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から転載
特別展 子どもの未来をひらく-大阪の人権教育の取り組みから
日本国憲法に謳われている教育を受ける権利(第26条)を実現するため、 全国の教育関係者は各地で同和教育の実践に取り組んできました。大阪でも 被差別の子どもの就学や学ぶ機会を保障する取り組みから始まった 教育は、やがて社会のなかで不利益を被っているすべての子どもに目を向け るようになり、人権教育が各地で積極的に展開されてきました。
多様な生き方や考え方を尊重する人権教育は、子どもを見つめ、受け止め、 寄りそうなかから、困難に直面している子どもが尊厳をもって生きていくた めにあらゆる努力を続け、豊かな人間づくりをめざしてきました。生まれた 場所や家庭環境に左右されることなく、誰もが希望をもって教育を受ける権 利をもつというメッセージを伝え続けました。そのことがすべての人びと を差別から解放するものであるという信念があったからです。それは、「すべ ての子どもの最善の利益」(「子ども権利条約」)という国際的な理念とも一致 する考え方でもあり、やがて、政府においても人権教育の達成には、人権擁 護の基本的知識の「内容と意義について知的理解を徹底し、深化することが 必要」(文部科学省)であると認識されるにいたりました。
しかし、経済的な格差は解消されることなく存在し続け、近年その実態が 顕著になってきています。全国的にみて6人に1人(大阪では5人に1人) の割合で貧困率に直面している子どもがいること、あるいは子育て世代の貧 困率などはそのことを雄弁に物語っています。さらに、小中学生での不登校 の子どもも20年間10万人を下回ったことがなく、現在では12万人以上にの ぼっています。こうしたことから明らかなように、子どもを取り巻く環境は まさに厳しさを増しています。
いまこそ、人権教育が果たしてきた役割を見つめ直し、困難な状況に置か れている子どもを守るための課題を明らかにする必要があります。
本展は、人権教育に早くから取り組んできた大阪での取り組みの具体像を 振り返り、人権教育の課題を考えようとするものです。
【展示期間】2016年7月20日(水)~9月3日(土)
【主 催】
大阪府人権教育研究協議会/大阪市人権教育研究協議会/大阪府在日外国人 教育研究協議会/大阪市外国人教育研究協議会/大阪府高等学校人権教育研究会/大阪市高等学校人権教育研究会/大阪府私立学校人権教育研究会/大阪府専修 学校各種学校人権教育研究会/ちゃいるどネット/大阪府教職員組合/解放同盟大阪府連合会/大阪人権博物館
【会 場】大阪人権博物館特別展示室