左手を 鈴の緒に預け
沈黙の 玉を飲み
くちびるを 縫う
語ってはならないと
あなたはいう
だが 語らずにいられない
話さずにいられない
愛するものの ところへ
魂は飛んで行こうとする
すべては
ひとびとのためと
わかっていても
沈黙に沈むことは
わたしに死ねと言うことと
同じだ
故にわたしは
小さな声で
話す
わたしの声の
聞こえるところに
ひとびとよ あなたがたは
めったに 来てはならない
あなたがたは わたしを
覗き見る 窓を閉じ
遠く離れていなさい
そうでないと 彼が 怒る
わたしの声の
届くところに来る人は
限られる
わたしの岩戸の 小さな窓辺に
来る人は
少ない
ひとよ わたしに
姿を見せてはならない
わたしも あなたがたを
見ない
わたしは 隠れる
大きな星が わたしを隠す
しばし
わたしは 隠れる
許せ
遠き道を あなたがたは
ゆかねばならぬ
そのために
飴を つくって やりたかったが
ああ
飴を
あめ を
あ め を