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アルツロ・ガッティ対ガブリエル・ルエラス(1997/10/04)

1997-10-04 18:38:28 | classic

IBFスーパーフェザー級タイトルマッチ

2階級を制した激闘王、アルツロ・ガッティ(Arturo Gatti)選手の1997年の試合です。IBFスーパーフェザー級王座3度目の防衛戦でメキシコの元同級WBC王者ガブリエル・ルエラス選手(Gabriel Ruelas)の挑戦を受けた一戦は、壮絶な打撃戦の末にガッティ選手が5回TKOで勝利して王座を守った一戦でした。

リング誌のファイトオブザイヤーにも選出された大激戦でした。
初回、ガッティ選手がシャープなジャブでルエラス選手の顔面を弾けば、挑戦者も強烈なボディブローで対抗。
立ち上がりから積極的にパンチを交換する両者でしたが、ガッティ選手のパンチの強さ、重さが印象的で王者に分のある流れ。
しかしガッティ選手の左フックや右クロスなどの強烈なブローを浴びてもアゴをしっかりと引いて耐え、しつこい反撃を返し続け一歩も引かないルエラス選手。両者の激しい攻防は非常に見応えのあるものでした。
ガッティ選手ややリードの流れで進んでいた試合が大きく動いたのは4回でした。この回も王者の強打に晒されながらもしつこい反撃を返し続けていたルエラス選手が左アッパーで王者をトラブルに陥れます。
ルエラス選手の追撃にダウン寸前にも見えたガッティ選手だったのですが、ラウンド終了間際には強烈な左右フックを挑戦者のボディに突き刺す反撃を見せ譲りません。
続く5回も両者の凄まじい攻防は続きます。この回もガッティ選手が強いパンチを何発も決めるものの、ルエラス選手のしぶとくしつこい前進とパンチに最後は押し込まれる展開。
ルエラス選手が鋭い右アッパーでチャンスを掴むも、その直後にガッティ選手の左フックがカウンターでまともにヒットするなど、お互いにいつ倒れてもおかしくない強打を惜しみなく交換し続ける激しすぎる攻防でしたが、最終的にこの大激戦を勝ち抜いたのはガッティ選手でした。
時折笑みを見せながら驚異的なタフさでガッティ選手の強打に耐え抜いてたルエラス選手。フィニッシュのその時も止まらぬ前進でガッティ選手をロープに追い詰めていたのですが、ガッティ選手の強烈な左フックを浴びてついにその場に弾けるように倒れこみます。なんとか立ち上がったもののレフェリーが続行を許さずに激闘に終止符が打たれました。

激戦・激闘は数あれど、この試合ほどのハードな打撃戦はそうないでしょう。しかしガッティ選手はこの試合の後、こんな試合を連発するんですよね。人気が出ないはずはありません。私も大好きな選手です。
闘争本能、日本で言うところの根性を見せてくれる選手ですが、それを支える確かな技術と素晴らしいハードパンチ。見ていて痛々しいだけの単なる根性ファイターでは無い素晴らしいボクサーでした。

1997 Arturo Gatti vs Rafael Ruelas FIGHT OF THE YEAR



2008-10-23 18:38:28



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8 コメント

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Unknown (asikawa)
2008-10-23 23:07:44
ルエラスは対戦相手がリング禍となったショックを引きずったままネルソンと戦い、
ボディでマットに這いつくばって敗れる姿を見てスピリットを失ってしまったかな
と思いましたが、この試合では世界タイトルと共にボクサーとしてのプライドも
取り戻す為に戦ったように見えました。
負け方もヤケにカッコよかったです。
Unknown (管理人)
2008-10-24 14:44:16
>asikawaさん
おっしゃる様にルエラス選手の決意が見える戦いでしたね。
ほとんどの場合、リングでの事故に加害者はいなくて、その試合に関わった人全てが被害者になってしまいますよね。
この競技がその本質を変える事無く続く限り、絶対に事故は無くならないであろう事実が重すぎですよね。
事故をゼロにする事が不可能でも、それを減らすための努力や対策、万が一事故が起きた際の素早い対応の整備が望まれますね。
(実際取り組みは行われていますが)
Unknown (Ike Quarty)
2008-10-25 00:57:20
リング禍のイメージが残るルエラスが優勢に進めて詰めを躊躇していたところをガッディがガツンといったというイメージが強いですね。ルエラス兄弟でもラファエルよりセンスがあると思っていたので益々残念に見えた試合でした。
それにしてもガッディ、名勝負男ですね。ガマチェを1Rで沈めた試合は鳥肌が立ちました。
Unknown (管理人)
2008-10-25 08:21:41
>Ike Quartyさん
先日もメキシコの20歳の選手が命を落としてしまう事故がありましたよね。
相手の選手は無敗の選手ですが、彼の今後も心配です。。

ガッティ対ガマチェ戦はとにかくパワーの差が違いすぎでしたよね。
この時のガッティの計量時と試合時の体重の差が凄かった、と今も米国の試合中継でたまに言及されていますが、調べてみたら
ガマチェ141→144
ガッティ141→160
だったそうですね。19ポンド増で16ポンド差。これはひどい・・
http://www.nydailynews.com/archives/sports/2000/02/27/2000-02-27_gatti_pounds_gamache_with_ko.html

あと、私は知らなかったのですがIBFのタイトルマッチでは前日と当日に計量を行って10ポンドまでの増量と定めている??んでしょうか?
Bute, Andrade weigh in again!
http://www.fightnews.com/fightnews_2/headlines//EkkulyEuZZPEkmltkx.html
Bute, Andrade make weight!
http://www.fightnews.com/fightnews_2/headlines//EkkuZAEkpZQcoAHssU.html

こういったことは安全面を考えても重要ですよね。徹底してもらいたいです。
ガッティーさんの第二の人生に幸あれ (まっからむ)
2008-10-26 19:28:15
ガッティのファイトはどれも熱いですね。
でも、こんなに打たれて大丈夫だろうか?といつも思ってました。
通常の選手なら引退しそうな試合が10試合以上あったような気がしますが、選手生命は結構長かったですね。試合後のケアが良かったのでしょうか。ホリーフィールドも打たれた割にはあの年で良い動きをしているなあと思います。

ガッティーさんの第二の人生も幸福であることを祈ります。


Unknown (管理人)
2008-10-26 21:11:23
>まっからむさん
ガッティ選手のような命を削るようなファイトは見ていて非常に興奮しますし素晴らしいものだと思うのですが、一方ではそこまでやっては(やらせては)いけないようにも思います。

ただ安全面を重視する対応、対策が強化されていけば、やがてこの競技の魅力を削ぐ事になってしまうでしょうし、難しすぎる問題ですよね。
そもそも相手にダメージを与えることを目的にしている競技に確実な安全を求める事は不可能な事なんですから・・
Unknown (Ike Quarty)
2008-10-28 23:35:51
確かガマチェがこの体重差についてコミッションにクレームを出した(訴えた??)とかありましたね。
IBFの当日の体重規定は知りませんでした。あくまで規定で王座剥奪などの罰則はないんでしょうね(今までそんな話もなかったですしね)。
以前はロペスvsアルバレス2戦目でアルバレスが体重オーバーの後、両者が当日115パウンド超えたら試合を行わないとかありましたね。当日も体重の縛りを入れると前日計量にした意味を再度検討しないといけないかもしれませんね。

P.S. ちなみにK.O.ラウンドは2Rでしたね。あまりの衝撃に1Rと勝手に思い込んでました。
Unknown (管理人)
2008-10-29 15:49:27
>Ike Quartyさん
やはり初耳でしたか >IBFの措置
とても良い試みだと思います。そもそも安全面を考慮して当日→前日への変更だったと思うのですが(?)、これを利用して計量までより過酷に絞って、試合までにより多く体を膨らませる
そんな事を狙ってやっている選手、陣営がいますからねぇ。本来目指すべき方向と全く逆で愚の骨頂だと思うのですが、、
ただこの措置が広く扱われるようになれば、パフォーマンスに影響を及ぼす選手ってのはかなりいる事でしょうね。
パックとか・・

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