紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

美形ストリング・カルテットのデビュー盤…ボンド~ボーン

2008-04-19 00:33:38 | イージー・リスニング
今日は一寸毛色の変わったのを行ってみましょう。

2000年にUKで結成された、女性4人…それも飛び切り美人のメンバーによって、クラシックやポップス、ラテン、ユーロ・ビート等を上手く融合させた、イージー・リスニングを奏でるユニット…それが、bond(ボンド)で、彼女たちのデビュー・アルバムを紹介しましょう。

アルバムタイトル…ボーン

パーソネル…bond(メンバー)
      ヘイリー・エッカー(第一vl)
      エイオス(第二vl)
      タニア・デイヴィス(ヴィオラ)
      ゲイ=イー・ウィスターホフ(チェロ)

曲目…1.ヴィクトリー(Mike Batt Mix)、2.キソト、3.ウィンター、4.ヴィクトリー(Magnus Fiennes Mix)、5.オセアニック、6.キスメット、7.コロブシュカ、8.アレクサンダー・ザ・グレイト、9.デュエル、10.ベッラ・ドンナ、11.The 1812、12.ダラライ、13.ヒム

1999年5月~2000年 アビー・ロード・スタジオにて録音

原盤…DECCA 467-395-5 発売…ビクター・エンターテインメント
CD番号…UCCL-1014

演奏について…1曲目「ヴィクトリー」…とても華々しい序奏のオープニング曲であり、いきなりエンジン全開で、彼女たちの決起表明がなされているかのよう。。
そう、イメージを言えば、かつて大ヒットした、クラシカル・ポップの大ベスト・セラー…「フックト・オン・クラシック」に良く似ている。
勿論、この曲は彼女たちのオリジナル曲であり、「フックト~」をパクッている訳では有りません。(笑)
軽快で、ノリノリの1曲です。

2曲目「キソト」…こいつぁ良いぜ!!
序奏のソロ演奏(チェロの「ゲイ=イー」の名演)から一気に引き込まれて、ラテン的な…いやもっとエキゾティックな、そう、中近東の様なリズムに乗って、ノスタルジックでいながら、コスミックな面も持っている、万華鏡の世界を表現してくれる。
掛け声がかかってから、更に異国情緒たっぷりなメロディとリズムのカオスへと送り込まれて…いきなりのベスト・チューンが出たぁ!!!

3曲目「ウィンター」…もう春満開なのに、いや暦ならもうすぐ初夏だよね。
そんな中で冬と言う名の曲ですが、映画「スピード」そっくり?なユーロ・ビートに乗って、「ヴィヴァルディ」の四季;冬のテーマを連想させるダンサブルなナンバー。
冬のイメージ曲をあえてダンス・ナンバーにするって事は勇気とセンスが必要ですけど…彼女たち…見事に演ってます。
この曲に限らず、劇音楽風のバック演奏、編曲の素晴らしさも、goodな演奏に仕上げている大きな要因で、プロデューサーやアレンジャーは相当有能な方たちなんでしょう。

4曲目は再度「ヴィクトリー」ですが、こちらの演奏・編曲の方が大分大人しい感じで、余裕と遊びが随所に有ります。
決意表明が終わった後に、この曲を彼女たち自身の物に熟練して会得した感じがします。
後半に入ると、リズムをラテンにしたり、オーケストラ・サウンドでゴージャスにしたり…益々遊びと言うか、余裕を見せて、大人の女性の色香も加わってきますよ~。

5曲目「オセアニア」…非常に幻想的な序奏、メロディから呪文?が加わり、連想されるのは、原住民のオセアニア人、そうです、例えばオーストラリアの「アボリジニ」の古代儀式でしょうか?
8年前のシドニー・オリンピックの開会式で見た、パフォーマンスが一瞬思い出されますが、実はこの曲の(収録)の方が先(古い)なんですよね?
下種の勘繰りですが、UKにとっては、(オーストラリアは)、かつての植民地だった所なので、2000年の時代に、オリンピックを念頭に置いて作曲されたかもしれません。
終盤は幻想にロマンスが加味され、一番イメージに近いのは、「ファイナル・ファンタジー」や「ドラクエ」等に使用されるBGMの感じです。

6曲目「キスメット」…これはマコロニ・ウェスタンのテーマ曲の様に、美しくて、悲しくて、一寸残酷?な曲調ですね。
しかし、ストリングスがぴったりとマッチする曲です。
終盤は悲劇、悲恋を連想させる、マイナー・メロディが軸となって、ピアノの演奏なども加わり、クライマックスを迎えます。
果たして、ガンマンの結末は…死か?勝ったけど、恋人との別れか?
なーんて、誰もこの曲がマカロニ・ウェスタンだなんて書いていないので、あくまでも私の妄想です。ハイ!!

7曲目「コロブシュカ」…序奏のヴァイオリン独奏がとにかく切なくて、物悲しくて、メロディも最高に美しい。
ところが、この小節が終わると曲が一転して、ロシアのサーカス団、いや、見世物興行のテーマ曲の様に、明るくて、楽しげで、でもとても悲しいメロディなんです。
とても良い曲&演奏で、気に入ります。

8曲目「アレクサンダー・ザ・グレイト」…曲名からすると、「アレクサンダー大王」の事かな?って思うんだけど、曲調は全く大袈裟な感じではなくて、大王をイメージした曲ではないかも?と改めて思い直す。
とても明るくて、ポップな曲です。

9曲目「デュエル」…曲名通り、第一ヴァイオリン「ヘイリー」と、第二ヴァイオリン「エイオス」が、輪唱的あり、絡み合いありで、この二人を全面的に押し出した曲&演奏です。
ポップでアクティブなリズムに対して、二人のヴァイオリンのメロディと演奏がマイナー調で、哀愁たっぷり…うぅーん行けてるぜ!

10曲目「ベッラ・ドンナ」…テーマ・メロディが美しくて、とにかくス・テ・キ!
この悲恋映画のメイン・テーマにして、いきなりオープニングで使うとは何たる大胆さって、またまた勝手に妄想しちゃってますよ。
私って想像力豊かと言うより、有り過ぎ??ですかね。(大笑)
もはや、妄想癖になってるかも。

11曲目「The 1982」…曲名を見れば一目瞭然…「チャイコフスキー」の「大序曲1812年」を引用して作られた曲で、これこそ「フックト・オン・クラッシク」の世界そのものだけど、1曲を色々とアレンジメントとデフォルメを加えて調理しているので、全くパクリって事では無いです。
とても軽快なトラックです。

12曲目「ダラライ」…この曲も曲名を見ると、何となく曲調がイメージ出来ますね。
とても、イスラムティックな感じですが、イスラム圏の原曲からすると、かなりマイルドな感じに仕上げていて、えぐくないのが私には物足りない。
もっとに過激にぶっ飛んで欲っすい!

13曲目「ヒム」…海外ならば、この曲がエンディング曲となっていて、ラストに相応しく、とてもクラシカルな仕上げで、「J.S.バッハ」の「管弦楽組曲」や「ブランデンブルグ協奏曲」風な演奏に共感を覚えます。
編曲やアレンジに頼らず?彼女たちの技量とスピリットを、最も的確に出した演奏&曲だと思います。
安らぎと威厳が垣間見えて、とても宜しいですね。

14曲目「ヴィクトリー」国内盤のみのボーナス・トラック。
「ヴィクトリー」は、曲としては、彼女たちの代名詞と言って良いですが、本日3回目の登場です。(笑)
この演奏では序奏からリズム・セクションが、曲を伸ばし伸ばして、本隊が中々出て来ません。
激しいビートのみで、曲の大半を演るんです。
私個人的には、無くても良い演奏なんですが、まぁ、おまけと言うことで、勘弁してもらいましょうかね。(大爆笑)

たまには、美人のお姉さん方に、癒してもらったらどうでしょうか?


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