感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

感謝!!訪者数10万人! -ブログの効用-

2014-03-20 | 日記
当ブログの訪問者がおかげさまで 「10万人」 となりました。これも閲覧してくださる皆様のおかげです。すごく励みになります。開設から約1年半でした。専門科を立ち上げて1年たったときにブログ開始を思いつきました。今回初めてブログを運用してみて、気づいたこと、良かったことを整理してみました



特定分野の最新情報を得る

当科は感染症内科とリウマチ内科というマイナーな内科分野なのであまり教科書や参考書がありません。あったとしても構成されている引用文献や知見がやや古いめです。ネット上では新しい情報もありますが、出典や引用先があいまいで信用性にかけそのまま臨床に使うのに躊躇します。そもそも日常臨床の疑問にぴったり答えてくれる記事や文献は、検索しても日本語ではほとんどありません。医療文献検索エンジンMEDLINE経由で最近の文献をひっぱってくることは、ある程度検索力を身に着ければ即座に可能な時代となりました。
このブログはリアルタイムに当科診療で疑問に感じたことを調べてまとめる作業を繰り返してきました。即座に調べて知識を得ないと、目の前の症例の状況は流れて行ってしまうし、検査や治療のタイミングを逃すことにもなります。
読者は医療従事者を想定していますが、巷にある医療参考書と比べ、臨床現場の疑問から調べているので即使える実地知識が披露できると思っています。


自己学習の強化として

繰り返しますが教科書や参考書は知見がやや古く、私たちの領域のような(ほかの領域もそうだと思いますが)検査や治療薬に関する進歩が著しいところでは、過去の常識や経験も当てになりません。私は専門家としてやっていかないといけないので、提供する情報の質を常に最新にしておく必要もあります。ブログは知識の整理に役立ちますし、文献の検索と翻訳、複数文献からの引用、最終的整理とブログアップ、その後なんどか見直しながら使用することで知識は確実に定着します。

ブログを書くということで、当院の地理的環境から周りに同分野の医師がほとんどいない、定期的に勉強会や抄読会をすることができない、などの状況下にありながら定期的に文献を読む習慣づけにも役立ちました。PubMed検索を頻用することで、Article type や Display Settings 、Related citationsなどの活用を覚えました。当院は図書室の文献購入によりFree Journalへのアクセスが恵まれているのも助けになりました。
なにより日常診療から“こうゆうことをきたす疾患はなにか”“こうゆう病名の検査はどんなか”など“よし調べてみよう”と問題点をえぐり出して、最適な検索語を設定する訓練ができました。


モチベーションの維持

といいましても、職場の状況や、大量の作業を要する講演会準備や医学雑誌への投稿記事の作成の仕事も入ってきますので、時間的な余裕のないときもあり、継続的にブログアップをするのは大変でした。それでも継続できているのは、毎回の“ちいさな達成感”が次を後押ししてくれるのと、自分の記事を書くことの心の癒し効果もあると思います。個人的日記を綴ることは“精神的苦痛を軽減し幸福感を得る手段”とされています。

また訪問者数や閲覧数の日々の増加も励みになりました。コメントも様々にいただき、多くの方が同様の考え方や意見を持っていることを実感できましたし、また提案や批評をいただくことで認識のズレがわかりました。
直接対面してのご挨拶で”ブログみてます”といわれることもあり、話題が広がったりもしました。さらにその内容をみての、講演依頼もありました。自分の分野での交流範囲が広がったことを実感しています。 
読者フィードバックは執筆者には大変ありがたいことです。


科仕事のライフログ

ブログの意味としては、自己紹介として(科のオンライン認知)の面もあります。設立されたばかりで浜松地域でもまだあまり認知されていません。この科がどういった内容の診療を行っているのか、外からわかるようになります。とくに患者サイドから受診する対象となるのか判断できるかもしれません。また科のイベントの周知や開催記録なども盛り込みました。過去ブログを振り返りますと、科業務のライフログになっていることになります。


最後に、当ブログのような医療系ブログ運用で配慮すべきこととして、個人情報の保持と著作権への配慮があるかと思います。 症例の情報を出すにしても個人情報を極力ひかえて特定できないようにしたり、引用した文献を表示して(どうしても引用が多くなりますが)いました。


というわけで、やはりブログ運用はいろいろな意味でお勧めです。当ブログもそうですが、利用無料で投稿作業も簡単です。この分野でも感染症はブログが多いですが、リウマチ膠原病系はまだ少ないです。どんどん増えてくることを願っています。

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