紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

前日の続きを書きましょう。ユセフ・ラティーフ~ジャズ・ムード

2007-09-18 23:12:08 | ジャズ・フルート他(ホーン)
1曲目…「メタファ」はこのアルバムのコンセプト通りの楽曲です。
インディア的なメロディテーマの序奏の後で「ラティーフ」は、「モンク」調のハズシ気味のメロディーを、やや過激なアドリブでフルートを用いて奏でる。
昨日、プチ紹介したが、どことなく、いや、かなり「ドルフィー」が見え隠れするソロだ。多分フルートと言う楽器で、アヴァンギャルドに演奏すると、無条件反射的に「ドルフィー」が脳裏を掠めるんでしょうね。
「ラティーフ」の後で、「フラー」がいつもよりはハードに、ピアノの「ローソン」ベースの「ファロウ」、名人「ヘイズ」のバック3人は、非常にクラシカルなトリオ演奏で、フロント二人をサポートする。
過激な「ラティーフ」とのギャップが、この演奏の隠し味になっている。

2曲目「ユセフズ・ムード」は、過激と言うよりは、もろにファンキーだ。
ファンキーと来れば、このメンツではジャズテットの勇士、「フラー」の出番だ。
「ラティーフ」は、この曲ではテナーサックスで、「モブレー」が吹いた様な、割と正統的に吹く。
中途で絡む「フラー」が、同じフレーズを淡々と吹くのだが、アドリブでぶいぶい言わす「ラティーフ」よりも目立ってしまうのは、何故だろう?
やはり、曲調が「フラー」にピッタリ合うので、聴き手が「フラー」の勝ちを判定してしまうんだろう。
かと言って、「ラティーフ」のソロは、悪い訳では無いので、ご安心を…。
特に終盤は、ガンガン吹いて盛り上げてくれますぜ!!

3曲目「ザ・ビギニング」は、短曲だが「ラティーフ」が、沈静なテナーアドリブを吹いて、何か後期の「コルトレーン」が、神聖なバラッドを吹いている所がオーヴァーラップするようだ。
低音域を効果的に弾く「ローソン」が良い味を出してます。

4曲目「モーニング」…序奏のパーカッション「ワトキンス」が、ノッケから異国情緒たっぷりに皆を煽ると、「ラティーフ」「フラー」のユニゾンが、それに続く。
ここでの「ラティーフ」は、渋くむせび泣く様な、サックスを吹く。
「ローソン」は、モード調のピアノで応戦するが、その間でも「ファロウ」はピッチカート奏法で、「ワトキンス」も、延々と締った音色のパーカッションを単調に、しかしハードコアに引き続ける。
単調と言っても、全く飽きさせず、むしろ「フラー」「ラティーフ」のアドリブを際立たせているのが、素晴らしい。
私的に、1曲目と双璧の名演奏と思うし、是非推薦したい曲です。

5曲目「ブルース~」も、エキゾチックなテーマメロディに導かれて、「ラティーフ」が登場!
ここで漢っぷり充分なテナーソロを吹くと、「ヘイズ」もシンバル&ブラシで皆を高揚して行く。
「ローソン」は、お洒落目のシングルトーンで、ハードバップ全開。
受ける「フラー」は「フラー節」全開で、これまた良いねぇ。
「フラー」に限って言えば、このアルバムで一番良い演奏でしょう。
「ファロウ」のソロも朴訥調で、好感が持てる。
最後のユニゾンフィニッシュも、曲の締め括りに相応しい。

アバンギャルドと言っても、フリーじゃないので、聴き易いアルバムです。


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