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月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アルマァズ・36

2015-10-22 04:13:38 | 詩集・瑠璃の籠

いつも だれかが
あなたを 待っていてくれた
幸福の 日々は
ある日突然 藁の家のように
ばらばらにくずれていくのです

顔が 変わってゆく
体が 縮んでゆく
もはやあなたは昔のあなたではない

だれもせめることはできない
他人から盗んだ偽物の美で
愛を裏切っていたのは
あなた自身だったのですから
だれもせめることはできない
ひとりで
自分の行くべき道を行きなさい

衝撃は
あなたの心臓に鎖を巻くように
重たく心をふさぐが
絶望の叫びをあげる前に
宿命の鍵が
あなたの真の故郷への扉を開き
それはあなたを吸い込んでしまうでしょう
すべては あなた自身が
嘘だったからです

裏切り者は野辺に行け
あなたはその入り口をくぐる時
かすかな蝶の声を聞くでしょう
人生は ただではないのですよ
あなたは 自分の力では
とても払いきれない
豊かな人生を盗んでいたのです
だが全てはもう終わりです

あなたは本当のあなたに帰る
どんなに貧しくとも 苦しくとも
生きていけるものは生きていきなさい
この先どんなことがあっても
誰も責めてはなりません
なぜならあなた自身が
まるごと間違っていたからです

静かに 耳を澄まして聞きなさい
大声を出して地球を驚かせてはいけません
青いバロックを吐き出す貝のように
静かに語るわたしの話を
唇を硬く閉じて心で聞きなさい
涙だけはしゃべってもかまいません

虚偽を積み重ねて作った
あなたの幸福の家は
エデンからふたりを追放する天使のように
あなたを追い出すでしょう
魚の声のような
終了のベルを長く鳴らして
終劇の幕はゆっくりと下りてくるでしょう

そして
にんげんの みらいは
あなたがたが全く思いもよらなかった
不思議な方向に流れてゆくでしょう



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シルマ・8

2015-10-21 04:09:32 | 詩集・瑠璃の籠

人間は 人間であることに
奢ってはなりません
自然界の前に謙虚でありなさい
人間を助けてくれていた
全ての存在の前に美しく礼儀を正しなさい

人類の進化の道は
宇宙開発や超能力などのように
漫画的なものではありません
魂の愛の進化なのです

あらゆる辛酸をなめ
試練に魂をもまれ
傷だらけになりながら
自らの心を強くしていきなさい

愛のためなら
自分はどんなことでもできる
そういうことがわかるようになるまで
自分の心を鍛えていきなさい

人間が正しい進化の道を歩んでいくためには
先達が必要です
植物たちはその役割を多く果たしてくれるでしょう
鳥や虫や魚も大事なことを教えてくれるでしょう
感性の花を開き 目に見えぬ自然界の言葉を食べながら
自分の情感を豊かに太らせていきなさい

よいですか
大脳皮質が発達しているからと言って
人間が一番素晴らしい存在だというわけではないのです
それは神があなたがたの霊魂に与えた器なのであって
それがゆえに人間の魂が
全ての生命よりも勝っているというわけではないのです

人類よりすぐれているものなど
地球上にあふれるほどいる
彼らが一体何をしているのかを
あなたがたは学んでいかなければなりません
そして地球霊的天然システムの
絆の中に入っていかねばなりません

繰り返しましょう
人間は 人間であることに
奢ってはなりません
自然界の前に謙虚でありなさい
人間を助けてくれていた
全ての存在の前に美しく礼儀を正しなさい



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ヴィンデミアトリックス・7

2015-10-20 04:17:53 | 詩集・瑠璃の籠

蝶々のひげで作った
神の筆が風に乗り
人間の顔に
見えない印を書いていく

その印は
顔から体内に染みこんで
血流の中に溶け
全身に広がって行くのだ
それだけでもう
その存在はだめになっているのだよ
おまえたちにはわかるまい

それはおまえたちが
偽物の人生や人間しか
ほとんど見たことがないからなのだ
本当の人生というものは
そう安楽にうまくいくものではなく
心を揺さぶる
厳しい試練が何度もあるものだと
それを乗り越えることによって
人の心は強くなってくるものなのだと
今の人間はほとんど知らないのだ

甘いものばかり食べていると
体がおかしくなってくるように
試練の実を食べないと
人間もおかしくなってくる
ずるをして 馬鹿をして
自分の得ばかりを考えて
痛い経験を味わったこともなく
人を愛したこともなく
老いていったものは
何も学ばずに生き
せっかくの人生を棒に振り
プライドばかりが高い馬鹿になる

人類は 分けられる
神によって 分けられる
あまりにも惨いことをやった人間には
神のしるしがつけられ
血流の中にそれが溶け込んでゆく
それは すべてがだめになった人間という意味だ
すべての愛に嫌われた人間という意味だ
そしてそれらは人間ではないものに落ちて
永遠の地球創造活動からはじかれる
もう二度と ここに帰ってくることはできない

何を得て 何を失ったのか
いずれわかる時が来るだろう
だがそのときにはもう全てが遅い
いつまでも 
馬鹿ばかりやっているのではない
そろそろ目を覚ませ
絶望の坂を転げ落ちる前に
目を覚ませ



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シルマ・7

2015-10-19 04:08:44 | 詩集・瑠璃の籠

もう子供ではないのですから
大声を出して泣くようなまねは
してはなりません

頭を切り替え
自分を律し
心静かに
現実を見つめなさい

これは自分がなしたことの
結果なのだと
全ては自分がやったことの
反動なのだと

人間が今まで何をしてきたか
その現実が
いつかあなたがたを打ちのめすでしょう
しかし逃げてはならない
怨む心を自ら切り落とし
冷静に真実を飲み込むのです

やらねばならないことをやるために
心をきれいに片付け
要らないものは一切捨てなさい
いつまでも未練を引きずっていてはならない
凍りつく寒さと孤独に心臓を刺されても
神を責めてはなりません
すべてはあなた自身のためなのです

法則があなたのために出した答えが
一切の消滅であっても
驚いてはなりません
なぜならあなたは愛を盗んで合成した
偽物の人生を生きていたのですから
蝋燭の火が風にふと消えるように
自分自身をも含めて
自分の人生の中にあったものが全て
瞬時に消え失せるということすら
在り得るのです

これからあなたがたは
様々な法則の反動の厳しさを見てゆくことでしょう
あまりにも汚いことをした人間が
どのように落ちていくかも
目の当たりに見ることができるでしょう
学びなさい
そしてもう二度と同じことをくりかえしてはならないと
肝に銘じなさい

愛を豚のように煮殺してきた
人類の罪はあまりにも愚かで深い
だがもう悪魔が好きなようにやってきた
暗黒の時代は終わります
人類は自分のために生きるのではなく
愛のために生きねばなりません

その学びに入る前に
法則の真実という経験を
しっかりと今 味わっておきなさい
悲哀にも 苦痛にも 
プライドがぐしゃぐしゃになるほどの
屈辱にも耐えて
涙をかみしめていきなさい



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ベテルギウス・16

2015-10-18 04:28:07 | 詩集・瑠璃の籠

罪の神が あなたの元に
訪れるでしょう

深海の底で
もぐらの首を絞めた
あなたの罪を浄めるために

だれにも秘密を知られなければ
ずっと今の自分でいられるからと
あなたはもぐらを殺したのです
なぜならそれこそが
本当のあなたを知っている
ただひとつものだったからです

たった一匹のもぐらを殺したことが
あなたの大きな罪になった
なぜなら
そのもぐらが生きてさえいれば
本当に多くの人が
助かったはずなのです
すくなくとも ここまで
世界が馬鹿になる程
ひどいことにはならなかったのです

罪の神の訪れを迎えるために
心の準備をしなさい
盗んで来たものすべてを
神に返し
泥沼に棲む河童のような
本当の自分の姿に戻るのです
あなたは覚えていなくても
心のどこかにそれに惹かれる
何かがあるはずです

ああ 本当の故郷は
あそこだったのだと

さあ
本当の自分に帰る
準備を始めなさい
突然仮面がはがれ落ちて
涙が滝のように流れ
全てのことが嘘だったのだと人にばれても
真実の重さに崩れてはなりません
それがどんなに辛くとも
自分をしっかり立てていられるように
心を強くして 準備をしておきなさい

人にも神にも
優しさを求めてはなりません
すべては自分でやっていくことです
それがあなたのために
最も良いことなのです



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アルマァズ・35

2015-10-17 04:07:06 | 詩集・瑠璃の籠

どんなに自分を悪に染め
暗闇の地獄にあえいでいる人も
一度解脱の光を見れば
それはすばらしい人になります

自己存在の本義は
それそのものの美しさが
全てを照らし
全てを創造してゆく
すばらしい幸福だということです

何の見返りも求めず
愛だけで
すべてのために
すべてをやってゆく
それそのものが真の幸福であることを
歓喜の雨のように浴びている
その魂の幸福に飛びこんでゆくことこそが
解脱というものなのです

ぬるま湯の暮らしの中で
自分らしいなどということばを吐きながら
他人から盗んだ 自分ではない自分を生きている
そんな人間があふれるほどたくさんいる現在
幸福を装いながら
人の魂はあまりにも惨い愚にさいなまれている
なぜならすべては嘘だからです
人間は今完全に馬鹿の作りだした
哀れな偽物の自分を生きているのです

その愚かしい仮面を引き破り
魂の壁を越えるべく
解脱に挑戦してみなさい
難しいことではない
あなたがたの魂は もう十分に
その段階に跳べるようになるまでに
成長したのです

実存する自分を生で感じてみなさい
自分の真の自由が自分の中で
鳥のように息づいていることに
気づくことでしょう
その中で自分は何をするのかを
あなたはすぐに理解することができるでしょう

どんなに汚れた怠け者でさえも
この解脱の山を乗り越えたとたん
すばらしく美しい行動の人になります
これは真実です
挑戦してみなさい

今の自分にすっかり満足しているような
自分は本当の自分ではありません
なぜなら本当の自分とは
価値ある欠落を有しているがゆえに
常に新しいものに向かって活動してゆくものだからです



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サビク・13

2015-10-16 04:12:00 | 詩集・瑠璃の籠

苦しみから
逃れようとする心を
飼い犬のように
しつけなさい

苦すぎる薬を飲むことから
逃れようとする心を
飼い犬のように
しつけなさい

馬鹿なことをするのではない
汚いことを平気でやるのではない
誰も見ていないと思って
暗がりで鼠を殺すのではない

あなたがしているすべてのことは
空気のように透明な
ひとひらのゼフィルスが
ずっと見ているのです

あなたの知らない間に
あなたのしたことは
ゼフィルスの翅の文様に刻まれ
神の耳の中に流れてゆくのです

そして法則の復讐は
静かな波のように
あなたのしんぞうを濡らす
嘘ばかりつくのはもうやめなさい

苦しみから
逃れようとする心を
飼い犬のように
しつけなさい

法則の復讐から逃げるために
暴れる心を
飼い犬のように
しつけなさい

すべてを受け入れ
耐えていくために
自分の心を
飼い犬のように
厳しくしつけなさい



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ヴィンデミアトリックス・6

2015-10-15 04:10:52 | 詩集・瑠璃の籠

民主主義はもう
どんづまりになっている
同じことをくりかえすばかりで
それ以上全く前に進むことができない

大勢という名の王が
できもしないほらをふいて
ぜんぶ責任を国に押しつけるものだから
国は民衆の知らないところで
全く別のものになっている

傾国の死美女が
砂のような手でそれを抱きしめ
かすかにつぶやく
人間は何をやるの?

するとそれは答える
何もやりはしないさ
ただ砂漠のような真実が
向こうからやって来て驚くだけだ
それでも人間は
まるで何もしない

人間は何もしない
どんなに大変なことになっても
だれかが何とかしてくれると思っている
だが何とかしてくれる者は
自分達が大勢で全て滅ぼしてしまった

民主主義の正体が
人間にばれるとき
人間はやっと気づくのだろう
全ては嘘なのだと
必要なのは真実の愛なのだと
だが気づいた時にはもう
すべての愛が
人間を冷たい目で見ている

ここまで来なければ
肝に入らなかったのかと
天使が鞭をつかみながら
静かな声で言う



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エルナト・21

2015-10-14 04:36:01 | 詩集・瑠璃の籠

勘違いをしてはなりません
苦しい時は
愛の天使が助けてくれると
それが当然だなどと考えてはなりません
何度もいいますが
彼らの活動は
われわれ鞭の天使が
全面的に妨害するからです

愛の天使は美しい
どんな酷い目に会わされようと
諦めずに あなたがたの元へ
愛を届けようとする
しかしわたしは
そんな彼らの愛にすがろうとする人間を
心から軽蔑します

あなたがたにとっては
彼らの美しい愛は
返って毒になります
よほどのことがない限り
あなたがたは
彼の愛の手に触れる事すらできません
その前に
わたしがあなたがたの上に降らす
槍の雨にあたり
自分の愚かさを知りなさい

一体自分が何をやったのか
深く肝に刻まれるまで
わたしが十分に懲らしめて差し上げましょう
それが今のあなたがたにとって
最もふさわしい愛です

勘違いをしてはなりません
わたしもわたしなりに
あなたがたを愛している
ただその表現が
彼らとは全くちがうというだけです
わたしがいなければ
あなたがたはいつまでも
愛の天使に甘えて
本当にやらなければならないことに
手をつけもしない
それでは明らかに馬鹿になってしまう

彼らもそれがわかっていますから
わたしの妨害に文句を言うようなことは
一切やりません
ぜひともやってくれとさえ
思っている事でしょう
わたしたちは同じて和せずではない
今のあなたがたにとっては
彼らの愛よりも
わたしの愛が必要なのです

わたしはエルナト
愛を憎悪に変換し
火のついた槍を
あなたがたの頭上に降らします
あっけなくあなたがたは敗れる
自分の実力の程を思い知り
あらゆるものに素直に頭を下げ
自分のしなければならないことが
わかるようになるまで
十分に翻弄してさしあげましょう



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ソル・20

2015-10-13 04:20:25 | 詩集・瑠璃の籠

ふと気がつくと
わたしは床の中に横になって
岩戸の小部屋の天井を見ていた
まだぼんやりとしたまま
半身を起こすと
プロキオンが ちり と
やさしげに鳴く

わたしはずいぶんと長く眠っていたのだろう
身を起こすと背中や首のあちこちが痛かった
それでわたしは少し体を動かそうと
床を出て文机に向かおうとした
と 何か不思議な匂いがするのに気がついた
まるで明るい日向の草原を吹きぬける風のような
さわやかな匂いだ

だれかを思い出すような気がする
どこからこの匂いはくるのだろう
わたしは小窓の方を見た
だが小窓は
隙間風の一筋も入っては来れないように
しっかりと閉まっていた

ああ わかった
わたしはプロキオンの方を見ながら言った
さっきまで ここに誰かいたのですね
誰なのでしょう
ああ 起こしてくださればよかったのに
するとプロキオンは
とても優しい声で言ったのだ

机の上を よく見てごらんなさい

そう言われて わたしは床からはいだし
文机の上を見た
するとそこにずいぶんと奇麗なとんぼがいた
まあ何でこんなところにとんぼがと
よく見てみたら
それはとんぼの形をした美しいエマイユだった
なんてきれいな細工物だろう
まるで生きているとんぼにそっくりだ

それはある方からあなたへの贈り物です
美しいでしょう
机の上にそのままおいて
見つめているだけで
あなたの病気がよくなっていきます

プロキオンの言う通り
わたしがほれぼれととんぼを見ているうちに
心臓の棘がまた緩やかに溶けて
なくなっていくような気がした
わたしはとんぼをそっと手にとり
小部屋の灯りにすかしてみた
ああ なんてきれいなとんぼだろう
透き通った翅から細長い胴の先まで
本物そっくりに作ってある
複眼の目ときたら虹色をひめた深い孔雀色の玉のようだ
こんなに美しくて
すばらしいものを作れる人はだれだろう

するとわたしの脳裏に
誰かの面影がよぎった
ああ そうだ
あの人はこんな美しい細工物を作るのが好きだ
指先を細やかに動かして
何ともいえぬ美しいものを作るのが好きだ

来てくださっていたのですか
あの人が
わたしがプロキオンに言うと
プロキオンはちるちると
美しく鳴くばかりで
答えてはくれない
だがきっと
わたしの推測は外れていない
このとんぼを作って下さったのは
あの人に違いない

美しいものを見るということは
とても快いでしょう
と プロキオンが言った
わたしはうれしくて
まったくそのとおりですと答えた
こんなに美しいものを作れる人は
きっとあの人でしょうね

わたしが言うと
プロキオンはまた少し横を向いて
ちる と一声鳴いた

ああ わたしは知っています
あの人は美しいものを作るのがとても好きだ
わたしも好きだけれど
あの人のようにすばらしい細工物は
なかなか作れない
ああ なんとやさしいのでしょう
この人は愛している
とんぼを愛している

ああ 起こしてくださればよかったのに
少しでもお話ができたら
うれしかったのに
わたしがとんぼを見ながら残念そうに言うと
あのお方もお忙しいのですよ
と プロキオンが言う

お忙しい?
何かの活動をなさっているのですか?

さあ
わたしには何も言えません
ただ
愛する者のためにできることをするのは
わたしたちの血に溶けた塩のようなもの
あの方も
黙っていてくれと言われて
おとなしく黙っているお方ではないということです

わたしはとんぼを見ながら
深くうなずいている自分に気づいた
ほんとうに あの人は
そう言う人です
涙が目にふくらんで 
静かにほおを流れて落ちた

さあ そのとんぼの美しさを
心に刻みつけて
今はお眠りなさい
それがあなたの仕事です
プロキオンが言った
わたしは もうわかっていたので
はいと小さく返事をすると
とんぼを机の上にそっと置いて
床の方に向かった

目を閉じると
美しいエマイユのとんぼが
わたしの心の中を飛んでいた
それだけでわたしの心の中の
寒かった場所が生き返るように
暖まってくるような気がした

あの方は今
何をなさっているのだろう
きっと素晴らしいことに違いない




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