四畳半の古い和室を照らす
裸電球を集めて
誰かが偽物の星を作った
おや かわいいイタチの形をしたアステリズムが
あるはずのないところにある
天球の隅に奇妙な星が群れている
星は天球上を運航しながら
自らの運命を
良き方向に導こうと
見よう見まねで
歌を歌っているようだ
だがその歌が ほう
まるで歌になっていない
星よ
本当の星の歌は
自らのために歌ったりはしない
そのように音も旋律もばらばらに
崩れて行ったりはしない
歌うたびに
白い灰を吐き
星の肺と喉がくずれてゆく
このままでは
とんでもない嘘が壊れてしまう
人よ 見給え
嘘であってはならないはずのものが
真っ赤な嘘だったことが
けち臭い詐欺師の下手な芝居であったことが
とうとうばれる
かわいそうに
あわれにも あれほど苦労して作った
オレンジ色のアステリズムが
崩れ果てて落ちてくる
ミケランジェロの天井の絵具が
虹色の灰となって落ちてくるように
システィーナの礼拝堂に
あわれな狸が住んでいることに
あなたたちはやっと気づくのだね
