居する日常。そこに見出される「平和」と「共存」へのヒント。ナレーションや説明テロップ、音楽無しの観察映画・番外編。
http://peace-movie.com/staff.html
◆STAFF/スタッフ
想田和弘(そうだ・かずひろ)/監督・製作・撮影・編集
1970年栃木県足利市生まれ。東京大学文学部卒。スクール・オブ・ビジュアルアーツ卒。93年からニューヨーク在住。NHKなどのドキュメンタリー番組を40本以上手がけた後、台本やナレーション、BGM等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。その第1弾『選挙』(2007年)は世界200カ国近くでTV放映され、米国でピーボディ賞を受賞。ベルリン国際映画祭へ正式招待されたほか、ベオグラード国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリを受賞した。第2弾『精神』(08年)は釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞、マイアミ国際映画祭で審査員特別賞、香港国際映画祭で優秀ドキュメンタリー賞、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭で宗教を超えた審査員賞を獲得するなど、受賞多数。2010年9月には、本作『Peace』(観察映画番外編)を発表。韓国・非武装地帯ドキュメンタリー映画祭のオープニング作品に選ばれ、東京フィルメックスでは観客賞を受賞。2011年香港国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞受賞、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭ブイエン&シャゴール賞受賞。その後も世界各国の映画祭から招待が相次いでいる。現在、平田オリザ氏と青年団を撮った『演劇(仮)』(観察映画第3弾)を編集中。著書に『精神病とモザイク』(中央法規出版)。また、『Peace』のメイキングを通じた観察映画論『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか(仮)』(講談社現代新書)を7月に刊行予定。
製作補佐:柏木規与子
撮影協力:共助グループ喫茶去、岡山済生会総合病院、移動ネットおかやま
英語字幕:想田和弘・杉本祐里佳
日本語字幕:荒木貴生
配給:東風
http://peace-movie.com/comments.html
◆COMMENTS/コメント
何も物語が生まれないと思い込んでいる日常が、鮮やかに立ち上がる瞬間。
小さな世界、猫たちのルール、ゆるやかな変化と調和。
不満と諦め、たまにきらめき。
「平和」はいつもわたしたちの手の中にある。
今日マチ子(漫画家『センネン画報』『みかこさん』)
ネコとネコの関係、ヒトとネコの関係、ヒトとヒトの関係。
なにも色のついていないまっすぐな目線で映し出される。
なにを本当に愛おしく思っているのか、なにを最後まで抱きしめていたいのか、すこしだけ浮かびあがった気がした。
できればネコに生まれたかったけれども、ヒトとして、ネコみたいに
ただ生きてるだけで美しく、偉く、生きれるようにがんばりたい。
坂本美雨(ミュージシャン)
何だろう。こびりついた心の澱が一枚ずつ剥がれていく。かつて私 達は生まれたときから日常の全てが観察だった。
遍く世界に自らの 感覚を委ね自由に転がすことの喜びと言いようのない畏れ。
ピース にはそれが隅々にまでいきわたっている。ああ, なんて心地のよい 映画なんだろう。
それでいてかくも心を掻き乱される。想田監督の 解き放された感覚に激しく嫉妬した。
早瀬憲太郎(NHK「みんなの手話」講師/映画監督)
足の不自由な猫に、耳の聞こえない自分自身の姿を重ねてしまう。 猫の社会に 引っ越しても結構大変そうだ。
日本語字幕版を見たが、これは岡山 弁字幕版である。面白い。
岡山の地域社会、路地裏にありふれた人の生活ではあるが、75 分27 秒の観察を通して、人の共生と平和、
そして為政者への折り合いを どうつ けようか、着地点を探す旅の友としてこれ以上に面白い映画はない。
大杉 豊(筑波技術大学 准教授)
この作品には得体の知れない思想が感じられる。
それは、社会規範や日常に身を任せっぱなしの惰性心に、ざわめきを生む。
ぬるま湯の中の沸点(もしくは氷点)。
それが、この映画を見終わった私の素直な感想だ。
竹内薫(科学作家)
流れる時間の濃密さに心をまかせて観た。
決して急がず力まず、他者と時と場を共有する。
そこで生まれる関係こそが「平和」につながっている。
山本昌知医師(こらーる岡山)
「観察映画」を通して見た世界は、なんでいつもこんなに豊かな問いと、驚異的な瞬間に満ちているんだろう?
いや、我々が生きるこの世界とは、そもそもそのような場所なのかも――とまで思い至らせるところに、「観察映画」の、想田監督の凄さがある。
「番外編」の今回も、“撮れてしまったもの”と“浮かび上がってしまうもの”のせめぎ合いがこれまで以上にスリリング!
ライムスター宇多丸(ラッパー/ラジオ・パーソナリティ)
映画を見るとき、人は自分を通行人に重ねたりはしません。でもこの作品ではあなたも私も、風景の一部。猫も車いすも、ダニもネクタイも、 横断歩道の向こうのあの人と同じように、ありふれたかけがえのない存在なのです。お金じゃはかれないものや、とりとめのない会話が世界をちょっとましにすることがある。誰もが等価で無二であるという当たり前が、きっと平和。
小島慶子(ラジオパーソナリティー)
『Peace』は人の心を動かす並外れた力を秘めた静かな映画だ。人々や猫たちの日常生活を追いかけながら、カメラは観客をひとつの発見へと導く。それは、最も根本的な意味での平和というコンセプト――妥協しながら渋々受け入れる共存ではなく、私たちの人間性の中心にあるアイデアとしての平和である。映画はありふれたものを通じて崇高なものに到達した。
香港国際映画祭審査員:カーマ・ヒントン、ルビー・ヤング、藤岡朝子
手作りで可愛らしい『Peace』は、クオリティの高さをはっきりと示していた。表面的には、本作は福祉に携わる人々、特に高齢者や障害者の介護をする廣子と寿夫の夫婦についての物語である。しかし、想田のカメラは、さりげなく被写体を観察しながら、主題にこだわらず、むしろテーマから映画を解放して、「あらゆること」についての映画に仕立てあげている。想田は最も興味深く自由なドキュメンタリー・アーティストに成長した。
ロバート・コーラー 「Film Comment」誌
想田の映像は長く心の中で共鳴し、容易に忘れられぬ問いの数々を残す。
バーバラ・ストー「The Bulletin」
逆境のもとで静かに協力し合う人間の姿を描いた『Peace』には、日本が地震と津波に見舞われた今新たな意義が付与された。
本作は、人から人へ、猫から猫へと、軽々と流れるように、完璧な冷静さを保って進んで行く。
ロニー・シャイブ 「VARIETY」