ユーリ・ヌズネンコ対ビチェスラフ・センチェンコ(2009/04/10)

WBAウェルター級タイトルマッチ

無敗のウクライナ人同士の激突となったWBA戦は、王者ユーリ・ヌズネンコ選手(Yuriy Nuzhnenko)と挑戦者ビチェスラフ・センチェンコ選手(Vyacheslav Senchenko)との間で争われ、センチェンコ選手が12回3-0の判定を制して新王者の座に就いた一戦でした。

95、96年のアマ・ウクライナ王者のヌズネンコ選手に対し、2000年五輪代表のセンチェンコ選手。両者共にアマチュアでの実績を持つもの同士という事を窺わせる堅実なスタイルは両者共通。
しかしセンチェンコ選手が体格でややリードする分距離が長く、その距離を詰めようとプレスを掛ける王者がファイター寄り、距離のキープを図る挑戦者が足も使いながらのボクサー寄りに見えたこの日の試合。
そして試合の主導権を奪ったのはセンチェンコ選手の正確で強く長いパンチでした。王者が前進してくるところにカウンターで当てられるセンチェンコ選手の右ストレート、左フック、左ジャブがヌズネンコ選手を苦しめます。強いパンチを度々浴びながらも接近を続けたヌズネンコ選手でしたが、両者のパワー差も感じられ、回を追うごとにセンチェンコ選手の優勢が明白になっていきました。
10回終了間際にヌズネンコ選手が逆ワンツーで足元が大きく揺れたセンチェンコ選手でしたが、ヌズネンコ選手に必死に抱きついてピンチを凌ぎ、残り2ラウンドもホールディングを多用しながらも要所で強い攻撃で応戦し王者の追い上げをかわし切りユナニマスの判定を得ています。(116-112x2,118-110)

センチェンコ選手は29勝(20KO)。ヌズネンコ選手は28勝(13KO)1敗1分。

Senchenko dethrones Nuzhnenko!(Alexey Sukachev,Fightnews)
Senchenko Decisions Nuzhnenko, Wins WBA Title(Mark Vester,BoxingScene)