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ロバート・ヘレニウス対セルゲイ・リャコビッチ(2011/08/27)

2011-09-04 09:56:11 | ボクシング

WBO・WBAインタコンチネンタル・ヘビー級タイトルマッチ

27歳のヘビー級ホープ、ロバート・ヘレニウス選手(Robert Helenius)が元世界王者のセルゲイ・リャコビッチ選手(Siarhei Liakhovich)を相手に保持するインタ王座の防衛戦に臨んだ一戦はドイツで行われ、ヘレニウス選手が9回TKOで勝利して統一インタ王座の防衛に成功した一戦でした。

身長差がかなり感じられる両者ですが試合の立ち上がりをリードしたのは体格で劣る元王者リャコビッチ選手でした。ダブルトリプルで突く左ジャブや相手のボディに叩きつける右フック、リングサイドで試合を見守っていた元王者Eホリフィールドを彷彿させる踏み込みながらの左フック、などの攻撃を繰り出しそして軽く動くリャコビッチ選手の動きのテンポに一歩遅れる感じでヘレニウス選手がペースを失った試合序盤戦に見えました。
2回にはリャコビッチ選手のフック気味の右を入りに合わされ、その後の左フックもフォローされるなどして元王者ペースがより鮮明になります。

しかしリャコビッチ選手の結構強く見えるヒットを食いながらも時折返すヘレニウス選手の攻撃の威力が徐々にリャコビッチ選手の戦力を削って行きます。リャコビッチ選手がペース・ポイントを支配していたように見えた初回のヘレニウス選手の右フックボディや3回(news等では2回と伝えられてますが、試合を見る限り3回に見えた。実際のところはわかりませんが)にリャコビッチ選手の鼻を折った強烈な左ジャブ、などの強烈な一発のパンチ。
攻撃を繰り出した後のムーブをリャコビッチ選手が徐々にできなくなりはじめた4回途中からじわじわとヘレニウス選手がペースを引き寄せる流れになっていった試合でした。
リャコビッチ選手が頑張って上下へダブルトリプルで放つ左フックやヘレニウス選手の入りに合わせる右をよく当てるものの、ヘレニウス選手の重い左ジャブや左フック・アッパーを数は少ないながらも食ううちに徐々に体力的にキツくなっていったのはリャコビッチ選手。
8回終盤にヘレニウス選手のワンツーからフォローされた左フックを決められて動きを止められ、さらにワンツー左フックをもう1セット追加された後の連打でリャコビッチ選手がダウンを喫します。
かなりダメージが感じられたリャコビッチ選手でしたが続く9回は開始から左フック攻撃で果敢に出たのですが、ヘレニウス選手の迎撃のコンビネーションの中の左アッパーを強烈に浴びて立ったまま半失神状態に陥り、さらに追撃を浴びせられた場面でのストップでした。

8回終了時点での公式の採点は77-74、76-75で2人がヘレニウス、残る1人が76-75リャコビッチというスプリットだった模様。シロート採点77-74リャコビッチ。
このカードを聞いたときはリャコビッチ?まだやってたのかいてな感じで、ホープが古豪をいじめるような試合内容を想像したのですが、リャコビッチ選手の頑張りで試合は非常に面白いものでした。
大苦戦と言っていい内容に見えたヘレニウス選手ですが、打たれても非常にタフだということを証明した一夜でもあり私的には評価アップかも。ヘビー級においてこのタフネスとパンチのパワー、決定力は大きな武器になるはず。
結構好戦的でもあり接近戦での左フック・アッパーも使えるので、ヘイあたりは一蹴しちゃうかも、とも思えたこの日の試合でした。

ヘレニウス選手は16勝(11KO)。リャコビッチ選手は25勝(16KO)4敗。




Povetkin gets past Chagaev(Karl Freitag/Fightnews)
A Brighter Future? Povetkin, Helenius Shine for Tomorrow(Cliff Rold/Boxing Scene)
More on Povetkin-Chagaev(Photos: Photo Wende & Winfried Mausolf/Fightnews)
写真
Photos: Povetkin, Helenius Secure Big Wins in Germany(Boxing Scene)

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4 コメント

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ちょっと期待 (まっからむ)
2011-09-05 21:16:31
鋭い動き、テクニックとかは感じられませんが、体の大きさ、パンチの重さ、耐久力で勝負するあたり、古き良き時代のヘビー級を思わせますね。
根性もありそうだし、クリチコ兄弟とやったら、精一杯力を出し切れそうですね。
スピード、ディフェンスから見ると、クリチコ兄弟の重いジャブの餌食になりそうですが、必死で食い下がってくれると思います。
ちょっと、ジェリー・クーニーと似てるかも。フォアマン戦しか見てませんが。
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Unknown (Ike Quarty)
2011-09-06 01:01:41
名前は聞いていましたが、初めて映像を見ました。
ヘビー級のこのサイズの選手としては柔軟性もあり、
コンビネーションがスムーズかつ的確に出ていて、非常に驚きました。

試合数は20試合に満たないものの、ピーターやブリュスターに勝っているところから
戦績としては十分と言えると思いますが、あの兄弟に確実に勝つために
もう少し戦績を積んでほしいという勝手な願いがあります。
兄弟の衰えとヘレニウスのピークが重なった時、新しい時代になるかもしれません。

他のランカーも頑張ってくれ!!相性的にはワルーエフがいいと思いますが、
個人的にはジェームストニーに頑張ってほしいです(相性は悪いでしょうが)。
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Unknown (nora)
2011-09-06 18:31:18
ヘレニウスのパンチは今までヘビー級では見なかった類のパンチだと思います。
ボウやルイスほどに力が抜けていて、さらにコンパクトでフォームも綺麗。
ボウやルイスのようなワイルドさが無いのはプラスなのかマイナスなのかわかりませんが…。
コンビネーションは多彩でガードも高く、足も使える。手数も多いのではないでしょうか?

正直、今のビタリには勝てると思います。
ヘレニウスはジャブが遅めなので、ウラジ相手だとどうなってしまうのか?
色々妄想できて楽しいです。
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Unknown (管理人)
2011-09-06 19:43:06
>まっからむさん
タフでパンチが強くて好戦的。ヨーロッパのアマチュア上がりの典型、というようなイメージが大きく変わったこの日の試合で、いままであまり見えなかった欠点を多く晒した一方、それ以上に良さと可能性を感じさせた内容だったと私は見ました。
途中までは番狂わせか?とも大いに思わせた試合内容自体も非常に良かったです。

>Ike Quartyさん
フィニッシュは非常に鮮やかでしたが、それまではかなり苦労していた内容でもありました。
劣勢の状況下で見せたタフさとパンチの強さが印象的でもあったのですが。
十分なサイズを備え決定力があって打たれてもタフ、そしてハートもある彼のようなタイプは最近のヘビー級にはいなかった選手で、今後が非常に楽しみです。

>noraさん
ジャブに限らずスピードが無いこと、この日見せた意外とパンチを食うことに対してルーズな点
なんかがクリチコ兄弟相手には致命傷になってしまうのではないか、てのが現時点での私の見方です。
ロングのストレートだけではなくショートのパンチも強いのをどんどん出せる、というのはいままではわからなかったこの人の良さだと思いました。
今のヘビー級の面子だと、クリチコ兄弟以外には勝てるのかも。
チェンバースやソリスみたいな選手とやってどうなのか、ってのは興味あります。

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