自分が女性であれば、自分には母(不在いかんにかかわらず)がいることは確実で、そのとき自分は母の娘なのである。
思春期を迎え大人の女性となり、やがて子供を生む(結婚は前提ではない)。
そうなれば、自分は母親に、子供が同性であれば娘の母となる。
しかし、母になったからといって、自分は母親の娘でもあることに変わりはないのだ。
やがて、自分の娘が大人になり、子供を生めば、おばあちゃんとなり、死が近づく。
上記のことが、一回読んだだけで理解できただろうか。
これは、女性であれば迎えるであろう場所(立場)の流れを追っている。
そこで大きく影響してくるのは、意識、無意識に関わらず、母娘間の関係である。
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ーー上巻から続く
食料を生産し、稠密な人間集団を形成し、集権的で、階層的な政治機構を持つようになると、文字や発明というものが登場する。
文字は世界で3箇所しか発明されてはおらず、そのほかの国や地域では「アイデアの模倣」もしくは「実態の模倣」という形で伝播していく。
初期の文字には、曖昧性が高く、用途も使い道も限られたものであったために、文字が広がった社会と広がらなかった社会とができてしまった。
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本書は、なぜ民族によって手にした権力と富の程度が異なるのか、という疑問に対する回答を探っていくものです。
1万3000年の人類史を振り返り、分子生物学、進化生物学、生物地理学、考古学、文化人類学などから多角的に考察し、5つの大陸でどのように人類が歩んできたかを検証します。
注)忘れないように、記録を残しておこうという意図で書いていますので、ご了承ください。
第1部 勝者と敗者をめぐる謎
人類がア . . . 本文を読む
タイトルに面食らった人もいるでしょうが、本書は大変真面目な、進化生物学の本なのです。
「ブレンダと呼ばれた少年」のなかで、マネー博士は、かなり大胆な性についての見解、性の解放を目指していました。
これには、多くの人が反感を持ったのではないかと思います。
では、なぜヒトは隠れてセックスするのでしょう。
どうして、セックス自体を楽しむのでしょう。
自然界の動物の多くは、交尾はもっぱら種を残すため、遺伝 . . . 本文を読む
男児、女児、両方の子供を持っている親なら、男女差は生得的なものがあるということに同意されるのではないかと思います。
私自身は、子供が4人おり、男女2人づつという絶妙のバランスを誇っています。
子育てをするにあたり、なるべく男女差を感じさせないように育てようと決意していましたので、長男が人形遊びしようが(彼はウサギのぬいぐるみにオムツをさせようとしたり、おんぶしたりしていました)、次男がママゴトをし . . . 本文を読む
上巻では同種間オスに関する子殺しが、どのような場合に起こりうるか詳細に語られていましたが、下巻では、子を持つ母の身には大変苦しい現実を見つめることを余儀なくされます。
それは、母親が自ら行う子殺し、子捨ての歴史です。
母親は自分の利益と損失を考慮し、子供が生まれた時点で決断を迫られます。
バースコントロールが無かった時代、望まれない子供が如何に多く命を失っていたのかを目の当たりにすると血の気が引く . . . 本文を読む
私のブログでは、現在コメント数73という驚異的な記事があります。
それはフェミニズム文学というタイトルをつけた記事で、フェミニズム文学を読んだとき、男性はどういう反応をするのだろうかと思って書いたのでありましたが、次第にコメントをいただく方々のフェミニズム観を現すものになってきました。
これはとても有意義な議論で、自分の考えるフェミ観をきちんと言葉にして考えるよい機会であったと考えています。
コメ . . . 本文を読む
<事実は小説より奇なり>と申します。
トリイ・ヘイデンやダニエル・キイスのような作家は、フィクションよりノンフィクションでのほうが、ずっとパワーを感じるものです。
それが真実あったことだし、私たちの生活のすぐ隣で起こっていることであると同時に、ドラマチックであるというところに感銘を受けるのかもしれません。
トリイは、知的な障害を持つ子供たちを受け持つセラピストです。
特殊教育の学級の先生をしてき . . . 本文を読む
本書は、「くらやみの速さはどれくらい」を読んだおり、TBさせていただいた方に、紹介された本でありました。
書名だけは聞いたことがあり、機会があれば読んでみようと思ったんですが、そのまま忘れ去ってしまい、紹介していただいて思い出した次第です。
著者、オリヴァー・サックスは「レナードの朝」の著者でもあり、私は映画でしか観ていないのですが、とても好印象の映画であったとの記憶がありました。
本文を読み始 . . . 本文を読む
本書は「イブの7人の娘たち」の姉妹本にあたる。
「イブの7人の娘たち」では、ミトコンドリアDNAを解析することにより、人類の母系列の祖先をたどるという女性の歴史に焦点を絞っていた。
では、男性の歴史を男性特有のY染色体によってたどる事ができるだろうか。
その可能性を探り、Y染色体の本質に迫るのが、本書の内容だ。
Y染色体の実態に迫る前に、染色体の発見、遺伝子はどこにあるのか、なぜ男性と女性がある . . . 本文を読む
イブの息子たちじゃあないよ。(このギャグがわかる人がいるのか?)
という、冗談はさておき、この本はとっても真面目な
ミトコンドリアDNAに関するノンフィクション。
学術的な記述も多いが、難しいところは日本語翻訳時点で割愛されているということで、わかりやすく読みやすい。
何より、著者の人柄が、お茶目でかわいらしい。
ミトコンドリアDNAといえば、ミトコンドリア・イブですが、まあ、そう急がずに。
ま . . . 本文を読む